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お台場ガンダムのメイキングがおもしろい

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今さらですが、お台場の等身大ガンダム、見てきました。
等身大といっても高さ18メートル、実際にそばで見ると
「そんなに大きくない」という印象。
でも、コックピットに人が乗ることを考えるとこれが現実的な大きさか。

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潮風公園に向かうところ。
Tシャツの意味、わかって着てそうなとこがさすが。

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ガンダムアップ。肩のオリンピック招致ロゴは思ったほど気にならない。

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横から見上げる。足首細いね。

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後ろ。どこから撮っても基本的にフォトジェニックだ。
立ちポーズとか考えられてるんだろうな。

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背中の排気口みたいなの。
(スラスターというらしい。これで空中戦をするわけか。)
細かいところまで、ちゃんと作ってあって、
1/1スケールガンプラとしての出来もよい。

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顔アップ。

ガンダムを見上げながらケバブを食べていると、
デモンストレーションタイムに。

YouTubeにさんざん動画がアップされてますが、
自分的記念に。
ガンダムが右を見ると「おーっ」、左を見ると「おーっ」と歓声が上がる。
いや、首が動いてるだけですって。

それにしてもよくこんなもんを作ったよな、プラスチック装甲だけで
自立してるとは思えないので、足の中に鉄骨でも入れてるのかな、
と思ったら、メイキング映像がありました。
Yahoo!の配信は終わってしまったので、YouTubeから。
Vol.12までありますが、おもしろい!

GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト Vol 1 For the next step
GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト Vol 2 内部フレーム
GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト Vol 3 大地に立つ条件I
GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト Vol 4 ガンダムの装甲I
GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト Vol 5 ガンダム装甲II
GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト Vol 6 ガンダムの色
GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト Vol 7 大地に立つ条件II
GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト Vol 8 エンタテインメント
GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト Vol 9 内部パーツ
GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト Vol 10 大地に立つ条件III
GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト Vol 11 ガンダム大地に立つ
GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト Vol 12 Always Beginning
「機動戦士ガンダム 18m実物大立像」建設報告


富野監督の「ガワを作るだけの意味ってのがわかってきた」とか
「18mのものを地面に立てるのがまちがいなんだよ。根本的に。
乗り物として考えなきゃいけないのを、建築物として考えてるわけでしょ。
今後この作り方はありえないってことだよね。乗り物を作らなくちゃいけない」
「ガンダムの頭の大きさ、概念以上に大きいということがわかってくると、
スケールダウンしなくちゃいけないなと」
「モビルスーツの再現っていう所、やっぱり考え方は間違ってなかったから
乗り物としての、つまり筐体作りってことをさせたいし、
そうなってくると、可動域の問題や何かがもっと楽に、
もうちょっと自由度がもって作れるだろうと」
っておもしろい。普通なら、自分のアニメがここまで再現されるんだから、
無邪気に喜んでもいいと思うんだけど、さらに未来を見てるとこがすごいね。

立ってるだけ、首が動いただけ、でそこにメッセージを感じさせる
というのは、制作側のこうした苦労の成果ですね。
だってさ、ガンダムが立ってるだけ、なのをこれだけの人が見にくるわけですよ。

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台場駅から見えるガンダム。
木立ちの中にあると、ラピュタっぽい人間味を感じますね。
バイナラ、またいつか。


本『ピクサー流マネジメント術』

ピクサー流マネジメント術 天才集団はいかにしてヒットを生み出してきたか
『ピクサー流マネジメント術
天才集団はいかにしてヒットを生み出してきたか』

著 エド・キャットマル
ランダムハウス講談社

最近の『レミーのおいしいレストラン』といい、『ウォーリー』といい、
ピクサーの作品はどれもこれも大ヒットを記録している。
すべてのピクサー作品が大好き、というわけではないが、
どの作品もストーリー的にも技術的にも相当レベルが高く、
CGアニメが流行っているアメリカにおいても、他社の追随を許さない。

なぜ、ピクサーはこれほどまでにレベルが高いのか、
その答えの一端が本書に書かれている。
第1部が、ピクサーの創業者であり、社長のエド・キャットマルによる論文、
第2部が、本書の訳者であり、映画ライター小西未来による
ピクサー映画作りの取材レポート、という構成になっている。

エド・キャットマルは言う、
「優れた人材はどんなに素晴らしいアイデアにも勝る」と。
その例として出てくるのが『トイ・ストーリー2』。
最初のコンセプトには全く問題なかったが、担当したチームは
いつまでもストーリーの核心となる部分を完成することができず、
『バグズ・ライフ』が終わったばかりの、ジョン・ラセター、
アンドリュー・スタントン、リー・アンクリッチ、ジョー・ランフトの4名が
作業を引き継ぎ、この問題を解決した。
「アイデアそのものよりも、それを具体的な“カタチ”に仕上げることのできる
“人材”のほうがずっと重要である」
「凡庸なチームに良いアイデアを提供しても、台無しにされてしまいます。
一方、優秀なチームであれば、凡庸なアイデアを提供された場合であっても、
彼らはそのアイデアを改善するか、あるいは凡庸なアイデアを捨てて、
素晴らしいアイデアを思いつくことができるのです。」
「もう一つ重要な教訓は、ピクサーが手がける作品の基準は一つであり、
それは「常に卓越した作品」でなければならない、ということです。
凡庸な作品であれば、作る必要はありません。」

監督やプロデューサーが助言が必要なときは、どうすれば
作品を改善できるか、ブレーン集団(ジョン・ラセター、
アンドリュー・スタントン、ブラッド・バード、ピート・ドクター、
ボブ・ピーターセン、ブレンダ・チャップマン、リー・アンクリッチ、
ゲイリー・ライドストローム、ブラッド・ルイス)を招集し、
2時間に及ぶディスカッションを行なう、という。

「これはあくまで公平な意見交換の場であり、エゴのぶつかり合いも
不要な遠慮もありません。この会議が機能しているのは、
参加者全員がお互いの尊敬と信頼を勝ち得ているからです。
ピクサーの映画監督は、手遅れの段階になってから観客に問題を
指摘されるよりも、修正を加えるための時間的余裕があるうちに、
同僚から問題を指摘されたほうがずっといいと信じています。
意見交換を終えたあと、寄せられた助言をどうするかは
その作品の監督と各部署のリーダーに任されています。
形式的なアドバイスはありませんし、
ブレーン集団は権限を持っていません。」

当初はテクニカル部門の頭脳顧問集団に、
権限を与えてしまっていて、うまく機能しなかった。
「そこで、私は「この会議はあくまでも同僚同士が意見交換を
するためだけの場です」と念を押しました。すると、とたんに
会議に活力が生まれ、効率が劇的に向上したのです。」
「情熱的に意見をぶつけ合うのは、より良い物語にするためであって、
自我を満足させるためではない、とお互いが理解しています。」

また、「同僚と対等に共同作業を行う」ために、
毎日ラッシュ上映会を行い、参加者全員が積極的に意見を述べている。
「ラッシュ上映会において一人のアニメーターが
自分の担当する箇所の進行状況を逐一披露し、
参加者から承認されたときが、そのまま作業の終わりを意味します」

「素晴らしい作品を生み出す鍵は、
優秀な共同体を構築することにこそある」
とキャットマルは言うが、まさに言うは易し、行うは難しである。

たとえば、ピクサー流労働倫理三ヵ条
・社員全員が、誰とでも意志伝達する権利を持つ。
・どんなアイデアでも、常に歓迎されなくてはいけない。
・学術機関で起きている技術革新に常に敏感でいなければならない。
を実現するために、
「脚本の執筆法や絵画、彫刻からピラティス、ヨガまで
新しい技術を習得したり、自らの技術を他の社員に
教授するための場」として、ピクサー大学が設けられており、
受講料は無料で、受講のために仕事を休むことも許される。
「実際、勉強は仲間と一緒にやったほうが楽しいものなのです。」

また、ピクサーの社屋は、
「お互いが知らず知らずのうちに接触する機会を
最大限に生み出すように作られています。
吹き抜けの巨大なホールが中心にあり、カフェテリアや会議室、
トイレ、郵便ボックスなどがあります。必要な設備が中心部に揃っているため、
社員は一日の仕事の合間に、何度となくホールに行かなくては
いけなくなるというわけです。偶然の出会いがいったいどれほどの
価値を生み出すのか、とても言葉では言い尽くせないほどです。」

話を聞く限りはめちゃくちゃうらやましい。
もとが短い論文なので、さらっと述べられていて、
いや、実際にはそんな簡単にいかないでしょうとか、
綺麗ごとなんじゃないの?とか思ったりもしますが、
クリエイティブなものを生み出す最高の環境を、
どうやったら構築できるのか、ヒントとなることも多いはず。

全体としてはとてもいい本で、ピクサーファンやクリエイターのみならず、
優秀な共同体をつくりたいと考える経営者は読んでくれと思うが、
第1部の論文下にある解説がまったく意味をなしていないところは残念。

◆読書メモ

技術が芸術を刺激し、
芸術が技術に挑む

監督志望者は、ジョン・ラセターらを前に、自分のアイデアをプレゼンする。
ここでゴーサインがでると、ストーリー部門、美術部門、
テクニカル部門などから一人ずつ選抜し、小さなチームを結成、
具体的な映画案へと仕上げていく。
ストーリー部門は、初期の段階で絵コンテを作り、絵コンテがある程度
まとまるとビデオで撮影し、仮音楽と台詞をつける。
これが“ストーリー・リール”で、何度も練り直す。
「ここで使用されるのは、基本的には紙とエンピツ」だけ。
「紙とエンピツだけで感動的な物語を生み出すことができれば、
ひどい作品になることはまずない。」

ピクサーでは一貫して実写映画のスタイルの遵守にこだわっている。
観客が慣れていないカメラワークを採用すると、
ストーリーに集中できなくなるためだ。
『ウォーリー』では、よりリアルな映像表現を行うために、
ベテラン監督のロジャー・ディーキンスを特別講師に招聘したほどだ。

ピクサーは創設当初からストーリーテーリングにおける
サウンドの重要性を認識していた。『ルクソーJr.』や『ティン・トイ』
『ニックナック』といった初期の短編映画のサウンド・デザインを
『ターミネーター2』や『ジュラシック・パーク』『タイタニック』などで
計7つのアカデミー賞を受賞したゲイリー・ランドストロームに依頼している。

驚いたことに、ゲイリー・ランドストロームはいまやピクサーの
映画監督でもある。短編映画『リフテッド』(2006)を手がけたのち、
2012年公開予定の『Newt』の監督を担当する。

映画は1秒につき24フレームで構成されているのだが、
巨大サーバー群“レンダー・ファーム”は1フレームずつ処理していく。
1フレームを生成するための所要時間は平均6時間で、
その処理速度は『トイ・ストーリー』のときから変わっていない。
レンダリングにかかる時間は格段に短縮されているものの、
そのぶん1フレームに詰め込む情報量が増大したために、
どうしても時間がかかってしまうのだ。
これまでのピクサー作品でレンダリングにもっとも時間を要したのは、
『カーズ』のなかのシークエンス(ライトニング・マックィーンを載せた
トラックが夜の高速道路を走る俯瞰ショット)で、
なんと1フレームの処理に百時間を超えたという。

「どの会社でも、効率性が求められるよね。でも、映画作りは
普通の商品開発なんかとは違う。効率的に映画を作る方法なんて
存在しないし、効率性を追求した結果、ひどい作品になってしまったら、
ピクサーの存在価値そのものがなくなってしまう。
ピクサーでもあらゆる作業に締め切りを設けているが、
最高のアイデアを短期間でひねりださせるための仕掛けであって、
あとで優れたアイデアが生まれた場合は、締め切り後でも
差し替えられることになる。ピクサーにおいては
『たしかに素晴らしいアイデアだが、時間がないから諦めて欲しい』
という台詞を言うことは許されないんだ。」(ブラッド・ルイス)

ナイン・オールドメン
ウォルト・ディズニーが特に信頼を置いていた9人のアニメーターの総称
ウォルフガング・ライザーマン、レス・クラーク、ウォード・キンボール、
ジョン・ラウンズベリー、ミルト・カール、マーク・デイヴィス、
フランク・トーマス、エリック・ラーソン、オリー・ジョンストン

ピクサー社屋は、レンガ作りの巨大な建造物で、
最新鋭のデジタル工房というより、一昔前の紡績工場を彷彿とさせる。
創始者のスティーブ・ジョブズは、歴史のある倉庫を買い取って
スタジオに改装する構想を持っていたが、適当な物件が見つからなかったため、
あえて古い工場のような建物を新設したのだという。

本『グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業』

グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業 (幻冬舎新書)
『グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業』
著 夏野剛
幻冬舎新書

刺激的なタイトルだが、内容は正直なところたいしておもしろくなかった。
夏野さんといえば、ドコモのiモードを立ち上げた人であるが、
たぶん、頭の固い大企業では、いろんなことを思うようにできなかったの
ではないか。本書には、そんなネットを理解しない経営者に対する
恨み節があふれているように思われる。

『「ビジネスにインターネットを使えば何もかもが成功する」と考えるのは
大きな間違いだ。』というのはその通りなのだが、
本書に書かれている、日本のウェブビジネスが儲からない理由とか、
ウェブビジネスを成功させる鉄則といったものは、
私程度でも思いつくものであり、逆にいえば、それを繰り返し
言わないとわからないほど、日本の企業とは頭が固いものらしい。

本書が本当に言いたかったことはおそらくコレ。
「残念ながら日本の企業においては、その経営層が一番、
インターネットリテラシーが低い。もっというなら50代以上の経営者。
申し訳ないが、わからないなら早く下の人に任せてくれ、と私は言いたい。
それが、会社に対する最大の英断であり、貢献になるのだから。」
たしか、夏野さんはブログでも同じようなことを書いていた。
(というか、それの書籍化なのか。)
まあ、コレに関しては、私もまったく同感です。

◆読書メモ

チケット流通センター


ボートマッチ

選挙関連ネタを続けてもうひとつ。

“ボートマッチ”をやってみた。
ボートマッチとは「現行の憲法を維持すべきである」、
「選択的夫婦別姓制度を導入すべきである」
といった質問に、「賛成」か「反対」かを答えていくと、
「あなたの考えに一番近いのはこの政党です」と教えてくれるサービス。
今回の選挙では毎日新聞と読売新聞がそれぞれボートマッチを実施している。
日本版ボートマッチ : 総選挙2009 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
毎日ボートマッチ(えらぼーと) - 毎日jp(毎日新聞)

結果はまあ、ほぼ予想通りだったんだけど、
自分の中で、「賛成」、「反対」と明確に答えられる質問と、
「わからない」しか選べない質問があって、
自分の現在の“政治リテラシー”や
それぞれの質問に対する問題意識が明確になる。
(「基礎年金は現在、国民の支払う保険料を財源にあてる保険料方式が
とられていますが、全額を税で賄う方式にすべきだとの意見もあります。
あなたはどちらがふさわしいと思いますか」
という質問に答えるのは簡単じゃない。)

歌田明弘氏が『仮想報道』に書いていたけれど、
ボートマッチは問いの立てかたによって答えが変わってくる。
(「歴史や伝統を重んじる教育を行うべきである」なんて質問は
意味するところが不明なので「賛成」とも「反対」とも答えにくい。)
また、各政党の答えと自分の答えがどれくらい同じなのか、
明確にしてくれないと、本当の意味では投票の役には立たない。

それから一番大きな問題は、ボートマッチだけの問題ではないのだが、
この質問は自民党の意見に近い、こっちは民主党、これは共産党、
というように、政党というより、政策でしか、選択できない点。
意外な政党と意見が同じ、ということも多々あるのです。

佐々木俊尚氏がマニフェスト比較サイトに対して、
「有権者と政党を全面的にマッチングするのは不可能で、マッチングは
つねに「政策ごと」になる。この不適合はどう解消されるべきなのか?」
とtwitterで発言してましたが、それと同じことですね。
自分の考えにあった政党はどれ? マニフェスト比較サイト続々登場


本『どうする!依存大国ニッポン』

どうする!依存大国ニッポン (ディスカヴァー携書)
『どうする!依存大国ニッポン』
著 森川友義
ディスカヴァー携書

『若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万も損してる!?』の姉妹編
ということだが、順番としては、『若者は』を最初に読んで、
本書を次に読んだほうが理解しやすい。

『若者は』で若者は政治リテラシーを高めて、選挙に行かないと損するよと説き、
本書では、実際に今の日本が抱える問題点を
日本経済、防衛、財政赤字、食糧依存、エネルギー依存、少子化
の6つにしぼって解説している。

『若者は』は政治入門として良い本だと思うが、
「わかりやすいからといって、言ってることが正しいとは限らない」と
感じたが、本書ではさらにそれを強く感じた。
ひとつひとつの解説はわかりやすいし、
問題点として上がっているものにも依存はない。
解決策についても、良い点、悪い点を客観的に述べているのだが、
その語り口のやわらかさに「ふん、ふん、なるほど」と思いながら
読みつつ、「本当にそうかなー」と疑問点をもつところもいくつか。
たとえば、憲法とか、原子力エネルギーとか、常任理事国とか、
農業の保護政策とか、そのまま納得できない。
まあ、著者もいうように、簡単には答えのでない問題ばかりなので、
その問題点をまとめてざっくり理解できるという点では良い本だと思う。
それぞれの答えはここから自分で考えなければいけない。

最終章で、解決策のひとつとして、若者による
インターネットを通じた政治活動を提案しているところがおもしろい。

◆読書メモ

自給率トップは北海道の200%、
次いで秋田(164%)、山形(127%)、青森(115%)、岩手(103%)、
の東北4県がわが国の食料供給地になっています。
最低は東京の1%。続いて大阪の2%、神奈川の3%。
北海道・東北の食料を大都市が消費しているのです。

本『若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!?』

若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!? (ディスカヴァー携書)
『若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!?』
著 森川友義
ディスカヴァー携書

サブタイトルは「35歳くらいまでの政治リテラシー養成講座」。
わかりやすい言葉で、鉛筆を転がして投票者を決めてでも、
選挙に行って1票を投じないと、若者たちは損したままだ、
日本は変わらないと教えてくれる。

著者は政治学博士だそうで、軽い文章を読んでるうちに
有権者、国会議員、特別利益団体、官僚組織
によって動いている日本の政治の仕組みが見えてくる。
特に、国会議員の力は弱く、特別利益団体と官僚組織が
政治を動かしており、一番主役であるはずの有権者は蚊帳の外、
という現状をはっきり批判し、政治リテラシーが低いまま、
選挙に行かないということの意味を説いている。

売れている本だけあって、おもしろい。
といっても、民主党に投票すれば日本が変わるのかとか、
必ずしも悪ではない特別利益団体をどうとらえたらいいのかとか、
わかりやすいからといって、言ってることを鵜呑みにしていいのかとか、
まだまだわからないことはありますが、政治入門書としては良書。
同時発売のもう1冊も読んでみるつもり。


本『仕事するのにオフィスはいらない』

仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)
『仕事するのにオフィスはいらない』
著 佐々木俊尚
光文社新書

カフェを渡り歩きながら仕事をするプログラマーや
オフィスをもたず、土曜日だけみんなで集まる会社など、
新しいワーキングスタイルを紹介。

ノマド(遊牧民)ワーキングとは、たんに「オフィスをもたない」とか
「カフェで仕事をする」ということではない。
会社にしばられず、対等な立場で仕事をする、
フリーランスという働き方で、不況の今こそ、
自分自身で人生を切り拓くべきだと著者はすすめる。

実際にフリーのジャーナリストである著者が
(といっても佐々木さんはかなり成功者側な気もするが)
集中力、時間、情報をどうやってコントロールするか、
活用すべきクラウドサービスの使い方を解説している。

クラウドサービスにそれほど目新しいものはないが、
具体的な使い方や考え方がとても参考になる。

先週、風邪が直らないまま、家と仕事場を瞬間移動したい
と思いながら、会社に通っていて、
9割ぐらいの仕事は家でもできるよなーと思っていた私としては
ノマドワークスタイルにあこがれる。
インターネットがここまで発達した今、
会社でなければできない作業はほとんどなくて、
最大のネックとなるのは、コミュニケーション。
うち会社の場合、職場でのたんなるおしゃべりや、
同僚たちの流行り廃りがそのまま仕事に関係してくる。
また、あーでもない、こーでもないという打ち合わせから
生まれてくるものも大きい。
「オフィスがある」ことの一番の意義はそれではないかと思う。
しかし、この本で紹介されている会社の例では、
スカイプで連絡を取り合うことで、それすらうまく機能しているようだ。


◆読書メモ

『エコノミスト』2007年4月10日号「ついにやってきたノマド時代」

メディアマーカー

「いつでも会社を辞めてやるよ」と思っていて、
でも会社から「辞めないでほしい」と考えられているような会社員
そんな会社員であるべきだと、新野さんはずっと考えてきたのです。
とはいえ、そうなるためには自分自身の能力を磨かなければなりません。
いつフリーになっても大丈夫という裏付けがなければ、
社員と組織の関係は対等にはなっていきません。

おそらくこれから先の時代には、会社などという古くさいシステムは
姿を消して、もっと違うかたちで人と人がつながり、
コラボレーションして仕事をするような社会が現われてきているでしょう。

それでも人生の時間は限られていて、すべての書籍を読んで
すべてのものごとに精通し、世界のすべての観光地を自分の目で見て、
すべてを学ぶことは不可能なんだと、多くの人が悟るようになります。
そして時間こそが唯一の希少価値のあるものだと人々を気づくようになります。
時間は作り出すことができないし、人からもらったり、
あるいは自分の余った時間を人に販売することもできません。
余った時間を将来のために貯金しておくこともできません。
時間は本当にわずかしかなく、金よりもダイヤよりも貴重なものなのです。

ザ・コンランショップ

パークタワーのザ・コンランショップ カフェでご飯を食べたあと、
久しぶりにコンランショップにもよってみた。

ちょっとオサレ過ぎるのと、無印やアフタヌーンティーなどと比較しても高めなのが
なんですが、洗練されたインテリアグッズは見てるだけでも楽しい。

特に気になったのが、以下の2つ。

【送料無料】ViOLET ナバズタグ:タグ nabaztag:tag【ポイント2倍】【02P18Aug09】
『ナバズタグ』
“うさぎ型コミュニケーションロボット”だとか。
無線LANでネットに接続し、ニュースを読み上げてくれたり、
メール到着をランプで知らせてくれるらしい。
といってもメールが到着するたびにランプが点いたらうるさくてしょうがないし、
今のままでは、たいして役に立つとも思えないが、
“ズタンプ”によっていろいろ機能を追加できるらしい。

そして、さらに気になるのが『ミラー』

“ズタンプ”を貼った傘をミラーにかざすと、天気予報が表示されたり、
キーホルダーを置くと、「今帰ったよ」メールを自動送信したり、
といったことができるらしい。こちらはまだ日本未発売。
(こうなると、もう、うさぎ関係なくなってますが。)

たんにタグ(みたいの?)を読み取ってるだけなんだろうから、
他にもいろいろと活用方法はありそう。
うさぎを通して世界につながる『ナバズタグ』


【送料無料】blackbird,flyブラックバードフライ 35mm二眼レフカメラ カラーバリエーション6色(ブルー)
『BLACK BIRD FLY CAMERA』
もうひとつはこれ。二眼レフカメラ。35ミリフィルムが使えるところがポイント。
二眼レフって憧れなんですが、中古じゃなくて、
新品を買うって、今まで考えたことなかった。
カラバリもあってかわしい。
Black Bird Fly


本『ゴシックハート』

ゴシックハート
『ゴシックハート』
著 高原英理
講談社

“ゴシック”の精神について、ゴシック建築からゴシック・ロマンス、
現代のゴスロリまで広く論じた本。
語られるテーマは、人外、怪奇と恐怖、様式美、残酷、身体、
猟奇、異形、両性具有、人形、廃墟と終末、幻想と幅広く、
例として出てくる文学、絵画、コミックも、
『フランケンシュタイン』、『アッシャー家の崩壊』、
三島由紀夫、澁澤龍彦、サド、江戸川乱歩、稲垣足穂、
『芋虫』、『のろいの館』、ハンス・ベルメール、
『攻殻機動隊』、『ヘルター・スケルター』、『デビルマン』、
『エヴァンゲリオン』となかなか魅力的なラインナップだ。

以下の文章などは『エヴァンゲリオン』について
今まで読んだものの中で一番納得できた。
「これは、ごく普通の、信念に乏しく勇ましくもない現代日本の少年が、
君にすべての決定を委ねると言われてただ困惑し、
結局は愛ですらない性的な衝動でしか世界を測れなかった、
という情けない実態を露呈させた物語と言ってもよい。」

また、廃墟に関する次の文章にも共感する。
「洋の東西こそ違え、古城の壁に穿たれた狭い窓を仰ぎ見るときに
訪れる何かが語られる。
幾多の手懸りをもとに足穂が伝えようとする最も肝要なものは
「さながら野外テーブルのおもてを掠めた小鳥の影のように、
われわれの脳裡に閃く何いうともない気懸り」
としか言えない何かなのだ。
それはフリードリヒにもあり、『ヴェルーシュカ』にもグラックにもあった。
ばかりか街でふと見つけた工場跡や壊れゆく無人の住居にもあるものだった。
現在の静かな物思いの根拠として、同時に非在の彼方を偲ばせるよすがとして、
あらゆる廃墟にその気懸りはあり、それをこそ私は「懐かしい」と言う。」

私自身、ゴシック建築や廃墟には強く惹かれるものの、
猟奇や残酷、両性具有となるとちょっと引く。
『エヴァ』におけるグノーシス主義の話も、話が難しいというよりは、
こういう哲学的語りにありがちな文体が難しくてよくわからなかった。

ただ、ゴシックな精神というものが、たんなる趣味嗜好、
好悪にとどまるものではなく、現実からの逃避というか、飛翔、
それがなくては生きられない、幻想の世界なのだということは理解できた。
そう思って見ると、ゴスロリ少女たちのギリギリのラインで生きている
という感じもわからないでもない気がしてくる。


◆読書メモ

ゴシックのスタイルは本質的に過去の遺産の変奏と言ってよい。
ただしその過去は実のところ一度もあったことのない架空の過去だ。
ゴシックは十八世紀ヨーロッパの合理主義に反発し
敢えて非合理的な中世に憧れる意識の書き残した物語を起源としており、
そこに語られる中世の世界とは、古い建築の印象から形成された、
歴史的事実によらない幻想だからである。

あまり意識されていないかも知れないが、
ゴシック・ロマンスには作者が十代から二十代の頃に書かれたものが多い。
『ヴァセック』はベックフォード26歳のとき、『ウィーランド』はブラウン27歳、
『吸血鬼』はポリドリ24歳、『マンク』はルイス21歳、
『フランケンシュタイン』はシェリー21歳のとき刊行された。
ただしベックフォードは22歳で『ヴァセック』を書いたことがわかっており、
『マンク』脱稿のさいルイスは19歳、また『フランケンシュタイン』の
執筆開始はシェリー18歳のおりとされる。
どちらかと言えばこれらは当時の若者の文学だったのだ。
しかも「良識」からは憎まれるセンセーショナルな内容を持つ。

古くはプラトーンの『饗宴』に出てくるエピソードも有名だろう。
かつて人間には男性・女性・両性、という三種類があり、
みな丸い体にそれぞれ四本の手と四本の足を持ち、
また同じ顔を二つ、性器も二つ持っていた。
ところが人間たちはその不遜さから神々に挑戦しようとしたため、
ゼウスによって体を真っ二つにされ、以後、人はその半身を恋うようになった、
という話である。当時のギリシアらしく、かつて球体の身体のとき
両性具有だった者は分割された後に男性・女性の結合を、
男性だった者は男性同士、女性だった者は女性同士の結合を求めるのだ、
として、異性愛とともに同性愛もまた当然の帰結と語り、
こういう話になると現在なら必ず加えられる「だから男は女を、
女は男を求めるのが当然だ」という異性愛絶対主義の結論を予め否定している。

ハンス・ベルメールは1902年、技師の息子として
シレジアのドイツ領カトヴィッツに生まれた。
技師としての職業訓練を受けた後、絵画・イラストレーションを描き、
商業広告デザイナーとなるが、1933年、ナチズムへの抵抗として
一切の「有用な労働」を放棄し、弟とともに、家にあった工具を用いて
少女の人形の制作を始める。このとき作られた人形はその腹の中に
覗きパノラマが仕込まれ、臍の穴から覗き、左胸のボタンを押すと
機械仕掛けで場面が変わるようになっていたという。

グノーシス主義
この世界は支配欲にとらわれるばかりの
愚かな造物主(デーミウールゴス)の創造した誤ったものであり、
その過ちを知ることのできる者たちにとっては権力の牢獄である、
とする思想と考えればよいだろう。
世界の外から来る叡智を得ることによって世界全体の規範が
不正であることを知り、そこからの脱出を図ろうとする反逆的な思想である。

人間はその霊を研ぎ澄ませばプレーローマ(現世界の外にある真の世界)から
流出してくる輝きに反応できるが、デーミウールゴスにはできない、
という結果となる。人間は造物主より優れた可能性を持つという意味だ。
そして自己の内にある微かな光の自覚によってプレーローマとのつながりを
回復した人間はこの世界を離れて飛翔し、真の世界へ帰還することができる、
というのがグノーシス神話の結論である。
これに対しデーミウールゴスは、自己の創造した世界から
人間たちを逃がさないよう、人間に肉体的死を与えて
地上の生存への執着をいだかせ、真の世界を忘却させた。
さらにアルコーンと呼ばれる邪悪な下位支配者を従え、
星と地上の運命を操作させ、そればかりか、人間の肉体にも罠を設けた。
特に著しい罠は性欲である。人間はその霊の本来の属性が
両性具有であったことを忘れ、一方の性だけしか自己に自覚せず、
そのため、もう一方の性への欲望によって地上を離れることができなくなった。

本『リカちゃん 生まれます』

リカちゃん 生まれます
『リカちゃん 生まれます』
著 小島康宏
集英社

初代リカちゃんの開発担当者によるリカちゃん誕生物語。
驚くのはリカちゃん発売前のタカラが、
『だっこちゃん』(1960年)の大ヒットはあったものの、
浮き輪やビーチボールなど、空気入りビニール玩具の会社で、
人形とはまったく無縁だったということ。
そして、さらに驚くのは、最初の企画では、
人形ではなく、人形ケースの製作を考えていたということ。

アメリカでは着せ替え人形のキャリングケースが売れていることに
当時の佐藤社長が目をつけ、人形ケースの製作を思いつくわけだが、
「ドーリムハウス」という企画名からもわかるように
最初の段階から「キャリングケース」というより
「持ち運びが可能なドールハウス」をめざしているところがおもしろい。

そして、ドールハウスを試作してみた結果、
「バービーやタミーのドールハウスでは、日本の女の子には大きすぎる。
小さいサイズの人形を作り、それにぴったりのハウスを付けて
“家付き人形”として一緒に売り出そう。」ということになる。

当時発売されていた、バービー、タミー、スカーレットちゃんなど
洋風の人形に対し、開発者たちがモデルにしたのが“少女まんが”の世界。
牧美也子、わたなべまさこ、水野英子など、
少女まんがのヒロインの切り抜きを何枚もかかえて、
原型師に会いに行ったというエピソードがすごい。
(そして、設計図もなく、原型師さんが作成した顔が
そのまま初代リカになるというところが、またすごい。)

で、もうひとつ、びっくりエピソードが、
著者がこの原型を落として形を変えてしまっているということ。
「結局、出来上がった人形の顔は、向かって左の小鼻がへこみ、
鼻筋が右にすこし押しつぶされたものでした。
初代「リカちゃん」の多くはこれで通してしまいましたから、
じっくり見ればみなさんにも分かるでしょう。」
えーっ、それでいいんですか?

「顔かたちを真似た薄っぺらなものではなく、少女文化そのものとしての
“少女まんが”の世界を、新しい人形の中に詰め込みたかったのです。
わたしたちは少女まんがのヒロインのようなルックスだけでなく、
その内面も少女まんがのエッセンスで満たしていきたかったのです。」

「「女の子のドリームハウスってなんだろう」
大人が好むようなモダンな洋風とは違って、
女の子たちは宮殿とかお城とか、メルヘン調が好きなようだ。
<ふわふわのソファーとテーブル>、<身繕いをするドレッサーの鏡>、
<ひらひらのレースのカーテン>、この三つ、
“女の子の三種の神器”は外せない。」

上の部分を読んで、私の記憶にあるリカちゃんハウスが
白い家具や大きな窓だったり、
現実というより夢の世界だった理由が納得できたのでした。

カラーで掲載されている当時のブックレットも笑えます。
新発売時のブックレットの文章がコレ。
「リカちゃんのすべて
お父さん フランス人
お母さん 日本人
リカちゃん とてもやさしい
好きなこと 絵がじょうず
べんきょう あまりできない
悩み フランスにわたった父がわからない」
これが「リカちゃんのすべて」!
少女マンガをモデルにしてるからって、悩みが重すぎるー。

また、リカちゃんの好きな本が『小公女』、
いづみちゃんが『若草物語』はいいとして、
ママが『アンナ カレーニナ』(不倫の話だよ!)、
ワタルくんが『カラマーゾフの兄弟』、ごろちゃんが『巨人の星』
ってどうなのよ。

当時のドレスには「人魚姫」だの「軽井沢」だの、
ステキな名前がつけられてるんですが、
大人がメモを片手にオモチャ売り場で
「桜色の○○というドレスを着たリカちゃんを」と店員に聞いて、
買って行ったという話を読んで、
たしかにドレスにも名前が必要だと思ったり。

そのドレスの説明も、いづみちゃんのドレス(太陽)は、
「まっかな太陽のワンピース。白い雲のレースとおにごっこ。」
なのに、ワタルくんのドレス(ドライブ)は、
「ザックリしたシャツ、いかすわ!! スポーツカーにのって時速100キロ。」
という感じ。

「コメントは、わたしと富田くんで考えたほか、
ドレスの審査会をした時に聞いた、女の子たちの感想を書き留めて
使うこともありました。文章が足りなかったりすると、
たいてい「ウフフ」で誤魔化しちゃう。」
って、「ウフフ」ってそういう意味だったんですかー。

そのほか、「もしもし、リカちゃんいますか?」という電話を受けた女性が
気転を利かせて「こんにちは、わたしリカよ」と答えたことが
後の『りかちゃん電話』になり、
一時期は女子高生アルバイトを10人ほど雇って、
専用電話に対応させていたとか、
「六本木、リカちゃん」と書けばファンレターが届いたとか、
当時の女の子たちの熱意と、それに答えようとする側もすばらしい。

「わたしは、リカちゃんが初めて出会った子どもたちが、
'67年に10歳、11歳、12歳の女の子であったことは
とても幸運だったと思っています。
今思うと、あの時代のあの子たちでないと成立しない
“熱”が確かにあったのです。」

この本によると、最初の企画から発売まで7ヵ月ほど。
原型師、彩色のプロにめぐまれ、
ほぼ最初の試作のまま、初代リカが誕生している。
企画どおり「リカちゃんハウス」も年末には売れ、
その後のグループサウンズなどファッションの流れにものり、
わりとトントン拍子にリカちゃんは大ヒットする。
もちろん、本に書かれていない苦労も存在するんだろうが、
なんだか「リカちゃん」なんだから、「幸運だった」でもいい気がする。

著者は、その後、リカちゃんの人気が低年齢化するにともない、
当初の10歳当たりをターゲットにレディリカを開発。
2代目のリカの途中で現場を離れ、1994年にタカラを退社した後も、
「リカちゃんチーム」の顧問を務めているという。
(そして、長女を「里香」と名付けている。
次女も「いずみ」とつければよかったかもしれないが、
「そこまでやったら、もうまんがの世界になってしまいます。」
とコメントしている。)

さらっと書かれているので、もっと詳細が知りたいところではあるが、
著者のリカちゃんに対する愛がちゃんと感じられる本である。

◆読書メモ

香山リカ
香山は、加山雄三さんの“カヤマ”の響きと、
女優の香山美子さんの“香山”を両方いただいています。

本『デジタルネイティブが世界を変える』

デジタルネイティブが世界を変える
『デジタルネイティブが世界を変える』
著 ドン・タプスコット
翔泳社

ネット世代について、インタビューや調査データをもとに分析。
よく言われているような暗黒面(ネット世代は頭が悪い、
社会的スキルがない、両親に甘やかされている、暴力的で
ナルシスティックで、周りに関心を示さない)を否定し、
ネット世代は未来を新しく変えていくと論じる。

ここでいうネット世代とは1977年~1997年生まれ、
ベビーブーム世代(1946年~1964年)を親に持ち、
ジェネレーションX(1965年~1976年)が上の世代となる。

著者によるとネット世代の8つの行動基準は次のとおり。
・選択の自由、表現の自由など、自由を好む。
・カスタマイズ、パーソナライズを好む。
・情報の調査に長けている。
・企業の誠実性とオープン性を求める。
・職場、学校、社会生活において、娯楽を求める。
・コラボレーションとリレーションの世代である。
・スピードを求めている。
・つねに新しい製品、新しい方法を求めるイノベーターである。

で、それぞれについて、考察がなされていくわけだが、
アメリカの翻訳本にありがちに、長くて、同じ結論が何度も出てくる。
また、著者がネット世代の良い具体例として自分の子供のエピソードを
何度も出しているが、説得力に欠けるなーとも思う。
ただ、デジタルネイティブな世代が仕事に対しても、
社会との関わり方にしても、上の世代とは違う考え方をしてる
というのは多くの人が感じていることだと思う。

著者は、検索すればすぐわかるような年号を頭に詰め込む
現在の教育方法はネット世代には意味がなく、改革が必要だという。
また、9時~5時までという働き方もネット世代は好まない。
会社に縛られる必要性がないのに、時間や場所を限定しても、
ネット世代の効率が落ちるだけで、仕事中にフェイスブックを見ることも
一服するよりはずっとマシな息抜きなのだから認めるべきだという。

一方で、ネット上の言葉に傷ついて、自殺してしまった少女の例や、
16歳の少女を暴行し、その様子をYouTubeに投稿したティーンエイジャーの
例など、ネットにおけるいじめについて、
また、プライベートな写真を自ら流出させていることについてなど、
まだ解決していない問題点があることも指摘されている。

アメリカの場合、ネット世代の人口が多いので、
彼らの考え方が社会を変えていく力になる可能性は十分にある。
さて、日本は?

◆読書メモ

「(テクノロジーは)発明される前に生まれた人にとってのみ
テクノロジーとして意識される」(アラン・ケイ)
「これが、ピアノがテクノロジーで音楽を破壊したか否かを
我々が議論しない理由だ」(セイモア・パパート教授)

「子供たちにとっては、テクノロジーは鉛筆のような存在だ。
両親は、書き取りについて語ることはあっても、
鉛筆について語ることはない。
子供たちもテクノロジーそのものについて語ることはない。
テクノロジーを使って、遊びについて語り、ウェブサイトを作り、
友だちにメッセージを送り、熱帯雨林などについて語ったりするだけだ」
(MIT認識論学イディット・ハレル教授)

「私が考えるプライバシーとは、完全に公開するか完全に隠すか
ということではなく、どの情報を誰とシェアするのかという制御権を
人々に提供することだ」(フェイスブック元最高戦略責任者マット・コーラー)

「未来に向けた最も有用な教育は学校で行なわれるのではなく、
学校から帰った後で行なわれる。
たとえば趣味のロボットのクラブやインターネット上のゲームなどでだ。
これらの課題はテストには出ない。
若者たちは本当に自分たちを興奮させてくれるものを求めるのだ」
(社会評論家マーク・プレンスキー)

ポジラ(Podzilla)
iPodの録音ソフト

「彼らにとって友だちの意見は映画評論家の意見より重要だ。
彼らにとって映画評論家は見知らぬ第三者に過ぎない」
ニューライン・シネマ、マーケティングチーフ、ラッセル・シュワルツ

UFOが発見された場所
ufomaps.com
オンライン万歩計
gmappedometer.com
「コルバート・レポート」の「グリーン・スクリーン・チャレンジ」

ネット世代は、モバイルのGPS機器を使って店舗の物理的場所を調べる。
オンラインで洋服を買い、気に入らなければ物理的店舗で返品することができる。
ウェブで時間をかけて商品を選び、欲しい商品のページを印刷して
店舗に持っていくこともできる。衣料品販売のGAPは一部の店舗で
顧客が注文することができるウェブラウンジを設置した。

ネット世代は、自分たちの両親を幸福と安全の源と見なしている。
私の息子アレックスが大学の最終学年の論文を書いた時は、
私たち家族とガールフレンドのために感謝に満ちた献辞のページを作っていた。
私が大学生だった時分には、そんなことを想像する者すらいなかっただろう。

双方の候補者(オバマとクリントン)のメッセージをフォローするように
登録することができたが、逆方向に支持者をフォローし返すようにしていたのは
オバマだけだった。ブロガーのジェイソン・オークは、
「小さなことかもしれないが、これは(オバマが)ソーシャルメディアを
理解しているという重要なサインだ。クリントンは基本的にツイッターを
ひとつの放送メディアとして使っている。オバマは人々と個人のレベルで
つながるためのツールとして使っている」と指摘している。

「僕たちの世代は眼の前のことにどっぷり浸かっているけれど
過去に関してはいまひとつよく知らない。
リアルタイムで起こる地球上の出来事に絶えずつながっていることが、
僕たちを尊大なひとりよがりにしている。
立ち上がって何かするよりも、出来事についてブログを書くことで
何らかの影響を残せると自分に言い聞かせている」
(マイク・カナート)

インターバル撮影に挑戦!

夏休みにやってみたかったことのひとつ、インターバル撮影。
あの高速で雲が流れていくようなムービーが作りたいわけです。

インターバル撮影機能があるデジカメを使うのが一番簡単なんですが、
もってきたパナソニック『DMC-TZ5』にはインターバル撮影機能は非搭載。
うちに置いてきたリコーのデジカメならインターバル撮影ができるらしい、
って、そんな機能が搭載されてること知らなかったよ。

とりあえず、1秒1コマ程度で撮影できればいいので、
パナソニックのデジカメでも撮影できる方法を考えてみる。
方法1:1秒に1回シャッターを押す。
(正確に時間を測るのが難しいのと、
 手ブレしちゃうので、あまり現実的ではないですが、
 30秒に1回くらいならこれも通用するのでは。)
方法2:連写機能を利用。
(「フリー連写」だと1秒に2枚撮影するので短い動画ならこれもあり。)
方法3:動画を切り出す。
(「10fps」で撮影して、10枚に1枚切り出せば、1秒1コマになるはず。)

ある程度の時間(5分以上)、撮影することを考えると、
方法3が(撮影自体は)一番ラクそうなので、これを試してみる。

●手順1 「10fps」で動画を撮影
・三脚は必須。今回はとりあえず7分間撮影してみました。

●手順2 動画から連番画像を出力
・動画を再生しながら、1秒ごとに静止画キャプチャーするという
 アナログな方法も考えましたが、今回は『TMPGEnc』を使用。
・デジカメで撮影した動画はMOV形式。そのままでは読み込めないので、
 プラグイン『QTReader.vfp』をダウンロードして、
 『TMPGEnc』本体と同じフォルダーに入れる。
・ダウンロード先
『TMPGEnc 無料版』
プラグイン『QTReader.vfp』
・こちらを参考にしました。
MOVファイルをフレーム(コマ)ごとに連番の画像(jpg)で保存する

Image1
「映像ソース」でMOV形式の動画を指定。
「ファイル」→「ファイルに出力」→「連番 BMP/PPM/TGA/JPG ファイル」

●手順3 連番画像を切り出す
・7分の動画を10fpsで撮影して、連番画像に出力すると4200枚になるわけで、
 これを10枚に1枚ずつ取り出すと、1秒1コマになる計算。
・ここだけいい方法が思いつかなかったので、ちまちま手作業で取り出して約420枚に。

●手順4 画像をつなげて動画に変換
・『Windows ムービーメーカー』を使用。
 もっと使いやすいソフトがあると思いますが、たんに合成するだけなので。
・「ツール」→「オプション」→「詳細」で、「画像の再生時間」を「0.125秒」に設定。
・「画像の読み込み」で420枚の画像を読み込み。
・読み込んだ画像をまとめて「ストーリーボード」にドラッグ。
(連番なので、まとめて放り込んでも番号順に並びます。)
・「コンピュータに保存」でwmv形式の動画に変換。

で、できたのがコレ。

インターバル撮影 テスト1(52秒、約8倍速)
(7分の動画を1秒1コマで切り出し、0.125秒/コマで再生)

●手順5 さらにスピードアップ
・「テスト1」だとまだまだのんびりしてる感じなので、
 『Windows ムービーメーカー』で再変換。
・「ビデオの読み込み」で「テスト1」の動画を読み込み。
・動画をストリートボードにドラッグ。
・「ビデオ特殊効果」から「スピードアップ(2倍)」を適用。
・「コンピュータに保存」でwmv形式の動画に変換。

インターバル撮影 テスト2(26秒、約16倍速)
(「テスト1」の動画に「スピードアップ(2倍)」を適用。)

●手順6 コマ数を変えてみる
・「テスト1」は1秒1コマで切り出してますが、
 デジカメのインターバル撮影機能だと「30秒に1枚」から撮っているので、
 もっとコマ数少なくてもいいかも、ということで、
 「手順3 連番画像を切り出す」のところで、
 30枚に1枚、つまり3秒に1コマ取り出してみる。
 7分の動画、4200枚から30枚に1枚取り出すので、計140枚。
・あとは同様に、『Windows ムービーメーカー』で合成したのが「テスト3」。
・「テスト3」をさらに「スピードアップ(2倍)したのが「テスト4」。

インターバル撮影 テスト3(17秒、約24倍速)
(7分の動画を3秒1コマで切り出し、0.125秒/コマで再生)

インターバル撮影 テスト4(8秒、約52倍速)
(「テスト3」の動画に「スピードアップ(2倍)」を適用。)

一番速い「テスト4」がやっぱり一番ダイナミックだと思うんですが、
今度は1時間くらい撮影してみたいですね。

以上、夏休みの自由研究でした。

(追記)デジカメやiPhoneアプリを使った『インターバル撮影に挑戦! その2』もあります。正直、こっちのほうが簡単です。)

月下美人

母が「今夜あたり月下美人が咲く」というのでカメラをかまえて準備。
夜19時ごろに咲き始め、21時ごろには16個の蕾が一斉に開花し、
部屋中、花の香りでいっぱい。
そして夜中12時ごろには下を向き始め、翌朝にはしぼんでいる。
本当に一晩しか咲かない花なのだ。

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18時ごろ。シャーッという感じが食虫植物か蛇みたいである。

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22時ごろ。一斉に咲く人たち。

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みんな咲いててちょっと怖い。お前らの体内時計はどうなってるんだ。
母によると、部屋の中に置いた月下美人も、庭の月下美人も
だいたい同時期に咲くらしい。
ちなみに、満月の夜に咲くというのはただの通説。
昨晩の月齢は19、満月は8月6日でした。

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横から見るとこんなに綺麗。

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22時30分ごろ。一番綺麗に咲いていたのはわずか1時間くらい。

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翌朝。みんなでしょぼん。

コマ撮り動画にしてみました。

本『差別と日本人』

差別と日本人 (角川oneテーマ21 A 100)
『差別と日本人』
著 辛淑玉、野中広務
角川oneテーマ21

元・官房長官、元・自民党幹事長であり、“部落”出身である野中氏と
“在日”である辛氏の対談を中心に、差別とは何か、いかに闘うかを問う。
対談といっても、辛氏の解説部分が多いので、
どちらかというと野中氏との対談をダシに、辛氏が自説を展開している感はある。
解説も一方的な視点からやや感情的に語られている感じは否めない。
それでも、“部落”、“在日”とどちらも重く、手を出しにくいテーマなので、
こういう差別意識が確かに存在しているのだという事実や
歴史的な事件を知るための入門としては読みやすい。

辛氏、野中氏は立場も思想もまったく違うので、
対談もかみ合ってなかったり、政治家として長くやってきただけに
野中氏が本音を言っていなかったりする場面も多々あるのだが、
最後の章で、お互い差別と闘ってきたものどうし、
「闘う上で家族を守りきれなかった」という苦悩を共有しているのは
興味深いところであり、辛いところでもある。

辛氏が言うように、場所があって差別が生まれるのではなく、
差別が先にあって、空間が形成されるのなら、
差別の循環はどうやったら断ち切れるのだろうか。

◆読書メモ

 小泉さんの性格がよく表れていたのが、北朝鮮に行った時、
向こうでお茶一杯飲まないで帰ってきたことだと思うんですね。
野中 お茶飲まない、食べない、それから泊まらない。
全部日本から持っていったものを食べていたようだ。
一切向こうから出されたものは食べないということで徹底しておった。
向こうは共産主義国とはいえ、もともと儒教の国ですよ。
そういう国に行って、おまえが出したものは一切食べんぞと、
こんな失礼な言い方があるかと。そこからこの訪朝は間違っている。


映画『学校の怪談』

劇場版 学校の怪談 DVD-BOX

1995年の公開時に映画館で見ているのだが、
旧校舎を確認したくて、テレビ放映を見始めたらつい最後まで見てしまった。

公開されたときも思ったけど、怪談ブームにのった子供だましの映画ではなく、
以外によくできている。
監督は平山秀幸、脚本はいまや『時かけ』、『サマーウォーズ』の奥寺佐渡子。

あらためて見て思うのはカメラワークがよい。
冒頭、当直の先生(笹野高史!)が電話に出るところとか、
女の子がトイレに消えていくまでとか、
カメラの視点が近づいてくる何物かになったり、
上からこっそりのぞいているようだったり、それだけでちょっと怖い。
テケテケをはじめ、いろんなお化けが目に見える形で
あからさまに現われちゃうと、こちらとしては興ざめなのだが、
当時の怪談ブームを考えると、映像化してあげたほうが子供は喜んだのだろう。

新聞のクレジットに「岡本綾」とあって、「あれ?出てたっけ?」と思ったら、
なんと小学校6年生の香織ちゃん役だった。
岡本綾に関しては、出演作をちゃんと見たことがないので、
名前は知っていても、顔の印象は薄い。
今、調べたら、2007年に引退しているそうで、
そう思うと「私を忘れないでね」という最後の台詞が寂しい。

それから、ヤンキーママ役で杉山亜矢子(『あすなろ白書』の掛井くんの婚約者)
が出ていたのも、今さら気がついたり。

気になっていた旧校舎は、静岡県富士宮市の富士根南小学校。
映画の公開後も使用されていたが、10年ほど前に取り壊されたとのこと。
木造校舎:富士根南小学校

本『カラー図解でわかる ブラックホール宇宙』

カラー図解でわかるブラックホール宇宙 なんでも底なしに吸い込むのは本当か? 死んだ天体というのは事実か? (サイエンス・アイ新書)

『カラー図解でわかる ブラックホール宇宙
なんでも底なしに吸い込むのは本当か? 死んだ天体というのは事実か?』

著 福江純
サイエンス・アイ新書

正直なところ難しくてよくわからなかった。
ただ、ブラックホールというのが、SFの産物ではなく、
天文学ではちゃんと認められた天体なんだなーということはわかった。
しかし、時空領域とか特異点とか重力崩壊とか、ほとんど哲学の世界。

最後の章は、著者のお遊びとして、
ブラックホールを使いこなせるようになった場合の利用法が考察されている。
ブラックホールくずかごとか、ブラックホール発電とか、
ブラックホール破砕砲とか、ほとんどジョークの世界だが、
昔は原子力だって机上の空論だったのが、
原子爆弾や原子力発電を生み出しているのだから、
いつまでも空想ということもないのかもしれない。

◆読書メモ

ブラックホールには毛がない。(ジョン・ホイーラー)

GPS衛星は21000kmの高度を高速で運動しているので、
特殊および一般相対論的な時間の遅れを受ける。
すなわち、GPS衛星に積んだ時計は、
高速で運動する際の特殊相対論的効果によって地上の時計より遅く進む。
また同時に、地上より重力場が弱いという一般相対論的効果によって、
地上の時計より早く進む。これらの両方の効果が相殺した結果、
GPS衛星の時計は地上の時計よりわずかに早く進む。
この時差が蓄積すると、あっという間に何百m何kmもの誤差になってしまう。
そこでその相対論的効果にともなう誤差を補正するために、
GPS衛星の時計は1秒につき0.445ナノ秒だけ、
すなわち1日につき38マイクロ秒だけ遅く進むように調整してあるのだ。

ブロックホールの表面積はかならず増加しないといけないので、
ブラックホールは合体できるが、決して分裂することはできないのだ。

映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』

映画「ハリー・ポッターと謎のプリンス」オリジナル・サウンドトラック

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
at 新宿ピカデリー

久々の洋画大ヒット作だが、見た人の評判はおおむね悪く、
ある程度、納得の上、見に行きました。
これまでのシリーズと同様、原作はちょっと前に読破。
原作自体が、主軸となるストーリーには引っぱっていく力があるものの、
基本的にダラダラ長く、起伏に欠ける。
それをほぼそのまま映画化しているので、やっぱりダラダラと長い。

私はシリーズ3作目の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』が一番好きだが、
ストーリーを大胆に省略しているためか、原作ファンの評価はあまりよくない。
結局、それ以降のシリーズはあちこちカットはするものの、
基本的に原作に忠実な紙芝居となっている。
今回は特に、あのエピソードをカットするのに、このシーンは残すのか、
と構成に難あり。
個人的には双子がハリーに
「恩は忘れない。君はこの店の何でも好きなものを持っていっていい」
というとこは好きだったんだけどな。

クリスマスパーティーのときのルーナの衣装とか
ルーピンとトンクスの関係とか、よく見ると細かいところまで
原作を忠実に再現してるので、もったいない気もする。

主役のハリーと、ますます美しくなったエマ・ワトソンは
ストーリーを追うのがいっぱいいっぱいといった感じで
出演場面が多いわりに印象に残らない。
アラン・リックマンの演技も悪いわけでもないのに、
今回のキーパーソンのわりに弱い。
むしろ今回は、苦悩するドラコ(トム・フェルトン)や
不思議ちゃんルーナ(イヴァナ・リンチ)など、脇役陣の方が魅力的。
原作を読んだときに、あのジニーに恋人役が務まるのか?
と思ったがボニー・ライトは地味ながらなかなかかわいい。
(しかし、ハリーとの恋愛関係はかなり唐突なので、もっと演出がほしいぞ。)
チョウ・チャン役のケイティ・ルングはクレジットの一番最後に名前があったけど
どっかに出てた?

ただ、映像というか美術はすごくよい。
記憶をたどる場面で、水に溶かした黒い絵の具のような染みが
建物に変わっていくところとか、誰もいないホグワーツの講堂とか
前作でカットされた分もロンが大活躍するクディッチシーンとか
校内の暗い回廊とか、あー、これが見たくて、
(それほど好きでもないのに)このシリーズを見続けてるんだなと思う。

生徒たちが天に向かって魔法の杖を掲げる場面はよかった。
このシーンのマクゴナガル(マギー・スミス)の老けぶりが
気になったけど化粧のせい?

残りあと2作。こうなったら毒食わばで最後まで見届けたいので、
次回はもうちょっとストーリーも演出も盛り上げていってもらいたい。


Googleマップのリアルピン見てきました

Googleマップのリアルピンが都内に出現!?ということで、
とりあえず、一番近場の新宿に見に行ってきました。

P1010882b

新南口というとちょっと遠回りなんですが、わざわざ行ってみたところ、
改札のあたりには何もない。
あれ?日にち間違えた?と思ったら、
タカシマヤへ続く通路の入口あたりにありました。

お昼過ぎという時間のせいか、右側の通路を歩いていて気がつかないのか、
目にとめているらしい人はほとんどいなくて、
写真を撮ったり、ビデオをのぞきこんでいる物好きは私ぐらい。
これが何か気がついている人もあまりいないのかも。
でも、Googleマップピンのデザインって、シンプルでかわいくて、
すぐにわかる力強さもあって、優秀だよな。

P1010881b
近くで見ると予想よりも大きい。
窓をのぞきこむと「わたしの好きな場所」について語っているビデオが流れている。
どうせならウェブカメラを仕込んで、のぞきこんだ人の動画がネットで見られるとか、
他の場所のリアルピンにつながってるとか、リアルタイム性が欲しかった。

(追記)
渋谷のも見てきました。
P1010889b

Googleの公式ブログには「センター口」と書いてあったのですが、
「ハチ公口」や「モアイ口」はあっても「センター口」とはどこにも書いていない。
中央改札のあたりをうろうろしたけど、見あたらず、
あきらめて帰ろうとしたら、改札の中にありました。
(しかもハチ公口は1階で、中央改札は3階にあたるので、わかりにくい。)
新宿よりも通行客が多い地点にあるので、
写真を撮ってる高校生などもいて、比較的めだってました。

サマーウォーズに見る、ネットとアニメのコミュニティ論

『サマーウォーズに見る、ネットとアニメのコミュニティ論』というイベントを見た。
実際のイベントは銀座のアップルストアで開催されたのだが、
私が見たのはUSTREAMの中継。
非常に興味深いイベントだったので、銀座まで足を運ぼうかとも思ったのだが、
USTのほうが、『サマーウォーズ』っぽいかなと。

今回のUSTREAM中継でもTwitterからコメントを受け付けていたのだが、
おもしろかったのはTwitterのコメントを会場のモニターにも表示したこと。

Image5
うちのPC環境では画質悪くてわかりにくいと思うが、こんな感じ。
(IDには念のためモザイクかけました。)

Image4
通常のUSTREAM中継だと、PCの前に座っているパネリストや司会者にしか
Twitterのコメントが読めないが、これだと会場のお客さんもコメントを見ることができる。
吹き出しインターフェースなので、コメントのリアルタイム感もある。
このインターフェースはインタラ塾がこのイベントの前にあわてて作成したそうで、
ちゃんと完成したらオープンにしたいと話していたので、楽しみ。

イベント自体は細田守監督の話が中心で、
濱野智史さん、鈴木克彦さんがそれにコメント、
須田和博さんは聞き役というか司会進行という感じで進められた。
内容の方はざっとメモ程度ですが。
(発言者とか発言意図とか勘違いしてるところもあるかも)。

●OZのデザインについて
細田:『マトリックス』的な黒バックのソリッドなネット世界に対して、
白い球体世界をイメージしている。
これは『ぼくらのウォーゲーム』や『SUPERFLAT MONOGRAM』でもやっていて、
『時をかける少女』のタイムリープもネットじゃないけど球体世界。

OZにはいろんな企業が出店しているという設定。
それをちゃんとデザインしたい。
なので広告をわかっているデザイナー、鈴木克彦さんにお願いした。
(監督とは同級生だとか。ちなみに、冒頭に登場する企業のコミュニティーは、
高層ビルが引いていくと観覧車のデザインになっているのがわかる。)

●アニメのコミュニティーとネットのコミュニティーは似てる?
このテーマというか質問は須田さんから出たものだが、それに対して
濱野さんが「これ、すごくやわらかく言ってますけど、つまりは
“アニオタとネットオタは似てるのか”ってことですよね(笑)。
どっちも現実からアニメやネットの世界に逃避してる、
負け組だってことでは共通してますね」とやや挑戦的なコメント。

濱野:今の若い人は“ライトオタク”。「アニメ好きです」という人に
「何を見てるの?」と聞くと、『ハルヒ』くらいしか見ていなかったりする。
岡田さんなんかはそれを「オタク・イズ・デッド」と評した。
YouTubeやニコ動を手に入れてしまった世代は、アニメを見るというより
アニメを通じてコミュニケーションする、アニメ的なものを語りたい。

●ストーリーは自分の経験から生まれているのか?
細田:『時かけ』のインタビューではいろんな人から「いい体験をされたんですね」
と言われたけど、体験してたら映画なんか作らない。
自分の体験からのリソースは何もない。

●高校生が主人公ということで今の高校生を意識したりはする?
細田:打ち合わせしているファミレスなんかで、今の高校生を観察したりはしました。
須田:クドカンさんもファミレスで原稿を書くそうですね。
細田:それ吉祥寺のつぶれちゃったデニーズでしょ。
あのデニーズがつぶれて、困っているアニメ関係者とか
ネームをやる場所がなくなった漫画家とか結構いると思いますよ。
文化的損失だ。

●キャラクター作りについて
細田:たとえスライムがでてきてもどういうスライムか考えながら演出する。

アバターにはそれぞれの人間性みたいなものを反映した。
(このキャラクターならこんなアバターを作るんじゃないかな)

外見とか台詞はただ書けばいいだけ。
重要なのはそのキャラクターのイメージが共通化して、
表に出てこないものも作り上げることで、自然とキャラクターができてくる。
(映画本編には出てこないけど、「この人ならこんな台詞を言いそうだ」
ということを詰めたりする。)

●佳主馬くんをどうしてあんなにかわいくしたんですか?
(これTwitterのコメントからの質問。これ答えて濱野さんが
「ボクっ子だと思って見てたのに本当に男の子で残念。
2回目からは男の子でもいいっと思って見ました」
とネット代表らしいコメント。)

細田:最初は13歳の男の子をオーディションで探したんですが、
それくらいの男の子は収録の時には声変わりしてる可能性がある。
なので、アニメの伝統にならって女性が少年の声をあてている。
僕も演出していて佳主馬はエロいなと。
谷村美月さんが声をあてているけれど、13歳の男の子がやっても
エロくなったんじゃないかと思う。

●声優選びについて
細田:ヒロイン夏季の声をやった桜庭ななみさんは声優経験もなく、
事務所の人にも「うちの子でいいんですか? 特訓していただけるんですか?」
と言われたりしたんだけど、オーディションでこれが夏季だと思える声を選んでいる。
せっかく本人を選んでるんで、かわいくしようとか作ってほしくない。
うまくなられても困るんです。

●『サマーウォーズ』のメタファーについて
細田:アニメの場合、背景でも何でも描きこんでいるわけだから、
意味なく描いているものはなくて、描いているものすべてに意図がある。
今回、一番メタファーといえるのは朝顔。
これから見る人は朝顔に注目してみてください。

などなど。
そのほか、富野監督の「コミュニティーの中心には物語がある」という話や
“ソーシャルグラフ”などの話も出ました。
複数の人がコメントしてるので、深いところまで話がいかず、
まとまりもなかったけど、いろいろおもしろいところをついてました。
『サマーウォーズ』とは直接関係ないんだけど、
ライトオタクたちは本当にアニメが好きなんじゃなくて
アニメ的なものを語る(アニメを通じてコミュニケーションする)のが好きなんじゃないの?
という濱野さんの指摘は挑戦的だけど、考察してみたい話だったり。
(しかし、読み返すと、あまりネットの話をメモってないですね、私)

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関連リンク
月刊インタラ塾 第13回 「サマーウォーズに見る、ネットとアニメのコミュニティ論」
“時かけ”の細田監督がネットとアニメのコミュニティ論を語る
サマーウォーズ監督登場!「月刊インタラ塾」行ってきた

細田守×笠原健治/『サマーウォーズ』対談/シネマぴあ
映画『サマーウォーズ』で考える現代コミュニケーション論

↑イベント中に監督も言ってましたが、『サマーウォーズ』のインタビューというと、
そのほうがわかりやすいのか、“家族”の話が中心になることが多くいのだとか。
今回のようにネットの話はめずらしいそうで、そのめずらしいインタビューのひとつ。
mixiとOZの接点、違い、などがおもしろい。

中国茶荘 田丸

仕事で東日本橋に行ったので、帰りに『中国茶荘 田丸』によってきました。

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もちろんガラスが入っているんだけど、
一見、素通しのように見えて、
暑い日だったのに見た目は涼しげな店内。

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席に着くと、ポットにお湯を沸かしてくれます。

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中国茶の茶器ってかわいいよね。
茶葉の香りをかいでから、目の前でお茶を入れてくれます。
「何煎も出るので、いっぱい飲んでいってくださいね」と言われました。

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割包(カーポウ)。こっちもおいしかったです。

ゆっくりお茶を飲む時間くらい、ちゃんともちたいと思うのです。

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