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『もしもソクラテスに口説かれたら』

もしもソクラテスに口説かれたら―愛について・自己について (双書哲学塾)
『もしもソクラテスに口説かれたら 愛について・自己について』
土屋賢二/著
岩波書店

「わたしはあなたの顔も性格も嫌いですが、あなた自身を愛しています」
というソクラテスの口説き文句は正しいか?
プラトンの対話篇より『アルキビアデス』をテキストにして、
実際に行なったお茶の水大のゼミを基に
テキストに含まれている哲学的問題を検討する。

実際に行なわれた議論なので、語り口は非常にわかりやすい。
著者が冒頭で述べているように、女子大生たちの素朴な疑問に
幼稚な発言はひとつもなく、
「わたしの何を好きなのかよく分からない」
「ソクラテスにダマされたような気がする」
といった発言は、わりと核心をついている。
議論を通して、女子大生たちが、
「魂と身体をわけて考えることができるのか」
「わたし自身とは何か」
「魂とは何か」
「魂を愛することは可能なのか」
というように、いつの間にか哲学的にものを考えている。
日常会話のようでありながら、ここまで議論を引っ張っていく著者の手腕は見事。

最終的に、“ことば”だけで検証することの難しさや、
観察や実験によって解決できない問題を扱うのが哲学である、
といった理解が自然に導かれており、哲学入門としておもしろい。


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