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『Web2.0でビジネスが変わる』

Web2.0でビジネスが変わる
『Web2.0でビジネスが変わる』
神田敏晶・著
ソフトバンククリエイティブ

本屋で見かけたときには「あー、また『ウェブ進化論』二番煎じ本か」
と思い、手にとって著者が神田氏であることにちょっと驚いた。
といっても、彼の文章は雑誌のコラム程度しか読んだことがないのだが、
元々軽いノリのレポートなどを得意とする人と思っていたので、
この手の新書の書き手として向いているのか疑問に感じた。

私が考えていたよりも神田氏はIT業界に長く、
ネットに対する知識も豊富であるようだが、
それがこの本にうまく生かせているとは思えない。

たとえば、トラックバックについて
「多様な議論もふまえつつ、自分の主張を自由に展開する姿勢は、
健全なジャーナリズムである。
各人の頭の中身を同時に眺めることのできる視点は神の視点にほかならない。」
って、何か認識変じゃないですか?
ほかにも、
「サービスをベータ版で評価してもらうという手法は
もはやグーグルのスタイルと認知されている」とか。
グーグルのベータ版をみんなが利用して評価するのは、
それが無料だからでもグーグルだからでもなく、
おもしろそうであり、優れたサービスだからでしょう。

そのほか、なんとなくピントがずれているんじゃないかという解説が多い。
(ちなみに誤字も多い。特に神戸の震災が2001年となってるのは痛い。)
これが神田氏の個人的なエッセイとしてならかまわないと思う。
神田氏が言うように、「(個人メディアの)一つ一つは無力かもしれないし、
間違ったことを言う場合もあるだろうし、
テーマによって議論が分かれるかもしれないけれど、
何を信じるのかは読者や視聴者が決めることであり、
判断材料として求められるのはさまざまな視点なのだ。」
神田氏という視点から見たWeb2.0としてなら納得のいく内容なのだが、
タイトルにあるように、ビジネスチャンスとしてのWeb2.0を知りたくて
この本を手に取った人は、なんだかよくわからないままだろう。

むしろ自分自身の体験を語った第5章、
現在のネットの課題をざっくばらんにつづった第6章の方が示唆に富んでいる。
著者は、彼の娘たちのように、もの心ついた頃からインターネットを使っていた世代と
それ以前の世代では、ネットとの付き合い方に大きな差があると書いているが、
私もそれは感じていて、その差はどんどん大きくなっていると思う。
(私的には「mixiの足あとが容認できる世代と苦手な世代」)
現在web2.0のコアは著者も指摘するように「アンダー30」で、
それ以前の世代は頭を切り替える必要があるのだが、
(そういうおじさんたちが『ウェブ進化論』やこの手の新書の読者となる。)
現在の高校生や大学生、さらにその下の世代は
web2.0なんて言葉や技術を知らなくてもさっさと乗り越えていくだろう。
(もちろん、年齢だけじゃなくて、経験値やネット依存度で個人差はあるけど)

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