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本『ブログ論壇の誕生』

ブログ論壇の誕生 (文春新書)

『ブログ論壇の誕生』
著 佐々木俊尚
文春新書

2008年9月発売だから、ちょっと古いが、
『ウェブはバカと暇人のもの』でも言及されていて、
そういえばまだ見てなかったと読んでみました。

とりあげられている例は、『毎日デイリーニューズ』の低俗記事事件、
ウィキスキャナーが暴露した官庁の修正、
ニコニコ動画にアップされた小沢代表の動画、
ユーチューブで注目を集めた志位和夫の国会質問、
『JJ』読者モデルのブログがNHKに取り上げられて炎上した件、
“トリアージ”をめぐる論争、光市1.5人発言など、
今となってはほとんどが、あーそんなこともあったねー
という感じだが、ブログがマスコミや政治、格差社会になんらかの
影響を与えているさまを描いている。

『ウェブはバカと暇人のもの』では佐々木さんはウェブ肯定派
とされているが、この本での著者の論調は、
「インターネットはすばらしい」というポジティブなものではなく、
ネットから生まれた“ブログ論壇”について
脅威と可能性を紹介している。
(ただ、この場合、ブログ論壇を形成しているのは、
主にロストジェネレーション世代なので、
ネットvsリアルはそのままロストジェネレーションvs団塊になったり、
中心議題が格差社会になったりしている。)

ブログ論壇の抱えている問題点として、
企業のマーケティングや広告にブログが飲み込まれつつある、
匿名性をどう扱うのか、の2点が上げられている。
特に、匿名性については私も興味がある。
大学の准教授が個人ブログでした発言について、
所属組織である大学側が責任を持つ必要があるのか。
実名のブログが炎上した場合、その人の社会的地位さえ危うくなる。
では、個人が個人の発言にどこまで責任を取るべきなのか。
匿名のブログは信用されないのか。
「誰が」発言したかよりも、「何を」の中身の方が重要視されるべき
ブログにおいて、やはり「誰が」発言したかを人は気にする。

「おわりに」では「衆愚化とカスケード化」がブログの問題点であり、
日本のブログの現状について
・日本のブログ論壇を担うロストジェネレーションには、
弱者階級であるという認識が蔓延しており、
彼らには「社会の中心を担っていく」という自信がない。
・ディベート文化が日本には欠落している。
・理念としての「社会」と、リアルな「世間」との乖離。
何をいってもどうせ世の中変わらないという軽い絶望感がある。
という3つの原因を上げている。
これはそのまま『ウェブはバカと暇人のもの』への
じゃあ、どうすればいいの、という回答でもあると思う。
この現状を超えていかないと、ブログ論壇は
リアルな社会を何も変えられないのだ。

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