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『ローゼンメイデン』

ローゼンメイデン 1
『ローゼンメイデン』

『人造美女は可能か?』で取り上げられていて興味を持ったので見てみました。
『ハルヒ』のときのように全話を2日で見るというようなバカはせず、
1ヵ月くらいかけて全12話をコツコツとクリア。

アンティークドールが戦うという設定やゴスロリ的な人形たちなど、
いかにもオタク受けしそうなアニメですが、実際ものすごく人気があるらしい。
(麻生太郎が党首選挙のときに「日本にはすばらしいアニメの文化がある」
と語っていて、本当にわかってるのかと思ったけど、
彼は『ローゼンメイデン』好きとして有名だとか。
『エヴァ』とかジブリじゃなくて『ローゼンメイデン』というセレクトが通ですね。)

人気があるだけあって、アニメ作品としての完成度は高い。
ゴシック的世界観や美術もさることながら、
引きこもり少年が人形との交流を通じて世界へ一歩踏み出す
というストーリーがおもしろい。
原作はまだ連載中で、続編もあるようなので、そちらも見てみたい。

ジェニーやリカ好きだけに私も人形の美しさは認めるけど、
実際のアンティークドールやビスクドールは綺麗という以前に恐い。
そこらへんが少女マンガ的絵柄のアニメなので人形たちはかなりかわいいし、
ゴシックロリータなファッションが女性受けするというのも納得。
それでいて正統ゴシックの流れをちゃんとくんでいたり、
“呪い人形”的な恐さも残されている。

主人公ジュンが引きこもり少年で、真紅はクールな美少女、
雛苺が甘えん坊でわがままなど、一見かなり類型的なキャラクターなんだけど、
それぞれの心理が細部まで描かれているところも良い。
たとえば、ジュンの姉のりはドジなメガネっ娘キャラだが、
自分の高校生活を犠牲にして引きこもりの弟につくしている。
弟を心配するあまり、その優しさが弟の負担にもなり、
弟が引きこもることのできる安全な場所を作ってしまっているといった感じ。
舞台の中心はジュンの家だし、登場人物もジュンとのり、人形5体がほとんど。
(水銀燈がひとりで悪役を引き受けちゃってるのもすごい。)
狭い世界の小さな物語をここまでひっぱていけるのは、この心理描写があるから。
(『ローゼンメイデン』自体、ひとりの引きこもり少年の成長物語だから、
狭い世界なのは当たり前なのだが。)

ただし、主題歌だけはいただけない。
よく言えばマニアック、悪く言えば素人のライブみたいな歌じゃなくてもいいのに。
この手の歌が受ける層というのは確かに存在しますが、
『ローゼンメイデン』の完成度からすると、安っぽい気がする。

以下、印象に残った回を。

第1話『薔薇乙女』
ローザミスティカとかミーディアムとかアリスゲームとか
何の説明もなく、いきなり物語が始まる。
(全編を通しても詳しい説明はほとんどなし。
それでもこの世界観を受け入れちゃうと話が理解できてしまう。)
そもそもこの人形たちがなぜ動いてしゃべるのかという説明もなし。
サイズ的にはちびっこの人形が人間に向かって
「いい子ね、ジュン」と言うあたりに耽美文学っぽさがあります。

第7話『夢』
第2話から第5話までは登場人物(人形)は毎回増えるものの
話はいっこうに進まず、ちょっと飽きてきたところ、
第6話でやっとアリスゲーム(人形同士の戦い)が開始。
真紅のために、引きこもり少年ジュンが学校に向かうという話が良い。
(というか、ジュンが行動を起こすためだけに1話使ってるとこが
この物語の肝心なところ。)

第10話『別離』
「あなたはもう少し誰かのために働くべきよ」
と引きこもり少年が人形に諭されたり、
のりの優しさがジュンを過保護にしているのだと
茶飲み話として語られたり、この回は真紅の名台詞多し。
「カップを温めるのは相手を思いやってのこと。
でも、それが正しいときも正しくないときもあるのね。
わかってみればきっとほんの少しのことだわ」

「だって生きることは戦うことでしょ」


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