『現代思想の遭難者たち』
『現代思想の遭難者たち 増補版』
いしいひさいち・著
講談社
ハイデガー、マルクス、フーコー、ドゥルーズ、デリダなど
哲学者34人をいしいひさいちの4コママンガで紹介。
元ネタを知らないとパロディを楽しめないのと同様、
哲学者たちの思想を知らないと、わからないネタが満載。
ちょっとはわかるフロイトやレヴィ=ストロースは笑えたが、
あとはこれがネタなのかギャグなのか、
本当にそういう思想なのかちんぷんかんぷん。
それでも、マンガだからなんとなく読めちゃうんだけど。
というわけで、一度、ここらへんの現代思想に
かぶれたことのある人にはかなり楽しめるだろう本。
だけど、哲学入門書にするには笑いのレベルが高すぎ。
全体を通して書かれているのは、
哲学者といっても偉いセンセイではなく、
教え子に手を出したり、ほかの哲学者とケンカしたり(論争ともいう)、
非常に人間くさく、おろかで、かわいい人たち。
ある意味、言葉ばかりが先行してしまう哲学の本質を
ちゃらっと書いている。
『宇宙エレベーター』を読んで、
「科学と哲学の差ってあいまい」だと思ったけど、
実際に、哲学者の中には文学者や言語学者のほか、
物理科学者もいたりして、やっぱりここらへんは同じ世界なんだなと思ったり。
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