« 『仏像のひみつ』 | トップページ | 『世田谷一家殺人事件』 »

『東スポ黄金伝説。』

東スポ黄金伝説。
『東スポ黄金伝説。』
赤神信・著
太陽出版

冒頭に「志半ばにして去って行った、すべての記者たちに捧げる。」
とあるように、これは東スポを辞めた人たちの物語だ。

マドンナの来日記者会見に遅れてしまったので、
しかたなく滞在していたスイートルームの写真を撮って
ごまかそうと思っていたら、偶然、薬の箱が写っていたので
『マドンナ痔』と見出しを打った、というプロローグから、
銭湯を改造したビルを使っていた話や、
キオスクで売っているライバル紙にカレーやガムをつける“作戦”、
ビートたけしが無名時代に記者と親交があり、
講談社事件後、野球で負けたために、たけしが編集委員になったとか、
おもしろそうなエピソードは満載なのに、
あまりおもしろくない。

これはたぶん書き手に問題があり、
個性的なキャラクターもたくさん登場するのだが、
彼らのユニークさが伝わってこない。
特に後半は社内抗争の話になってしまうので、
誰が誰やらよくわからないままに次々と人が辞めてしまう。
ひとりひとりのキャラクターがもっとはっきりしていれば、
辞めていったときの著者の寂しさにも共感できただろうに。
ここらへんには優秀な記者たちをむずむざ辞めさせてしまった
会社に対する著者の恨みみたいのがあるのかもしれないし、
「事実に基づいたフィクション」とはしているが、
いろいろと書けなかったこともあるのかもしれない。

どちらにしろ私のような読者が知りたいのは
なぜ東スポが“東スポ流”になったかである。
『ネッシー出産』が生まれた経緯なんかを読みたかった。

« 『仏像のひみつ』 | トップページ | 『世田谷一家殺人事件』 »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/27590/2581109

この記事へのトラックバック一覧です: 『東スポ黄金伝説。』:

« 『仏像のひみつ』 | トップページ | 『世田谷一家殺人事件』 »