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『トンデモWeb業界』

トンデモWeb業界 Webサイトはこうして作られる
『トンデモWeb業界 Webサイトはこうして作られる』
小田原貴樹・著
ソフトバンククリエイティブ

そもそも“Web業界”って何よって感じだが、
ここで書かれているのはWeb制作ビジネスの話。
Webプログラマーである著者が、Web制作の裏側を語る
というか、これは単なる愚痴であり、恨み節だ。

顧客(ホームページ制作依頼主)から言われた無理難題、
アート志向ばかりが強く、使いやすさを考慮しないWebデザイナー、
経営能力のないITベンチャーなど、
これまで著者が出会ったトンデモ話が次から次へと出てくるが、
著者の感情が多分に含まれているため、どれも笑えない。

もともとは「ITベンチャーって華やかに見えるけど、
実際はこんなトンデモなんですよ」って本をねらったらしいけど、
まえがきにあるように、執筆が遅れているうちに
ライブドア事件が起こって、話全体が古くなってしまった。
ITベンチャーが華やかだなんてもう誰も思ってないし、
(実情はかなりヤバいとこが多いだろう)
だいたい世間が考えるITベンチャーとWeb制作ビジネスって
まったく違う業種なんだけど。

じゃあ、Webデザイナーやプログラマーをめざす人には
役に立つのかというと、これも怪しい。
企画とタイトル、実際の内容が微妙にズレちゃってるのだ。

あと、もうひとつ気になったとこで、
著者はWeb2.0について
「次世代、未来のインターネットを示しているらしい。
現段階では夢物語に近い」と書いているのだが、
(これもあとからあわてて追加したものらしく数行触れているだけ)
私の認識ではWeb2.0とはこれからくるものではなく、
今、現在(数年前から)、ネットに起こっている“変化”を総称したものだ。
私も最初にオライリーの定義を聞いたときは「なんだそれ」と思ったし、
タグやアフィリエイトをつけただけで「うちはweb2.0!」と
言っている企業サイトもあったりするけど、
Web2.0を「夢物語」と言っているようでは、
Webプログラマーとしてはかなり遅れているんじゃないだろうか。

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