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『ネット広告がテレビCMを超える日』

ネット広告がテレビCMを超える日 (マイコミ新書)
『ネット広告がテレビCMを超える日』
山崎秀夫、兼元謙任/著
毎日コミュニケーションズ

新書にしてはめずらしく、タイトルどおりの内容の本。
地上デジタル放送の開始により、ローカル局の経営が圧迫される。
法改正により、IPマルチキャスト放送、ビデオ・オン・デマンドが
本格的に始まり、他社の参入により業界再編が起こる。
ハードディスクレコーダーの買い替えも増え、
テレビの視聴スタイルが変化する。結果的に、
現在の視聴率をベースにしたテレビCMのビジネスモデルは崩壊する。
という、経過説明と、日本より危機感のある米英のテレビ業界事情、
ネットマーケティングの最前線が紹介され、
「ネット広告がテレビCMを超える日」を2018年と予測する。

『テレビCM崩壊』とか、『テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか』
『ネットはテレビをどう呑みこむのか?』など、既存本と比べると、
それほど目新しい話をしているわけではないが、
これらの話がコンパクトにまとまっていて読みやすい。

未来予測として、テレビ番組は視聴者によって評価がつけられるのでは、
としてるあたりはおもしろい。
「この番組を見た人はこんな番組も見ています」とリコメンドされるわけだ。
USA TODAYのサイトでは、会員同士を興味のある記事で結びつけ、
SNSを意識したシステムになっているという話や、
次世代IPネットワーク「NGN」、
ステルスマーケティングがなぜ消費者の反発を買うか、
セカンドライフを含むゲーム内広告についての話まで、
手広くネットマーケティングの手法を紹介している。

この本では、ネット広告がテレビCMを越えたとしても、
必ずしもテレビ業界が減収になるわけではなく、
ネット広告にテレビ業界が乗り出す可能性も示唆している。
(まあ、たぶんそうなるんでしょうね。
そうすると、電通とか博報堂の天下はやっぱり揺らがないのか。)
あと、「ネット広告がテレビCMを超える日」を2018年としているが、
私の感覚では、あと10年以上もかかるとは思えない。
テレビ業界がネットにシフトするのであれば、なおさら、
テレビとネットの堺はあっという間になくなるだろう。

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