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『泣ける2ちゃんねる III』

泣ける2ちゃんねる III
『泣ける2ちゃんねる III』
佐々木大柊/監修
コアマガジン

2ちゃんねるのまとめサイト『泣ける2ちゃんねる』の書籍化第3弾。
載っているのは、お母さんが作ってくれたお弁当、不器用な父がふと見せた愛情、
遠くに離れて初めてわかる家族の大切さ、などなど、
たぶん誰もがひとつやふたつもっている“ちょっといい話”。
これが本当に泣けるのだが、家族に対する想いは
誰でも共感できる話だからなのだろう。

それよりも私が驚いたのは、
彼らが本当に2ちゃんねるという場を必要としていることだ。

「どうしてもこの気持ちを誰かに伝えたくて、
だけど友達にわざわざ電話する内容でもないしって思って2chに書いちゃった」

「最初の頃からの2ちゃんねらで、仕事の息抜きにみていた。
祭りに参加したり、買い物をするときは相談したり
社会の裏を知ったような気がして面白がっていた。
好きな人ができ、料理板でレシピ探したり、占い板で相性みてもらったりしてた。
結婚の時は冠婚葬祭板、妊娠が判明したら育児板と
すごろくのように進んできてた。
でも出産時にトラブルがあり、わが子に一生の障害がでることがわかった。
その障害についても該当のスレッドがあるの。
もう笑っちゃうよね。」
「でもスレがあるってことは1人じゃないってことだ。」

「ずっと天涯孤独だと思ってたけど、1人じゃなかったんだという安心感というか。
このスレがなかったら、こうやってレスをつける事もできなかった。
2ちゃんねるで救われる命って確かにあると、同じ境遇の人たちにも伝えたい。」

「生と死の間を疲れ果てるまで歩き、最後に選んだのは生でした。
そして生を選んだあとにすがりつくようにたどり着いた場所が、
この2ちゃんねるでした。
おかしな話、神も仏も信じないけど、2ちゃんねるは信じていました。」

「スレがあるってことは1人じゃない」
「神も仏も信じないけど、2ちゃんねるは信じていました」
って考え方がある意味、新鮮。
どこの誰かもわからない名無しさんが、
どこの誰かもわからない名無しさんに向けて発する“ちょっといい話”。
もちろんなかにはネタもあるだろうけど、
たとえネタだとしても、必要としている人がいたり、
書き込むことで癒されている人がいるわけだ。
逆に言うと、2ちゃんにしか書き込むことができない人や想いがあるってことで。
たとえば、ガンを告知された人が家族につづる想いなど、
2ちゃんがなかったらどこにも残らなかったかもしれない。
2ちゃんねるという場がはたしている役割について考えさせる一冊。

「2ちゃんがなかったら
私の世の中ずいぶん狭いままだったなと思います。」

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