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『日はまた昇る』

日はまた昇る――日本のこれからの15年
『日はまた昇る――日本のこれからの15年』
ビル・エモット・著
吉田利子・訳
草思社

『日はまた沈む』はうまいタイトルだと思ったけど、
『日はまた昇る』だとまんまヘミングウェイじゃん。
それでも経済の専門家に「日本の景気は復活する」と言ってもらえるのは
やっぱり嬉しいものなんだろう。現在、ベストセラーなのも納得。

といっても内容は、「日本経済は復活するけど、そのためには
いろいろと解決しなきゃいけない問題があるよ」といった感じで
経済や政治や社会の課題をあげている。
しかし、経済に詳しくないので、
「雇用や債権や法律がこう変わるとこうなる」と言われても
どうしてそうなるのかよくわからないところも多い。

おもしろいのは靖国に関する部分で、
「外国人から見ると、この建物は祈りの場ではなく、
日本歴史の争点をめぐって、一つの見解を打ち出して
説得するプロパガンダの場だ」と言っていること。
そして靖国問題を解決するためには、
「靖国を宗教施設ではなく、国立の慰霊施設と定義して、
東京裁判と矛盾するような展示物を取り除き(遊就館のこと)、
戦没者および戦争の犠牲者に関する博物館に模様替えし、
14人の戦犯の霊は特別の儀式を行なって、他の神社に移す」
と提案している。

南京大虐殺についても
「中国側が主張する30万人虐殺という数字は過大で、
おそらく真の数字は5万から15万あたり。これでも恐るべき大虐殺であり、
中国側はもっと妥当な数字を認め、
日本側は事件について衷心から謝罪し、日本のすべて教科書に
事件に対する責任を明確にする記述を掲載することで和解できる」
としている。そして、「日本軍の南京侵攻70周年にあたる2007年に
日本の首相と中国の主席が南京で共同慰霊祭を執り行なうのが
絶好の機会だ」と述べている。

いずれも大胆な提案だが、今まで靖国というと
どちらかの側から書かれた感情的な意見が多かったので、
客観的な意見としておもしろい。

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