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『ライブドアショックの真実』

ライブドアショックの真実
『ライブドアショックの真実』
岩崎博充・著
ぶんか社

昨年の10月からオンライントレードを始めたので、
ライブドアショックはリアルタイムで見てきた。
今回の事件で私がいちばん頭に来たのはライブドアでもホリエモンでもなく、
脆弱な東証のシステムと、マスコミの過熱報道ぶりだ。
1月16日の強制捜査といい、1月23日の堀江貴文逮捕といい、
六本木ヒルズから悲壮な声をはりあげて現場中継する必要があったのか。
「現在ライブドアには電話がつながらず、本社はだいぶ混乱してる模様です」って
そりゃ、あんたみたいなのが、必要もないのに電話をするから混乱するんだろう。

ライブドア株は強制捜査前でも1株700円、1株単位で買えたから
株初心者が手を出しやすかったのは事実。
それでも、ライブドアの元々の事業であるソフトウェア販売を見れば、
とても信用できる会社でないのは素人にでもわかる。
ライブドアが買収したプロジーはいいソフトもたくさん出してますが、
『Lindows』を大々的に宣伝したかと思えば、さっさと手を引いたり、
ライブドアのソフトウェア販売もインターネット戦略も行き当たりばったりに見える。
いろいろ指摘されている通り、ライブドアの資産は実業ではなく、
株価や買収による利益なのだ。
それを承知でライブドア株を買っていた人たちは、
それが実際の価値よりずっと高いバブルな値段だとわかっていたのではないのか。
大損した人も多いだろうが、ライブドア株に限っては同情する気になれない。

東証が2時40分に売買を停止した1月18日は、
私も押し目狙いで買い注文を出していたから、
「あと20分くらい根性で動かせよ」と思った。
この程度で動かなくなるようでは、ブラックマンデーみたいのがきたらどうなるんだ。

前置きが長くなったけど、この本はそうした問題点を冷静に分析している。
ライブドアの行なった証券取引法違反についても、
ワイドショーのように、「こんな悪いことしてたんですねー」といった取り上げ方ではなく
投資事業組合についてもていねいに解説していてわかりやすい。
その上で、粉飾決算を見抜けなかった会計監査制度や、
株価暴落を招いたマネックス証券や東証の不備、
事件をあおったマスコミの姿勢を厳しく批判している。
今回のことを教訓に、きちんとした対策をとらないと、
現在のようなオンライントレード全盛の市場では、
小さな出来事がきっかけで大きな変動が起こるという警告ももっともだ。
当たり前のことが書かれているだけなのだが、胸のすくような気がした。


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