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『「個」を見つめるダイアローグ』

「個」を見つめるダイアローグ
「個」を見つめるダイアローグ
村上龍、伊藤穰一・著
ダイヤモンド社

村上龍と伊藤穰一の対談集。
おおざっぱにまとめてしまうと、日本のここがおかしいとか、
日本人に対して、もっと危機感をもつべき、
世界に出て世界から物事を考える視点をもつべきといった話をしている。
ところどころおもしろい話やなるほどと思う話もしているのだが、この二人なので、
どうしても「おやじが偉そうになんか言ってる」みたいな印象がぬぐえない。

「日本では、ネット上にアマチュアが集まって政治を動かしていくようなパワーがない。
なぜかを考えたとき、僕は「2ちゃん」を思い浮かべるわけ。
誹謗中傷がものすごく書き込まれるわりには、全体的に趣味的で、
批評されることのない批評家というか、結局は他人事なんだよね。
これは決して「2ちゃん」だけに限った話じゃないんだろうけど、
世の中全体のムードがそうだからね。
ある程度ソフィスティケートされた社会には、趣味的なムードは漂うものだし。
だから「2ちゃん」の趣味的で、他人事的な世界というのは、
良くも悪くも日本的だと思う。」とは村上龍の言葉。
2ちゃんが市民ジャーナリズムの役割を果たしている面もあるけど、
オーマイ・ニュースのように政治を変えようというパワーから
始まったものじゃないんだから同列に論じることに無理がある。

「オープンソースの考え方って、みんなが共有する場に共有の資産を置いて
それをみんなで使っていこうということだから、共産主義にすごく近い。」
とは伊藤穰一の言葉。そうか?という感じ。
オープンソースやクリエイティブ・コモンズ、ブログ・ジャーナリズムに対して
私はまだまだ懐疑的なのだ。

「インテリの話は、インテリにしか伝わらないということね。
一般の庶民にはなかなか届かない」
とは、ノーム・チョムスキー講演について彼らが嘆いているんだけど
お前らの話だってそうだよという気がしてしまう。

◆読書メモ

ITの現場で本当に何かをつくっている人たちにとっては、
一番価値があるのはお金で買えないはずのものなんだけど、
その感覚が薄れてしまっている。オープンソースの基盤にある
互いの信頼関係は、すべてお金で買えないものでしょう。

「ニューヨークで、無名の女優の子にいろいろ説明して、
『わかった、じゃあやってみる』と言われただけで、
なんでこんなにうれしいんだろうね」と言うと、
坂本(龍一)が、「人間はコミュニケーションする動物だから、
何か伝わっただけでもきっとうれしいんだよ」って。

今、僕のブログのなかでは、2500年前の歴史からさかのぼって、
日本人と中国人、韓国人、それにアメリカ人も加わって、
一緒に共通認識できる歴史をネット上でつくろうじゃないか
という動きが起きている。

思想家のボルテールの有名な言葉で、
「あなたが言うことには一切同意できないが、
あなたがそれを言う権利は死んでも守ってみせる」
というのがあるけど、それが民主主義の原点だよね。

そのとき彼女(緒方貞子)から
「キミね、日本のことだけを考えてるなんて小さいよ。
世界のことやるんだから、もっと世界の人になれ」と言われて。

彼(カルロス・ゴーン)は最初に、「コミットメント」という言葉を取り上げて、
自分とみんなが使っているニュアンスが違うと言って、その定義から始めたらしい。
そうやって言葉の一つ一つを、日産再建の議論を始める前提として整理していった

ホッチキス式機関銃
1871年にアメリカ・コネチカット州のベンジャミン・B・ホッチキスにより発明された。
文房具のホッチキスは、ベンジャミンの兄弟であるエーライ・H・ホッチキスが、
この機関銃の弾送り機構にヒントを得て開発したとされている。


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