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『ヤバいぜっ!デジタル日本』

ヤバいぜっ!デジタル日本―ハイブリッド・スタイルのススメ
『ヤバいぜっ!デジタル日本 ハイブリッド・スタイルのススメ』
高城剛・著
集英社

相当恥ずかしいタイトルだと思うのだが、
著者が言うには、タイトルの「ヤバい」とは「危ない」という意味だけではなく、
英語のCOOLに近い意味であり、現代社会でコミュニケーションするためには
「ヤバいぜ」くらい使いこなせないといけないのだそうである。

しかし、正直なところ、私はこの本で著者が言わんとすることが
ほとんどわからなかった。それが「ヤバいぜ」くらい使いこなせない私の
リテラシーの問題だとすれば、もうそれはそれでかまわない。
たとえば「携帯トリプルX」とか「高速リラックス」とか、
言葉自体は活きがいいが、本質的な意味はさっぱりつかめない。
本書全体がそんな調子であり、かろうじて理解できたのは、
これからの日本はコンテンツを文化をスタイルを売るべきだということだ。
それにしたって、スタイルって具体的に何?

「多くの人がクリエイティブに力を注ぐと、国民のクリエイティビティが上がり、
国としての活気が出てくる。だから、これからの日本は創造産業に
もっと力を注ぐべきだろう。」
「人気番組をテレビで見ながら、携帯メールで友人の恋愛相談。
これぞ、マルチメディアやマルチタスクなスタイルだと言えるだろう。」
「東京には歴史がない。その役目は、京都が持っているので、東京には必要ない。
東京こそが万博なのである。歴史は京都で一度見たら終わり。
ディズニーランドの成功がリピーターにあるように、リピーターをいかにとらえるか、
が観光立国のポイント。浮遊都市東京は、常に新しいスタイルを提案し続けるのだ。」
これ何を言わんとしてるのか理解できますか?

著者である高城氏はかなりクセのある人で、元々、私は苦手である。
だから、というのもあるだろうが、
これからはクリエイティブ・ディレクターの時代だとか、
クリエイティビティの高い人を誘致しろとか、DJを海外に派遣しろとか、
言われると、意地悪な読み方をすると、それって「俺を使え」ってこと?
という気がしてしまうのだ。

いろいろおもしろい指摘もあるのだが、
私のように、このノリについていけない人には読みにくい本である。
「コピーはすべて悪か?」、「次世代DVDもコピーしやすい方が勝つ」
という点は、私も同意見なのだが、
「大体、人間のDNAはコピーして引き継がれていく。
優秀なDNAはコピーされ、さらに強く改良され、次世代の人間に
英知が引き継がれていく。その根本的な人間の機能を否定しようと言うのか?」
となると、やっぱり何が言いたいのか理解できない。
DVDのコピーとDNAのコピーはまったく次元が違うはずだ。

この本もそこそこ売れているらしい。
『ウェブ進化論』は読んだあとに読者に何か始めなくちゃ
という気分にさせる本だから、『ウェブ進化論』の次に読む本として、
Web2.0やグーグル関係の本が次々に売れ出した。
この本や『Web2.0でビジネスが変わる』
その流れの中で登場して、売れているのだろう。
一方で、新書はタイトルだけで中身がないと多くの人が思い始め、
市場自体がパワーを失い始めているそうだ。
神田氏も高城氏もユニークな書き手かもしれないが、
新書というスタイルや内容が本当に合っていたのか。
そろそろ、新書は売り方を変える時期だと思う。


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