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『アニメへの変容』

アニメへの変容―原作とアニメとの微妙な関係
『アニメへの変容-原作とアニメとの微妙な関係』
竹内オサム、小山昌宏・編著
現代書館

タイトルから勝手に「原作コミックとアニメ化作品の比較論考」だと予想していたのだが、
それは最初の章「漫画のアニメ化における諸様相」で取り上げられているものの、
章によって書き手もテーマもかなり異なる。
3回アニメ化された『鉄腕アトム』それぞれの変遷をさぐる
「「鉄腕アトム」、アニメのアニメ化―テレビアニメおよびマンガの分身」、
ゲームとアニメ作品を比較した
「進化しない『ポケモン』―アニメとゲームの共生関係」など8章。
興味深く読んだ章もあるが、よくわからなかった章もある。

『鉄腕アトム』に始まるコマ数の少ないアニメが
「原作漫画の止まっている絵を忠実にアニメ化」することになり、
日本アニメ独自の表現を生んでいったことや、
(アニメとは関係ないけど)
『ゲーム&ウォッチ』の生みの親、横井軍平が
ファミコンの十字キーやゲームボーイを開発したこと
などはアニメファンやゲームユーザーには知られてることだろうが
なるほどと思ったり。
「いつか王子様が現われて、キスで目覚めさせてくれる」という
“おとぎ話”は、口承文学でもグリムでもなく、ディズニーが作ったんだという事実を
今さら思い出したり。

「アニメのパロディー―『やおい』から見るアニメ・アニメキャラの特徴」では、
「男同士の強い絆、男だけの価値観を共有する世界を、
恋愛至上の価値観に転換することで」、
「従来の男性性、女性性といった性概念を切り離し、
両方の世界を自分の世界とすることが「やおい」の醍醐味である。」
「ホモソーシャルな社会をホモセクシュアルな関係に読み替えることで、
物語から排除されていた女性が主導権を握ることができる方法でもある。」
ってさっぱりわからない。

「『ジャングル大帝』が『ライオン・キング』成功の鍵
―ディズニーは手塚アニメをいかに模倣したのか?」は
当時の新聞記事を基に経過をなぞっただけなのがもの足りない。
『ファインディング・ニモ』盗作疑惑を一緒に語るのもおかしいし、
「漫画家 里中満智子 ジャンヌ・ダルクに変身!」という見出しもひどい。

私は、ジャパニメーションが文化であり、芸術であり、
大学で教育されるべきものであり、海外に誇るメディアだという
“大人たちの意見”をいくぶん薄気味悪いと思っているのだが、
アニメを論じること自体はおもしろいと思う。

以下、勝手に考えてみた。
原作コミックからアニメ化してよりおもしろくなった例
『YAWARA!』、『キャンディ・キャンディ』、
『ONE PIECE』、『こどものおもちゃ』、『ドラえもん』

アニメ作品が原作の良さを伝え切れなかった例
『キャプテン翼』、『SLAM DUNK』、『タッチ』

原作コミックとアニメ作品、両方見てるものがそれほどないんだけど
アニメ化に失敗、というかイマイチだった例は
あげるとキリがなさそうなので省略。


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