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『仁義なき英国タブロイド伝説』

仁義なき英国タブロイド伝説
『仁義なき英国タブロイド伝説』
山本浩・著
新潮社

ダイアナやベッカムを追っかけまわし、王室のスキャンダルを暴く、
『サン』、『デイリー・ミラー』、『デイリー・メール』など
イギリスのタブロイド紙の世界を描いた本。

タイトルは勇ましいが、NHK特派員である著者が
書いただけあって、内容はいたってまじめ。
召使見習いとして王室に潜入、王室の警備体制を非難し、
女王の好きなテレビ番組まで暴いてみせた
タブロイド記者の話はとんでもないが(でもこれ有名な話だし)
黒人青年が殺害された事件が
警察の人種差別によって一向に解決されないと、
犯人と見られる白人少年グループ5人の名前と顔写真を
「殺人者」として誌面に掲載し、告発するなど、
かなりむちゃくちゃではあるが、タブロイド紙は十分ジャーナリストだ。

ノースクリフ卿とローザミア卿の兄弟からマードックまでのタブロイド史や、
ポルノ作家からタブロイド記者、ブレアのメディア対策責任者へと登りつめた
アレスター・キャンベルの物語などもおもしろい。

『サン』の300万部に対し、高級紙『デイリー・テレグラフ』は80万部だそうで、
イギリスのマスメディアはタブロイドが中心なのだ。
日本のマスコミにはこんな元気はないよなー。

◆読書メモ

「GOTCHA(やっつけたぞ)」
フォークランド紛争時、イギリス軍が
アルゼンチンの軍艦を沈没させたときの伝説の見出し

2003年3月27日の『サン』の“ページ・スリー
(3ページ目に登場するヌードガール)”紹介記事。
「前線からニュース!我が査察チームはさらにすごい女の子を見つけ出した。
この発見は、イラクにいる兵士たちにとって大いなる励ましとなることだろう。
二十一歳のセレーナ嬢は言った。
兵隊さんたちに隠すことなど何もないわ。かれらは英雄なのだから。」

「SORRY.. WE WERE HOAXED
(ごめんなさい。我々はだまされていました)」
2004年5月15日、イギリス兵によるイラク人虐待の
写真が偽者だと認めた『デイリー・ミラー』の見出し。

「まず記事にする。そして批判を受ける。これがミラーの編集方針だ。」
『デイリー・ミラー』の編集者ヒュー・カドリップ

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