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『IKEA超巨大小売業、成功の秘訣』

IKEA超巨大小売業、成功の秘訣
『IKEA超巨大小売業、成功の秘訣』
リュディガー・ユングブルート/著
日本経済新聞出版社

昨年、日本にも上陸。
北欧デザインのシンプルさと、安さ、
店内のエンターテイメント性などで人気上昇中のIKEAについて
成功の秘訣を探る本。
といってもほとんど創業者イングヴァル・カンプラードの物語である。

17歳で創業し、安値を維持するためにポーランドに発注し、
カタログ販売の商品を実際に見られる展示場から、
客自身が商品を選び、家に運び、組み立てる方式にすることで
在庫管理や人件費を抑え、バカ高いスウェーデンの税金から逃れるため
本社をスイスに移したり、複雑な会社構造になっているなど、
イングヴァル・カンプラードが考えだした商売方法がつづられている。
そして、株式公開していないため、実際のところは不明だが、
億万長者と言われているのに、地元のスーパーで値引き品を買うなど
徹底したケチでもあるらしい。

IKEAは北欧デザインとうたっているが、事実、製作しているのは
ポーランドやルーマニアなど人件費の安いところだったり、
価格を抑えるためにシンプルなデザインにしているわけだったり
いろいろ問題点もあるのだが、著者はそこらへんを非難するわけでもなく
IKEAの全体像も創業者の本当の顔もいまひとつ見えてこない。
ただ、その伝説の物語は十分おもしろく、IKEAに行ってみたくなった。

◆読書メモ

IKEAとは、イングヴァル・カンプラード、彼の育ったエルムタリッド農場、
アグナリッドの町の頭文字。

「職業というのはけっして、生活の糧を得るためだけのものではない。
働く喜びがなければ、人生の三分の一は失われたも同じである。
その喪失感は、机の引き出しからマンガ本を取り出して
読んだところでけっして埋まらないだろう。」
ある家具職人の遺言(イングヴァル・カンプラードの公開文)

アストリート・リンドグレンは、自分の収入200万クローネに対して
200万2000クローネの税金と社会保険料を
支払わなければならなくなった。
彼女は『モスメマニアのポムペリポッサ』という児童文学で
スウェーデンの制度を非難している。
(リンドグレンって『長靴下のピッピ』の作者ですよ!驚き)

「新しい製品を作るならまず値段をデザインしろ
作業デスクを作るのに、3000マルクかけていいのなら、
どんなへっぽこデザイナーでもできる。だが機能的で形も美しい作業デスクを
200マルクでデザインしろといわれたら、相当な知恵と経験が必要だ。」

「いくらデザインが最高でも、人々がそれを買えなければ何にもならないじゃないか?」

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