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『電子材料王国ニッポンの逆襲』

電子材料王国ニッポンの逆襲

電機メーカーや半導体メーカーが、台湾や韓国に抜かれ苦戦する一方で、
日本のデジタル素材メーカーは、世界でもトップのシェアを誇っている。
そんなデジタル素材メーカーの実情をレポートした本。

まず、驚くのはパソコンや携帯、液晶ディスプレーに使われている材料。
液晶ディスプレーには、ガラス基板、カラーフィルター、バックライト、
偏光フィルム、位相差フィルム、配向膜材料、スペーサー、シール材、
液晶ブレンド、TABテープ、ITO膜などなどが使われている。
精密機器にハイテク素材が使われているのは当たり前なのだが、
今まで、どんな材料が使われて、どこが作っているのか考えてみたことがなかった。

こうした材料は開発から商品化まで十数年かかることもあり、
日本の材料メーカーにはそれに耐えるだけの忍耐強さがある
と著者はいう。
しかし、材料メーカーの成功要因が日本人の国民性にある
と言われると、コツコツ努力してきた開発者たちに対して
そんな簡単な言葉で片付けていいのかという気がする。

「大和まで沈められて黙ってられるか。
もし、レーダー技術や半導体技術が日本にあれば、
決して、日本の連合艦隊は負けることはなかった」
という開発者の言葉と、
戦後、日本のエレクトロニクス技術不足を認識した人たちが、
各メーカーで半導体産業を立ち上げていったという指摘はおもしろい。

このほか、現場で働いている人たちのエピソードや歴史には
それなりにおもしろい話もあるのだが、
ほとんどが、どこどこのメーカーは何々を作っていて、
そのシェアは何%で、最近、○○億円の投資を行なった
という話ばかりが続くので、正直、飽きる。
著者は「半導体産業新聞」の編集長なので、
(そんな新聞があるのも驚き)
経済的観点から書くとこうなってしまうのだろうが、
お金の話は簡単でいいから、彼らの作っている材料について
もっとわかりやすく説明してほしかった。
“シリコンウエハー”といきなり言われても、
いったいどんなもので何のどこに使われているのかわからないと、
材料メーカーの技術のすごさもピンとこない。

「今回開発した手法は、レジストパターンを保護膜でコートすることで、
低アスペクト比のレジストパターンでも十分なエッチング耐性を
付与できるというもの」なんていわれても、ちんぷんかんぷんだ。

帯に「注目株ザクザク」と書かれているが、
たしかに投資先となる優良メーカーを探すにはいい本。


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