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『次世代ウェブ』

次世代ウェブ  グーグルの次のモデル
『次世代ウェブ グーグルの次のモデル』
佐々木俊尚/著
光文社

佐々木さんの新刊。
本書くペース早っと思ったら、ネットの連載をまとめたものらしい。
そのせいか、一冊を通してテーマが一本通っているというよりは
様々な事例が上げられていて、ひとつひとつはおもしろいのだがちょっと散漫な印象。

要は広大なネットから玉を取り出すためにはどうするか、という話で、
「玉石混淆の中から求める情報を的確にすくい出す最初の試みが検索エンジン」
だったわけだが、グーグルですら、検索結果の上位10件や20件も読めば十分で、
その中にユーザーが本当に求める情報が必ずあるわけではない。

RSSだって膨大になれば、リーダーを使ったところで全部をチェックなんてできない。
ひとつの例として
「はてなブックマークが衆愚化していっている」という話が上げられている。
“みんなの意見は案外正しい”けど、“みんな”が増えていくと
そこから出てくる答えも“みんな”にとって正しい普遍的な答えになっていくわけで、
ひとりのユーザーが求める答えとは違うものになってしまう。
「ソーシャルを軸にした情報収集サービスは、
コミュニティが巨大になっていくことによる希薄化と戦い続けなければならない」

「楽天はウェブ2.0ではない」という話もおもしろかった。
楽天は膨大なユーザー情報(クチコミ)を持っていながら、
それから玉を取り出すシステムがない。
本書には出てこないけど、『@コスメ』について私も同じことを感じていて、
“クチコミ件数”ランキングと“おすすめ度”ランキングの両方をチェックした上で
「なんとなくこれがよさそう」という商品を選び出す必要があった。
少し前にやっとシステムが大幅に変更されて、
今までうまく使われていなかった“ポイント”ランキングを中心とした表示になった。

「膨大な情報から玉を取り出す」にはどんな方法があるのかということで、
占いをマーケティングに取り入れたり、
ソーシャルな関係を検索結果に反映させる考え方とか、
現在、日本のベンチャー企業がとりくんでいるウェブサービスが紹介されているのだが、
まだまだ次世代ウェブは見えない感じだ。


◆読書メモ

インターネットは平等な人々しかいない自由な世界で、
コミュニティこそが本質なんだ。
コミュニティ化できないウェブは消え去るしかない
(クインランド「NIA-MUC」)

集合知の世界では商品力こそがすべてだ。
消費者から信頼されていない企業は、ネットで長くは生き残れない。
自然浄化作用がネットは強い。
(クインランド社長吉村一哉)

Web3.0が登場するとすれば、それはインフラも情報処理も
ピアに分散してユーザー側でコントロールするP2P型だろう。
(池田信夫)

外界からの影響や、本人の内なる精神的志向などをパラメーター化し、
情報収集の精度を上げる方法はないのだろうか

94年1月
インフォシーク、スタート
94年4月
ジェリー・ヤン、デビッド・ファイロ、リンク集を公開
95年
ヤフー、サービス開始。
公式検索エンジンとしてDECが開発したアルタヴィスタを採用。
95年10月
エキサイト、サービス開始
2002年
エキサイト倒産。
日本法人は伊藤忠商事の子会社として検索エンジンからポータルサイトへ。

アルタヴィスタ
ヤフーが標準検索エンジンをアルタヴィスタからインクトゥミに乗り換え、
DECがコンパックと合併するとともに切り離され、オーバーチュアに買収された。

インクトゥミ
ヤフーが検索エンジンをグーグルに乗り換え、
その後、ヤフーとグーグルが決裂すると、ヤフーに買収され、
現在のヤフー・サーチ・テクノロジはインクトゥミの技術がベースになっている。

インフォシーク
親会社であるディズニーによって閉鎖。
日本法人は名称を引き継いで生き残り、2000年、楽天に買収され、
ライコスと統合、楽天のポータル戦略の一環として生き延びている。

mF247

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