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『葬儀を終えて』

『葬儀を終えて』
After the Funeral
アガサ・クリスティー・著、加島祥造・訳
ハヤカワミステリ文庫

1953年発表のポアロもの。
ここでもポアロは現役引退しているので、名前を名乗っても
「あんた誰」みたいな反応しか得られず、「学校は何を教えてるんだ」と怒っている。
(「ポアロは名探偵」なんて教えないだろうに。)
物語の半分以上、ポアロは登場せず、群像劇の脇役に徹している。

「だって、 リチャードは殺されたんでしょう?」という一言からすべてが始まる力技。
犯人当てに関しては、『アクロイド』並みにずるいんじゃないかという気もするんだけど、
基本的にクリスティーの作品は理論的に考えていって
犯人はこの人しかありえないみたいな推理はできないようだ。
ここではAさんが犯人だけど、これがBさんやCさんになったところで、一向にかまわない。
ストーリーテラーとしてのおもしろさが、今に続く人気なんだろう。
私的にはスーザンとロザムンド、ふたりの魅力的な姪が
それぞれ自分を愛してくれない男を旦那にしてしまい、
ポアロが同情を示すとこがおもしろかった。
会話の中にヘレナルビンスタインが出てくるんだけど、この頃からあったんだ。

ファンによるクリスティベストテンでも8位や9位にランクイン。
(80作以上のクリスティー作品が対象だそうだから、かなりの人気作ってことですね。)


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