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『無印良品の「改革」』

無印良品の「改革」―なぜ無印良品は蘇ったのか
『無印良品の「改革」 なぜ無印良品は蘇ったのか』
渡辺米英・著
商業界

1980年、西友のプライベートブランド(PB)として誕生し、
90年代、無印神話といわれるほどの増収増益を維持。
2001年に大幅減収となり、そこからV字回復を果たした無印良品の軌跡を追う。

ユニクロに続いて、無印の本。
あとがきによると著者は『ユニクロVSしまむら』の月泉氏と知り合いらしい。
『ユニクロVSしまむら』が両ブランドや流通ビジネス対する著者の勝手な思いが
書かれていたのに対し、本書は客観的を心がけたらしく、
改革の道のりが淡々と書かれている。
そのため、ちゃんと取材しているらしいのに、無印のリリースかマニュアルを
読んでいるようなそっけなさがあって、多少飽きる。
改革にしても、「在庫コントロール」や「店頭業務の見直し」、
「店舗開発を再構築(しまむらの出店基準書を参考)」って言われても
(そんなこともやってなかったのか)、具体的にどうしたのかわかりにくい。
結局、この手の話に期待するのは、やっぱり『プロジェクトX』であり、
人と人のドラマなんじゃないのかなー。

私は特別、無印ファンではないんだけど、
高校生くらいのころから目に付くようになり、当時は雑貨ブームだったから、
無印のそっけなさとかシンプルさが「かわいい雑貨」に見えた。
無印のノートに自分でイラストを描いたり便箋を愛用している友達もいた。
(花柄やポップなイラストではなく、無印の茶色の便箋ってとこが
彼女にとってはオシャレだったのだ。)
そのそっけなさやシンプルさが、やがて野暮ったく感じるようになった。
有楽町店には一度行ったことがあるけど、広い店内がガランとして見えた。
衣料品も悪くないんだけど、カジュアルならGAP、
オフィスよりならNATURAL BEAUTYで似たようなものを買ったほうがいいかな、
と結局何も買わなかった。本書によると、それがちょうど低迷期で
店舗の大型化に商品が追いつかず、
ビジネスウェアまで手を広げた衣料が苦戦しているころだった。
で、本書を読んで、ファミリーマートで売っている無印をチェックしてみたら、
ボールペンとか確かにシンプルだけどちょっとかわいいかも、と思った。
昔、買ったポストカードアルバムとそっくりな商品が今も売ってるところも好感。

流通業界の本を続けて読んで思ったのは、
自分がなんとなく思っていることって、他の人もなんとなく思っていて
それが結局、経済を動かしているんだなということ。
たとえば、本書の冒頭で紹介されている女性客の
「無印がいつごろからかつまらなくなって遠ざかっていたけど、
最近、またおもしろくなってきた」という言葉は、
そのまま消費者を代表する言葉だ。

無印ファンや改革の秘密を知りたい人にはもの足りない本だけど、
無印もがんばってるんだなーという気分にはなりました。

◆読書メモ

1980年、西友のプライベートブランド(PB)として誕生
(1978年、ダイエー、ノーブランド、1984年、セービング)
1983年、青山店オープン
1989年、西友から分離独立、良品計画設立
1993年~99年、増収増益を維持
2000年、無印良品プラッツ近鉄(1020坪)オープン
2001年、大幅減収
2006年8月、インテリアのイデーを買収
2006年9月、2003年に解消したファミリーマートとの株式持合いを復活

婦人服投入後、1週間の販売量が計画値の1.3倍以上なら追加生産、
0,7倍未満ならデザイン変更で素材を使い着る。

「団塊ジュニア世代と心中する」有賀薫前社長

「デビュー以来四半世紀が経過して、
お客様の無印良品に対するイメージが固定化している。
商品は変わっているのに、それが伝わっていない」

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