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『グーグルが日本を破壊する』

グーグルが日本を破壊する (PHP新書 518) (PHP新書 518)
『グーグルが日本を破壊する』
著/竹内一正
PHP新書

グーグルの台頭によって社会はどう変わるのか。
テレビ、CM業界、携帯電話、新聞、マイクロソフト、
はてはグーグルが掲げる理想像から次世代の検索エンジンまで論じた本。

全体的な感想を言うと、「視点は悪くないのだが、論点がなっちゃいない」
という感じ。
たとえば、「ヤフーはなぜ日本ではグーグルに勝っているのか」という話で
「ヤフージャパンの筆頭株主はヤフー本社ではなくソフトバンクで、
日本の利用者のニーズを優先させたから」と説明されているのだが、
全然、納得できない。そもそもヤフージャパンだってかなりヤバいでしょ。

また、「次世代の検索技術や、コンピューターの新しいアーキテクチャーが誕生したら、
ページランクに最適化されたグーグルの巨大なデータセンターの上で、
次世代技術が、最適かつ最速で走る保証はどこにもなく、
グーグルの巨大なデータセンターはお荷物になるだけ」
としているのだが、そんなわけないだろ。
グーグルの検索をいまだにページランクだけで語るのが無理がある。

そのほか、ヤマ場CMとかグーグル八分とか中国における検閲とか
今さらな話題で、グーグル脅威論としても弱すぎる。
ネット広告がテレビCMや新聞を駆逐するって話はもういいでしょ。
(ひとつ思ったのは、グーグルの成功も新聞の低迷もすべて広告費が
握っているのはなぜなのか、ということ。
広告以外の収入がなく、新聞のような“文化的情報”も
広告に左右されてしまうシステム自体に問題があるのでは。)

米国で始まっているGoogle TV Adsや
「グーグルが米国の700メガヘルツ帯域の競売に参加した」話には
興味があるのだが、それがどんな影響を与えていて、どんな意味があるのか
さっぱりわからなかった。


◆読書メモ

・「グーグルは与え、グーグルは奪い去る」
(『ザ・サーチ』に出てくる題名)

・グーグルCEOエリック・シュミットは、2007年株主総会前の記者懇談会で、
会社最大の危機について「われわれがあまりにも早く成長を続けていること」
と語っている。

・フォールト・トレラント(Fault-Tolerant)
個々に問題が起きても、全体のシステムとしては問題なく動く。
従来、フォールト・トレラントは、ハードウェアで実現するのが常識だった。
グーグルはこれをソフトウェアに切り替えることで、一般的なパソコンを使いながら
膨大な処理能力を低価格で実現させた。

・米国トヨタは2006年、NBCと「CMが視聴者の関心を惹かなかった場合、
埋め合わせに無料のCMを放映する」というCM契約を結んだ。

・携帯電話でネットを利用する日本は、むしろ例外的。
米国ではモバイルユーザーの6分の1しかインターネットを利用していない。

・USAトゥデーなどを傘下にもつ新聞チェーン・ガネット社は
ペーパー新聞とネット新聞の編集体制を一元化。
傘下89紙の編集局を統合し、24時間体制で活動する体制に変えた。

・ビル・グロスは13歳で最初の会社をつくり、カリフォルニア工科大学在学中に
ソフト開発会社をつくり、1996年にアイデアラボを設立、イートイズなどを生み出す。
1997年にゴートゥー・ドットコム(のちのオーバーチュア)で、
検索と金儲けを結びつける検索連動型広告を思いつく。

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