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映画『アマルフィ 女神の報酬』

『アマルフィ 女神の報酬』 at 新宿バルト9

思っていたよりずっとおもしろかった、というのが正直な感想。

この作品のウリのひとつがオール海外ロケ、だと思うが、
こうした映画の多くが安っぽい観光映画になりがちなところ、
スペイン広場やコロッセオ、ヴァチカンなど観光地はガンガン出てくるものの
背景のひとつとして扱っているところが潔い。
(本作の企画・プロデューサー大多亮が製作した
『冷静と情熱のあいだ』とか古いところでは『バースデイプレゼント』とか、
映画的な絵を撮ろうして、かえって安っぽくなってました。)

海外の人が日本を撮るとアジアのどっか違う国みたい見えて、
日本映画が外国を撮ると狭苦しく見えるのはなぜなんでしょうね。
路地の写し方とか、どうにも窮屈でスケール感に欠ける。
そして、なによりデジタル撮影のせいだと思うが、
夜のシーンのノイズが非常に気になりました。
オープニングとラストが夜のイタリアの街だから特に気になる。

織田裕二は、おじさんになっていてびっくり。
テレビも含めて、最近の出演作をあまり見てなかったし。
そしてしばらく見ないうちに、黙ったまま、
顔だけで語れる役者になっていてちょっと感心。
佐藤浩市と向かい合っていると、
『素晴らしきかな人生』では、浅野温子を挟んで、元夫と若い恋人、
って関係だったのに、すっかり同年代の役者になったなーと。

天海祐希は綺麗だけどいささか能面っぽい。
織田裕二演じる黒田が、なぜ彼女に協力しようと思ったのか、
天海祐希がどのへんから黒田に心を許したのか、
ほとんど説明なしなんですが、そういう全く甘くない関係が
この2人の場合、悪くない。

外交官という役もちょっとうそっぽいんだけど、
描かれているのが外交官の日常なので、比較的リアルに見える。
しかし、佐野史郎、小野寺昭、大塚寧々、伊藤淳史、戸田恵梨香、
という面々は、まったく日本大使館のスタッフに見えませんね。
豪華キャストといえば聞こえはいいけど、テレビの新春スペシャル並みだし。
(そういえば大塚寧々は『相棒』のスペシャルで、
子供を誘拐された美しい母、という今回の天海祐希みたいな役をやってたな。)

サラ・ブライトマンの『Time To Say Goodbye』は好きな曲なんだけど、
日本でこの曲はほとんどCMソング的な扱いをされているので、
カゼルタ宮殿のコンサートシーンも、
製作側は豪華で重厚な感じをねらっていたかもしれないが、
なんだかコマーシャル映像っぽい。
せっかく登場するサラご本人も、おばさんになったなーと。
あ、でも、この曲をバックに、犯人たちがドレスアップして
登場するところは好きだ。

サスペンスに関しても、
その目的のために、そのトリックは遠回りすぎませんか?とか、
(監視映像に細工するにしても、動画から人を消すのは大変、
監視カメラは基本、定点撮影なんだから、消したいものが映っている部分を
カットして、前後をつなげるなら素人のビデオデッキでもできる)
オチが『相棒 劇場版』とほぼ同じじゃないか、とか
イタリア、特にアマルフィが舞台の意味ひとつもないよね
(ロケ地をまるごとフランスにしても成立する)
とか、いろいろ苦情はあるのですが、
見終わってみたら、意外とおもしろかった。

そして、お金をかけて、海外ロケをして、
ちゃんとオリジナルのサスペンス映画を作れて、
それがヒットしたというのは今の日本映画にとって
とってもいいことだと思うのだ。
(何億もかけたハリウッド映画がまったく振るわず
『余命1ヶ月の花嫁』や『ROOKIES-卒業-』や『ごくせん』
ばかりがヒットする、今の状況については
いろいろ思うところありますが、それはまた。)

アヴェ・マリア〜サラ・ブライトマン・クラシックス〜
『アヴェ・マリア~サラ・ブライトマン・クラシックス~』
実はCDを持ってたりする。
『Time To Say Goodbye』は別れの曲じゃなくて、
「さあ出航しましょう」という旅立ちの曲だから、
結婚式なんかにもあうんじゃないかと思うが、
さすがに披露宴で聞いたことないな。

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