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『カリスマはいらない。』

USEN宇野康秀の挑戦!カリスマはいらない。
『USEN宇野康秀の挑戦! カリスマはいらない。』
和田勉・著
日経BP社

USENというとほとんど違法なやり方が問題になった時期があり
その後、光ファイバー事業を展開、最近では無料動画配信『Gyao』の成功や
ライブドアとの提携で知られている。そのUSENの宇野社長を取材した本。

USENのBROAD-GATE01が発表されたときは
その破格の安さに私も思わずサービス登録をした。
しかし、私の地域ではまだサービスが開始されておらず、
それを待っている間に、ソフトバンクが『Yahoo!BB』を発表し、
ADSLの価格破壊が起こり、結局、私はそれまでのプロバイダーの
ADSLサービスを申し込んだ。
私以外にもそういう人は多かったんじゃないかと思う。

この本ではそこらへんの経緯を“ソフトバンク・ショック”として
「たいへんくやしい思いをした」という宇野氏の言葉を紹介している。
宇野氏にしてみれば、これから主流になっていくべきは光ファイバーだったのに
ソフトバンク・ショックによって、その流れはADSLになってしまった。
それによってUSENは光ファイバー事業の縮小を余技なくされる。
しかし、価格破壊によって日本のブロードバンド化が一気に進み、
エイベックスやGAGAを傘下に納めたことにより
コンテンツ配信の可能性へと転換する。
と、この本ではなっているのだが、そこらへんの流れはいまひとつはっきりしない。
GAGAの買収についても宇野氏は「詳しいことは言えない」と言葉を濁している。
『Gyao』が成功したのも、どこまで計算尽くだったのか。

著者はかなり客観的に取材をしているのだが、
基本的に宇野氏と関係者のインタビューが元なので、
それ以上の話はでてこない。
「カリスマはいらない」というタイトルにしても、
著者が宇野氏に、これといったカリスマ性を見つけられなかっただけ
なのではないかという気もする。

病床の父親からUSENを引き継ぐことになり、正常化に苦労し、
資金繰りのために宇野氏は個人的に70億円の融資を受ける。
当時のあさひ銀行が融資を引き受け、
契約成立の粗品としてミッフィーの貯金箱を渡す。
宇野氏がミッフィーを見て「これが70億か」と思ったというエピソードはおもしろい。

本を読み終わったあと、『Gyao』をのぞいてみたら
『アンデス少年ペペロの冒険』を配信していたので、思わず見てしまった。
こうした品揃えが『Gyao』のヒットの要因だということは間違いないだろう。

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