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『マイクロトレンド』

マイクロトレンド
『マイクロトレンド 世の中を動かす1%の人びと』

著/マーク・J・ペン、E・キニー・ザレスン
監修/三浦展
NHK出版

選択肢が氾濫する現在、誰もが夢中になるような
巨大な影響力を持つトレンド(メガトレンド)などもはや存在しない。
全人口の1%にしかならない個性的なグループ“マイクロトレンド”が
社会に大きな影響力を及ぼす力となる。統計によって
マイクロトレンドを分析することで、社会動向が見えてくる。
として、41のマイクロトレンドグループを分析している本。

グループには、「10歳以上年下の男性とつきあっている女性」とか、
「子育てに積極的な父親」、「プチ整形マニア」、「社交的ギーク」など、
なるほどと思うものもあったり、「子供のベジタリアン」とか、
「学校に行かず自宅で教育を受けるホームスクール」など、アメリカっぽいものも。
(原著では70グループが紹介されており、
極端に日本と違う例は翻訳から外されているらしい。)

わりと受けたのが「DIY Doctors(素人医師)」。
「自分で自分の症状を調べ、病気を診断し、治療する人々。
医療系ウェブサイトで自己診断して、病状がフルカラーで印刷されたものを手に
病院を訪れる」人たちのことなのだが、自分で診断こそしないものの、
医者に行く前にネットで調べて、医者の説明から質問事項まで
わかった気になっている、ってのは私にも当てはまるよなー。
(医者は忙しいので、その場で全部説明してくれる訳じゃないから、
基礎知識ぐらいつけておかないと、「何か聞きたいことはありますか?」
と言われても、質問もできなかったりするからなんだけど。
たしかにネットで中途半端な情報だけ仕入れて、
「私は○○なんだけど、これって○○ですか?」と
教えてgooとか2ちゃんで質問している人っていっぱいいるんだよね。
心配ならさっさと医者に行けと言いたい。)

グループそれぞれには納得できるものも、そうでないものもあるけど、
もうメガトレンドの時代じゃなくて、マイクロトレンドが世の中を変えるんだよ
というのは、その通りだと思う。


◆読書メモ

・最もマイクロなマイクロトレンドとは、自分という個人の中のトレンドであろう。
だとしたら、まず自分の日常生活における意識や行動の小さな変化に対して
自覚的であることが、マイクロトレンドを発見するいちばんの早道であるに違いない。

・クーガー
かなり年下の男性とつきあう女性のこと。

・2007年、ウォールマートは、マーケティング部門の上級幹部同士である
上司と部下が関係を持っていることがわかると、この2人を解雇した。
これによって同社の広報は、カップルの私的メールを同社サイトの
トップページに掲載した。

・人種的マイノリティや宗教的に少数派の人々が
自分と同じ民族や宗教の相手を探すのも簡単だ。
EligibleGreeks.comやEthiopianPersonals.com、Muslima.comなど
マイノリティ向けのデート相手紹介サイトがある。

・LGBT
L レズビアン、G ゲイ、B バイセクシャル、T トランスジェンダー

・アメリカの14のカレッジや大学では、入学願書に「男性」「女性」
「自らの性認識」のどれかにチェックを入れることができるようにしている。

・ユニセクシャルは、「生物学が運命を決めるのではない」という
フェミニストの革命的な信条を、イデオロギー的に受け継ぐ可能性を持っている。

・2004年、イギリスでは親が子供を叩く権利を認める法案を通過させた。

・娘の道(Daughter Track)
専門職に就いていても親を介護するために休職する女性。
20年前には子育てのために休職する女性を
「母の道」(Mommy Track)と呼んだことに掛けている。

・イギリスの平均通勤時間は45分、欧州連合全体では38分、
イタリアでは23分、ドイツでは44分。アメリカは25分。

・トレップ
アントレプレナー(起業家)の短縮語。

・インターネットの父として広く知られるヴィントン・サーフは、
ほかの研究者とうまく会話ができないため(彼も多少耳が悪かった)、
あるいはろうあ者の妻と会話ができないイライラから、
電子通信(のちの電子メール)を開発したといわれている。

・子供であれば聞き取れる高周波音を、40代や50代以上の多くはすでに
聞き取れなくなっている(そのため、「モスキート」リングトーンと呼ばれるこの音を、
学生は授業中の携帯電話の着信音に利用している)。

・ペスカン(ベジタリアンの内、魚だけは食べる)
ヴィーガン(卵、牛乳、チーズ、蜂蜜も含む動物由来の食材をすべて避ける)

・音声補正機能つきテレビ会議システムが開発当時、
女性の声の周波数域が想定されていなかったのは有名な話だ。
文字通り、このカメラは女性の声を聞き取れなかったのである。

・編み物の流行は9.11以降に起こった、外出を控えて家の中で過ごすことを
好む「ネスティング」というトレンドの一環だといわれる。

・2006年の調査によると、インターネットポルノによる収入は
ABCテレビ、CBS放送、NBCテレビの3社の収入を足した額の2倍近くであった。
400万を超えるアダルトサイトが存在し、全体の12パーセントを占める。
検索エンジンで検索される言葉の4分の1がポルノに関する言葉だ。
アダルトサイトのアクセス数は、グーグル、ヤフー、MSNへのアクセス数の
合計の3倍以上である。

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