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本『差別と日本人』

差別と日本人 (角川oneテーマ21 A 100)
『差別と日本人』
著 辛淑玉、野中広務
角川oneテーマ21

元・官房長官、元・自民党幹事長であり、“部落”出身である野中氏と
“在日”である辛氏の対談を中心に、差別とは何か、いかに闘うかを問う。
対談といっても、辛氏の解説部分が多いので、
どちらかというと野中氏との対談をダシに、辛氏が自説を展開している感はある。
解説も一方的な視点からやや感情的に語られている感じは否めない。
それでも、“部落”、“在日”とどちらも重く、手を出しにくいテーマなので、
こういう差別意識が確かに存在しているのだという事実や
歴史的な事件を知るための入門としては読みやすい。

辛氏、野中氏は立場も思想もまったく違うので、
対談もかみ合ってなかったり、政治家として長くやってきただけに
野中氏が本音を言っていなかったりする場面も多々あるのだが、
最後の章で、お互い差別と闘ってきたものどうし、
「闘う上で家族を守りきれなかった」という苦悩を共有しているのは
興味深いところであり、辛いところでもある。

辛氏が言うように、場所があって差別が生まれるのではなく、
差別が先にあって、空間が形成されるのなら、
差別の循環はどうやったら断ち切れるのだろうか。

◆読書メモ

 小泉さんの性格がよく表れていたのが、北朝鮮に行った時、
向こうでお茶一杯飲まないで帰ってきたことだと思うんですね。
野中 お茶飲まない、食べない、それから泊まらない。
全部日本から持っていったものを食べていたようだ。
一切向こうから出されたものは食べないということで徹底しておった。
向こうは共産主義国とはいえ、もともと儒教の国ですよ。
そういう国に行って、おまえが出したものは一切食べんぞと、
こんな失礼な言い方があるかと。そこからこの訪朝は間違っている。


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