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『iPhoneショック』

iPhoneショック ケータイビジネスまで変える驚異のアップル流ものづくり
『iPhoneショック
ケータイビジネスまで変える驚異のアップル流ものづくり』

林信行/著
日経BP社

iPhoneはどこがすごいのか。
タッチスクリーンを生かした操作性、卓越したインターフェース
といった、すぐわかるすごさだけでなく、
ケータイキャリアから上納金を得るなど、
ビジネスモデルでも型破りなiPhone。
製品デザインから、開発、ブランドを作るマーケティング、
販売体制など、アップル流ものづくりを紹介。
同時に、優れた技術力をもっている日本のメーカーが
なぜiPhoneのような製品を作り出せないのか、その問題点に迫る。

ちょっと前に同じ著者の『スティーブ・ジョブズ
偉大なるクリエイティブ・ディレクターの軌跡』という本を
読んだばかりなので、内容的にはかぶるところも多い。
「iPhoneがなぜすごいのか」という話なのだが、
アップルの開発はユーザー視点だとか、
CMからパッケージングまで一貫してブランド力を高めているとか、
まあ、ある意味、直球のものづくりで、それほど驚きはない。
当然のことながら、「アップルはここがすごい」という論調なので、
(iPod Runは始めましたが)
アンチアップル派の私としては、ちょっと引くところも。

むしろ、日本のメーカーが優れた商品を生み出せないのは、
ケータイキャリア主導で製品づくりが行なわれており、
自由な発想がしにくいといった話が興味深い。
しかし、ここらへんも遠慮があるのか、
「ここをこうすれば日本のメーカーも変われるはず」
といった提案も、当のメーカーにしてみれば、
「言われてできるもんならとっくにやってるよ」という感じなんだろうな。

iPodやiPhoneの大ヒットは
「おしゃれなデザインだけが受けてるわけじゃない」ことは確かなのだが、
iPodを使い始めてみると、絶賛されているその操作性には不満もあったりするわけで。


◆読書メモ

(iPodの)ステンレス鏡面仕上げの背面を見た日本のデザイナーから、
「これだといっぱい指紋が付きそうだ」
という言葉が口をついて出た。
それに対してアップルのデザイナーは、
「指紋が付いたら拭けばいい」
と言い返したという。

ソニーのカセットテープ版のウォークマンが初めて世に出たとき、
その製品発表会に来た記者の一人が、
「こんなのをいつも聞いていたら耳が悪くなりそうだ」
と言ったという。すると、ソニーの幹部の一人が
「そんなの当たり前だ」
と言い返したという有名なエピソードがある。

ジョナサン・アイブ氏はアップルが製作した『iMac G4』の紹介ビデオの中で、
「このもっともシンプルな形に到達するプロセスが、実はものすごく大変な作業だ」
と打ち明けている。
スティーブ・ジョブズCEOもアップルの意志決定システムについて、
「ビジネスウィーク」誌で、次のように語っている。
「システマティックなものは何もない。
イノベーションは人々が廊下ですれ違いざまに話をしたり、
新しいアイデアやなかなか解決できなかった問題の解決策を思いついて
夜の10時30分に電話をかけたりするようなところから生まれる。
それと同時に、イノベーションは間違った路線を進んだり、
何かをやり過ぎたりしないように、
1千のアイディアに対して「NO」と言うことから生まれてくる。
そうすることによって初めて焦点を当てるべき重要なものが見えてくるのだ」

スティーブ・ジョブズ 偉大なるクリエイティブ・ディレクターの軌跡
『スティーブ・ジョブズ 偉大なるクリエイティブ・ディレクターの軌跡』
林信行/著
アスキー
スティーブ・ジョブズの写真集、というかファンブック?
著者自ら前置きしているように、書かれている内容に目新しいことはないが、
写真や名台詞満載で、ジョブズファンなら読んでて楽しいと思う。
写真のジョブズがだんだん禿げていくのだが、
小憎らしい青二才顔がディレクターとしての顔に変化していておもしろい。

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