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本『ニコニコ動画が未来を作る ドワンゴ物語』

ニコニコ動画が未来をつくる ドワンゴ物語 (アスキー新書)
『ニコニコ動画が未来を作る ドワンゴ物語』
著 佐々木俊尚
アスキー新書

ドワンゴ創業からニコ動リリースまでを追ったドワンゴ社史。
ドワンゴってニコ動のイメージが強すぎて、それ以前って
たしかケータイゲームや着メロの会社だったんだよね程度の
認識しかなかったんだけど、読んでみてびっくり。

PC-9800対応のシューティングゲーム『Super Depth』を作った
ゲームクリエイター集団『Bio_100%』、
彼らのベースであった草の根BBS『STUDIO☆FEMY』、
ソフト流通企業『ソフトウェアジャパン』、
LinuxのCD-ROMを販売していた秋葉原のショップ『Laser5』、
ソフト開発会社『ランドポート』、
ドリームキャストのレースゲーム『SEGA RALLY 2』、
ケータイゲーム『釣りバカ気分』、
着メロサイト『いろメロミックス』、GACKTの着ボイス、
ドワンゴを創ったメンバーたちの歩いてきた道は
そのままPCとインターネットの歴史である。

メンバーのひとり太田がランドポートを辞めて立ち上げた
ソフトウェア会社『アンリアル』は、
たしかMP3ソフトを販売していた会社だ。
現在の『Windows Media Player』や『iTunes』のような
CDからmp3を作成できるようなソフトはまだなく、
リッピング、エンコード、コーデック、再生に
それぞれ専用ソフトが必要だった時代で、
『アンリアル』はかなり早い時期に、音質のいいコーデックを搭載した
市販MP3ソフトを日本で販売した記憶がある。

『釣りバカ気分』かどうかは定かでないが、
iモードの釣りゲームに隣りの席の同僚がハマって、
糸を引くたびにケータイが鳴ってうるさかった覚えがある。

なんていうか、ここ10年くらいの自分のPC歴をさかのぼると、
そのどこかにドワンゴという会社が関わっているのだ。

ドワンゴという会社名からして、
DWANGO(Dialup Wide Area Network Gaming Operation)
というアメリカのネットワーク対戦システムの名前で、
国内総代理店であるソフトウェアジャパンが倒産したため、
マイクロソフトのDirectXエヴァンジェリストチームが
苦肉の策として、ドワンゴジャパンを設立した、というのだから驚きだ。

 ゲームに勝つためには、とにかくロジックを磨かなければならない。
 ロジックが必要なゲームジャンルは、シミュレーションだけではない。
 一見、たんなる反射神経だけが必要なように見える
 アクションゲームであっても、ゲームの応答性を計算し、
 インターフェースをどう利用するのかといった知恵を絞る必要がある。
 そうした要素を全部計算して挑むのがゲームだ。
 WarCraftやAge of Empireなどのストラテジックアクションゲームなんかは
 その典型で、瞬発性と判断力を同時に求められる高度なロジック能力を
 駆使しなければならない。
 だから「廃人」であっても、ゲームをやり込んでいるヘビーゲーマーだったら、
 きっとそういうロジックの能力があるし、ロジックが極限まで鍛えられているはずだ!

という理由でゲーマーを会社に引き入れて、
プログラミング開発をやらせてみるところもおもしろい。

しかし、ケータイゲームと着メロで一時代を築いたドワンゴも
着うたの出現によって、壊滅的な打撃を受ける。
変化の速いIT業界の中では、安泰な企業なんてない。
ある時期のトップメーカーが次の時代には消えていることなんてザラ。
その荒波の中でドワンゴは次々と変遷していって、
生き残るための苦闘から生まれたのがニコニコ動画だったという訳だ。

肝心のニコニコ動画については最後の方に誕生の経緯が
簡単に書かれているだけで、タイトルの『ニコニコ動画が未来を作る』
に期待して本を買ったニコ動ファンにはもの足りないだろう。
ドワンゴの昔話に自分との接点を見出せないとおもしろさも半減するので、
若いPCユーザーがどこまで共感できるのかも疑問。

多くのドワンゴ関係者へのインタビューがもとになっているということで、
『グーグル誕生』や『闘うプログラマー』のような
群像ドキュメンタリーとしてのおもしろさもあるが、
たくさんの人が入れ代わり立ち代わり出てきて、
それぞれの個性がはっきりしないので、区別がつかないのも惜しい。
それでも、シリコンバレーだけでなく、
日本にもこんなベンチャー企業物語があったんだと
認識させてくれた熱いストーリーである。

今いちばんおもしろいメディアは『ケツダンポトフ』な件

『ケツダンポトフ』のそらのさんを認識したのは、
例によってiPhone 3GSの発売前夜(6/25)の中継。

iPhone 3GSは私の周りでも事前予約している人が多く、
初代iPhoneのときのような長い行列はできないだろうと予想されてました。
それでもニュースサイトや新聞などのメディアは、
行列しているところを写真に撮りたがる。
そんな中、彼女は行列に並ぶ自分をUstreamで中継し続けました。
私の会社でも、「誰、これ?」、「ねばるね、この女子」と話題になり、
夕方~発売開始の朝まで12時間以上、視聴者数は1300人を超えました。
行列に並んでいる人にインタビューしたりするのではなく、
行列に並んでいる姿をそのまま中継する、
これはiPhone 3GS発売前夜というイベントにおいて、
一番エキサイティングな報道だったと思います。

そらの@決断ポトフ、表参道から「iPhone 3GS」行列を中継!
表参道からストリーミング中のそらの@決断ポトフに取材が!
iPhone 3GS行列 ライブ中継1500人同時視聴ってすごい時代。
iPhone 3GSの表参道行列を生中継!

その後も、彼女はお買い物をしたり髪を切ったりという日常生活や
インタビュー(彼女がインタビューする側の時も、される時も)、
イベントを“ダダ漏れ”し続けました。

最近の中継で良いなーと思ったのは
セカイカメラから見た東京の街をダダ漏れ散策してきました
渋谷から電車に乗って秋葉原で降りて、りなカフェまでを
セカイカメラの映像を写しながら、ずーっと中継。
(録画映像は秋葉原を降りてから)
渋谷と秋葉原のタグの違いとか、電車の窓の外を飛んでいくタグとか、
「セカイカメラで見える景色が変わる」というのを非常にうまく伝えていました。

それから、CEATECの中継もうまい。
CEATEC JAPAN 2009 をダダ漏れしてきました
東芝の『CELL REGZA』の説明をそのまま配信したり、
(カメラを意識しだしてお兄さんがちょっと緊張している)
歌う初音ミクの映像はちゃんとセカイカメラと同時中継
(そらのさんの腕は何本あるんだ)。
さらっと中継してますけど、すごくわかりやすい。
これ全部(エンコードとかアップロードは違うかもしれないけど)
取材もカメラも、そらのさん、ひとりでやってんですよ。
CEATECは、ほかのブログやニュースサイトでも動画を配信してますが、
もう、当日に生中継するか、その日のうちに動画をアップするくらい早くないと
ニュースとしては意味がない時代になったなーと思いました。

もちろん“ダダ漏れ”が「そのまま中継してるだけなのにおもしろい」のは、
そらのさんのキャラクターも大きい。
小学館の編集部を取材しながら、「あ、傘忘れてきちゃった」とつぶやいたり、
「このバナナ食べれるんですか?」、「さしあげますよ」、
「えー、いいですか? ありがとうございます」って食べ始めたり、
りなカフェで「設定を変えるので、しばらくまたオレンジジュースを
見ていてください」と言ったり、
Twitterで上司に向かって「今すぐ電話に出てください」と呼びかけたり、
「ダイソンのえーっと名前忘れちゃった、扇風機のダダ漏れでした」とか、
「すごく軽いです。キャベツより軽い」とか。
そのユニークさと大胆さがおもしろい。

で、新政権になってから、“記者クラブの解放”が
ネットの話題になっていたわけですが、
『ケツダンポトフ』も記者会見の取材を申し込んでいて、
Twitterではその進捗状況が報告されていました。

 【亀井静香さん金融庁記者会見の結果】参加資格はどこかの媒体に
 記事を書いている実績があること。ケツダンポトフがある意味媒体です
 と話すと詳細をメールしてくださいとのこと。検討して問題なければ
 記者登録して次回からお知らせくれるそうです。とにかくメール!
 11:44 AM Oct 9th webで

これ読んで私はケツダンポトフが媒体として認められないんだったら、
いったい何が媒体なんだと思ったのですが、
取材許可はちゃんと下りて、本日、
亀井大臣の記者会見ダダ漏れが中継されたわけです。

亀井大臣の記者クラブ非加盟者向け記者会見をダダ漏れしてきました

実際の記者会見自体は、ダラダラというか、
偉い人の冗談に笑ってみせる取材陣とか、
ラフというか、偉そうな亀井さんとか、
ていねいな言葉だけど、「本日は行事のため10時55分までです」と
最初に念を押されたり、
あー、記者会見ってやっぱりこんな感じなんだなーと思ったわけですが、
そういう雰囲気がちゃんとわかる、ということだけでもすごい。

中継禁止ということで途中で配信ストップしてましたが、
待合室で待ってる時の緊張感や、
会見が終わってすごい勢いで退席させられたりってとこもリアル。
そらのさんが大臣に質問したところで、Twitter上では
「がんばれー」みたいなメッセージが送られていて、
なんていうか、ひとりのジャーナリストの成長を見た気分でした。

ケツダンポトフ自体が手探り状態な感じなので、
今後もこういう中継が続くかどうかはわかりませんが、
ネットにおける報道のあり方、新しいメディアの誕生として、
そらの@ケツダンポトフの存在意義は大きいと思います。

本『ツイッター 140文字が世界を変える』

ツイッター 140文字が世界を変える (マイコミ新書)

『ツイッター 140文字が世界を変える』
著 コグレマサト、いしたにまさき
マイコミ新書

今年に入って再ブレークし、ユーザー増加中のTwitter。
夏以降、急上昇でメディアの注目も集めており、
今後、Twitterとは何か、Twitterで始めるネットビジネスとか、
Twitterでつながる私たち、みたいな本がポコポコ出てくるにちがいない。
その先鋒を切るのがこの本。
こういう本は最初に出したほうが売れるから、
わずか2ヵ月で制作されたらしいが、
著者が『ネタフル』、『みたいもん!』と人気ブロガーの2人だから、
急ピッチで作ったわりには、よくまとまっていると思う。
(あと著者のフォロワーが多いと宣伝もしやすいよね。
実際、ここ数日、Twitter内でこの本のタイトルをよく見かけた。)

Twitterはシンプルなわりにおもしろさを伝えにくいので、
2009年再ブレークの背景を春先から夏まで時系列で追いかけ、
「当選確実なう」、「ヒウィッヒヒー」などの話題を紹介する
という方法は正解だろう。ここ最近の盛り上がりを追体験できる。
そのほか、Twitterがオープンであることの意味や、
フォロー、アンフォローの気軽さ、使い方は人それぞれで、
同じタイムラインは二つとしてないこと、
ビジネスの活用事例(即お金にはならないよということも含めて)など、
Twitterとは何かをうまくまとめている。

ただ、Twitterをすでに楽しんでいる人には機知のことであり、
Twitterをまだ初めてない人にとっては、
本を読んだところでどれくらい伝わるのかなという気もする。

一番おもしろいのは著者(いしたにさんの方かな)の考えが
はっきり示されている最終章で、Twitterとは、
「情報を出していく人がより面白いことになっていく社会」の
テストケースだという。

 われわれが好むと好まざるとにかかわらず、われわれの生活の情報は
 この先どんどんログとして半ば無意識的に取得されていきます。
 だから、どうせ情報を取られてしまうのだから、むしろ自分から積極的に
 情報を出していって、そのリターンを受けられる状態に持っていった方が、
 この情報が氾濫する社会にいる個々人にとっては、より面白いことが
 起きやすくなる状態になるのではないかと私は考えているのです。
 社会がそういう方向に向かった場合、情報を出している人と
 出していない人の間に、どんどん天地の開きがついていくことは
 言うまでもありません。そういった社会に向かう一つの
 テストケースとしてツイッターを捉えています。

 あなたの見ているツイッターは、あなたのツイッターでしかないし、
 他の人のツイッターも、その人のツイッターでしかないのです。
 もちろん、それが文化的に見た際には、ツイッターというサービスの
 豊かさを形づくっている理由でもあることは言うまでもありません。

私的には『ケツダンポトフ』のそらのさんの以下のポストが
非常に名言だと思ってるんですが、上の文書はそれに近いですね。

 最近よく聞かれる「twitterっておもしろいの?何が?」 
 私「おもしろいよ!理由はわからない」 
 Aさん「わたしでも楽しめるかな!?」 私「わかんない」 
 Aさん「なにそれ。。」 私「だって見えるものが全然ちがうから」
 8:52 PM Sep 7th webで

そして、本の最後に14年前に書かれた八谷和彦氏の文章が紹介されている。

 「私がいまここにいること。きみがいまそこにいること。
 知らない人の日々の生活を深く知ること。
 プライベートとパブリックの間を軽く飛び越えること。
 自分と他人の境界をあいまいにすること。
 それぞれの人生が尊く置換不可能であることをあえて知ること。
 理解不能な他人を愛すること。
 不用意で軽率な行為、それを楽しむこと。
 メガ日記が確認するものは、おそらくそういったものです。」

「Twitterは技術ではなく、人間性の勝利」とは
創業者のひとりビズ・ストーン氏の言葉だが、
インターネットがもともと持っていた可能性を
Twitterはシステムによって実現し、
それが今、受けている理由だと思う。

iPhone設定 クラウドサービスと連携

続きです。

●Remember The Milk
公式アプリがありますが、有料になってしまうので、
無料アプリ『Milpon』を使用。
期限切れタスクが14とかってメニューに表示されちゃうのは
ちょっと悲しくなりますが便利。

Img_0011
「買い物」(というか「いつか買いたいもの」)リスト


●Evernote
噂の『Evernote』を導入。
ウェブ版、PC版、iPhone版で連携できます。
表示がやや重かったりしますが、もうすぐ日本語対応も進むということなので。

とりあえず、今まで『Remember The Milk』に入力していた、
行ってみたいお店リストをまとめてみました。

1.まず、ウェブ版『Evernote』に登録。
『Evernote』
http://www.evernote.com/

2.『Firefox』のアドオンを導入
『Evernote Web Clipper』
https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/8381

3.サイトから切り取りたい情報を選択して、ツールバーのボタンをクリック。
Image3


4.テキストを選択して右クリックで送ることも可能。
Image5


5.『Evernote』ウェブ版で見るとこんな感じ。
Image6
サムネイルのテキストは文字化けしますが、クリックするとちゃんと読めます。


6.『Evernote』iPhone版で見るとこんな感じ。
Img_0013
タグつけて管理。

Img_0012
電話番号だけでなく、住所もGooglマップとリンクされるといいと思いますが、
それは今後に期待。

そのほか細かい使い方はこちらを参照
Evernote:iPhoneがあなたの脳になる!

iPhone設定 グーグルサービスと連携

iPhoneの設定おもしろすぎて、これだけで連休が終わっちゃいそうです。
とりあえず、今のところの設定を覚え書きとして。
(アプリもいっぱいありますが、今回はなるべく基本アプリを使う方向で設定。)

iPhoneを買った大きな理由が、GmailやGoogleカレンダーなど、
PCで使っているサービスをiPhoneで持ち出したい、というのがありました。
今までもケータイで会社のメールやGoogleカレンダーをチェックしたりしてたんですが、
iPhoneならそれがさらにスムーズになるはず。

●Gmail
まあ、これは基本アプリの『メール』でOK。
「設定」→「メール/連絡先/カレンダー」→「アカウントを追加」→「Gmail」で設定
(IMAPを設定することもできるけど、今回は必要ないのでパス
iPhone または iPod touch に対して IMAP を設定する方法

・エクセルの添付ファイルなども確認できるGmailですが、
日本語テキストファイルは文字コードによっては文字化けしますね。
その場合は、『Safari』でモバイル版Gmailを見たほうが楽。
モバイル版Gmail
http://gmail.com

・モバイル版Gmailでも添付ファイルが表示されない場合は、
一番下の「Gmailの表示形式」から「PC」に切り替えて、
添付ファイルの「表示」で見れます。
iPhoneで読めるメール添付ファイルあれこれ


●Googleカレンダー
iPhoneの基本アプリ『カレンダー』とGoogleカレンダーを同期するには
いくつか方法があるようですが、今回はGoogle Syncで。
私はGoogleカレンダーを色分けするため、複数のカレンダーを使ってますが、
それもちゃんと同期されます。
iPhoneとカレンダーを同期 Google Syncを試す
(『iTunes』の設定って何もしなかったけど、大丈夫でした。)


●Googleマップ
iPhoneで「すげー」と思ったことのひとつが、メールや連絡帳の住所をクリックすると
マップが開かれること。これ、すごい便利。
今まで、行きたいお店があった場合、住所とGoogleマップのリンクを
ケータイに送信していたのですが、今度からは住所だけメールしておけば、
自動でリンクになるはず。

基本アプリ『メモ』に住所をコピペしておいてもOK。

Img_0006
『Safari』から住所部分をコピペして『メモ』に貼り付けると、
住所と電話は自動的にリンクになる。

Img_0007
リンクをクリックするとマップが起動してピンが落ちてくる。
「おーっ」って感じです。

そのほかのGoogleサービスもモバイル版があるので、
ブックマークしておく。
(iGoogleだけでもブックマークしておけば、そこから他のサービスに飛べます。)

Img_0010
●Googleリーダー
http://www.google.com/reader/i/

Img_0009
●iGoogle
http://www.igoogle.com

本『究極のテレビを創れ!』

究極のテレビを創れ! ~感動に挑む絵づくり職人たち (テック・ライブ!)
『究極のテレビを創れ! 感動に挑む絵づくり職人たち』
著 麻倉怜士
技術評論社

5年くらい前だと思うけど、電器店の売り場で何台も
液晶テレビをチェックしたことがあって、
そのときは「白っぽい」、「赤や緑の色が正確じゃない」という印象だった。
現在、液晶テレビは驚くほど綺麗になった。

ブラウン管の画質をいかに手に入れるか。
この本は、液晶とプラズマの高画質への取り組みを
現場インタビューを通して追ったものである。

コントラストが低い、視野角が狭い、残像が多い、
液晶テレビの画質をどうやって改善するか。
液晶の場合はLEDバックライトが、
プラズマの場合はワッフル構造がひとつの答えだった。

液晶の「黒が浮く」のはなぜか。
その解決策に取られた技術はどういうものか。
わりと難しい話が麻倉さんの文章でかなりわかりやすくまとめられている。
なにより、現場のエンジニアたちの熱い想いが語られているのがよい。

現在ではさらに進んで、映画なのかスポーツ番組なのか、
何が映っているのか、昼なのか夜なのか、どんな環境で見ているのか、
といったことを判断して色を自動調整したり、
作品に込められた意図を判断して、
コントラストを調整したりするところまで技術は進んでいるらしい。

後半はポスト液晶時代の有機EL、
画素数をアップコンバートする超解像、4K×2K、3Dテレビ、
2025年の開始を想定しているスーパーハイビジョン
(解像度7680×4320)など、これからの話。

3D画質の問題として書割現象(奥行き方向にある物体が、
舞台の大道具のように、平面的に、重なって見える現象)
というのがあるそうで、『センター・オブ・ジ・アース』の3D映像が
「背景映像の手前に人物を配置した、飛び出す絵本みたいだ」
と思った私としては納得。

そのほか、現在のハイビジョンが人間の視覚特性を研究して、
人が2次元の映像から臨場感を感じる条件として、
「広い視野」と「たくさんの画素情報量」が必須ということで
16:9のワイドスクリーン、1920×1080の画素数の
スペックが考案された話とかおもしろい。

最近の私のお気に入りはNHKの『ローカル鉄道の旅』なんだけど、
会社のテレビで地デジ放送を見たら、風になびく草のひとつひとつ、
川面に反射する光、夜の鉄橋に流れる霧まで映っていて、
「あー、これ撮影したの暑い日だな、光と緑の感じからすると初夏?」
みたいに温度まで感じられて、臨場感ってこういうことかと思ったりしました。

また、絵づくりや画質チェックのための
リファレンス映画としてあげられているのが、
『パニックルーム』、『ヒマラヤ杉に降る雪』、
『あの頃ペニー・レインと』のチャプター2。
『ヘアスプレイ』のチャプター4、
『ジャスミンの花咲く』、『善き人のためのソナタ』など。
『きみに読む物語』の冒頭シーンが「リッチな色とコントラスト再現力
が要求される」なんて見方はなかなか新鮮。


◆読書メモ

「ラストチャンネル機能があるので、すべて電源を切る直前のチャンネルが
同時に出るはずなのですが、100台のうち1台だけ違うチャンネルが
映っていることが、よくありました。不思議なことに5台、10台では
出てこないのですが、100台ぐらい見るとなにかしら不具合が出てくるんです。」

アメリカ映画「きみに読む物語」の冒頭の川のシーン。川岸はほとんど
暗黒の世界なのだが、でもよく見張ると、うっすら明るい部分がある。
輝度レベルで言えば1%ぐらいの差でしかない。従来であれば、
液晶は全体に黒が浮くので論外だが、プラズマであってもこの部分は、
黒に落ち込んだり、階調ノイズが出たりして、なかなか満足できる表現を
見ることができなかった。

「フィルターで黒の感動を再現したい。大事なのは黒側の色目です。
それには一番、視感度の低いブルー寄りにすると、人の目では、
さらに黒く見えることを発見しました。黒味に青が少し入ると、
濡れた黒になりました。」
「中学生の子供が夜の絵を描いていました。夜空に星があって、
そのまわりを何色で塗るかなと見ていたら、青色で塗っているんですねえ。
で、その青から次第に黒に塗っていく。星は金色で塗り、そのまわりを
深い青で塗り、もう少し離れるとさらに濃い青にして、次第に黒になっていく。
すると、“透き通った濡れた黒”って感じが見事に描かれたんですよ。」

絵づくり用のリファレンス映画はどう選ぶのか。
「被写体深度の浅い映像が多い映画を選ぶことです。そんな映像では、
対象物にしっかりとフォーカスが当てられ、監督の意図が容易に識れます。
この監督は対象をどのように見せようとするのかを、物語の展開に沿って
理解していきます。」

「結局、テレビはどこまで行ってもツールでしかありません。
感動を与えるのは結局コンテンツだというところに、ある時点から
発想を切り替えたんです。そのためには、良質な作品をたくさん観て、
『いい映像とは何か』を知らないといけない。」

「たとえば、『赤い勝負服』なら、それを着ている人が
どういう勝負をするのかを理解しなければならない。
ストーリー全体におけるそのシーンの意味がわからないと、
服の赤と背景のバランスをどう取るべきかが見えてこないからです。」

「アルファ波はSD(720×480画素)よりフルHD(1920×1080)を
見ている時の方が遥かに多く出ます。しかし、もっともたくさん出るのが
4K×2Kです。4K×2Kは、人類の幸福のために絶対に必要な映像なんです」

(4K×2Kで)大いに注目を浴びているのがロサンゼルスの
レッド・デジタル・シネマカメラ社のレッド・ワン(Red One)である。
最近ではスティーブン・ソダーバーグ監督のドキュメンタリータッチの
『チェ39歳 別れの手紙』『チェ28歳の革命』が全編、レッド・ワンで撮影された。

「レッド・ワンは映画制作の文脈にあっている。
フィルム同様のポストプロセスで作り込みできるので、
映画人が使いこなせるのです。フォーカスと露出、構図を合わせて撮影し、
現像してから、カラータイミング(色変更)などの後処理をして作品に
仕上げるというのがフィルムの制作プロセスですが、レッド・ワンの場合も
撮影したフィルムを“現像”し、後はカラー・グレーディング(色、階調処理)で
映像を作っていく過程は、フィルムの世界とまったく同一なのです」

ハローキティのiPhoneケース&保護シート

iPhoneを買って、最初にやったことはiPhoneケースの注文。

iPhoneの洗練されたデザインはみなさん絶賛するところですが、
持ち歩いて使うものなのに、傷や指紋が気になるってのが難点。
今までのケータイだったら、バックに放り込んだり、ポケットにつっこんだりできるのに、
iPhoneでそれをすると壊れちゃいそうな感じで。

で、iPhoneの価格を調べると同時に、iPhoneケースもチェックしました。
革製のものから、シリコンジャケット、カラフルなものまでいろいろありますが、
AppleStore限定の「Power Support's Hello Kitty Air Jacket for iPhone」にしました。

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iPhoneケースのパッケージにダイヤル電話のイラストってとこがいいですね。

私は全然キティラーじゃなくて、どっちかっていうといい年してキティなんて
と思うタイプなんですが、このキティはなんかオモチャっぽくて
iPhoneが最新のデジギアじゃなくて、昔の筆箱みたいになるのが気に入りました。
ホワイトのiPhoneを選んだのもこのケースを使うため。
どうせなら、徹底的にオモチャとして使おうと。

ベースはパワーサポートのAirジャケット。
普通のAirジャケットが2280円で、キティ版が3480円だから、
キティの値段は1200円か。(と、また計算してしまう。)

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意外と箱もかわいかった。

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よく見ると黒い部分にもイラストが。

クリスタルとアンチグレアの保護シート2枚も付属。
しかし、貼り方の説明書とか一切なし。
サイトにはちゃんと説明があるんですが。
Airジャケットセット kitty case for iPhone 3G/iPhone 3G S

保護シートはiPodのときに苦戦したので、
今回は液晶保護シート貼り方講座(VAIO type P)を参考にしました。

このキティ、いかにもレトロですが、新しいシリーズか何か?
と思ったら、今年はハローキティ誕生35周年なんだそうです。
最近はピンクを貴重にした3Dっぽいキティを見かけますが、
昔、モノトーンのキティとかあったよな、と調べたら1987年のシリーズでした。
世代的に昔のキティのほうがやっぱりほっとするかも。


35th Anniversary Hello Kitty Design History
ハローキティ35年のデザインの変遷を追ったサンリオ提供のムービー。

iPhoneって結局いくらなのか

iPhone 3G S 買いました。
仕事で1週間くらい借りてたんだけど、あまりに便利なので、
これはもう必要なプラットフォームなのかなと。

購入にあたり、当然、本体価格や毎月の維持費をチェックしたんだけど、
これがもう本当にわかりにくい。ケータイの価格って一種の詐欺だと思う。
一応、自分的にまとめてみる。
(複雑になるので、32GB一括購入の場合のみ。買うなら32GBだし。)

結局のところ、「iPhone for everybody キャンペーン」とは、
●2年縛りを条件に、
・本体価格を80,640円→69,120円に値下げ、
(※現在さらに32GBが57,600円、16GBが46,080円に値下げ中)
・パケット定額フルの上限を5985円→4410円に値下げ
するもので、それ以外のなにものでもない。
●一括で買っても、分割で買っても、本体価格は69,120円。
(一括で買っても、月月割は適用される。)
●2年たったら、パケット定額フルの上限がいきなり5985円に上がるわけではない。
(というか、2年後ってもう新機種出てるだろうから、
2年後にどうするかなんてそのとき考えればいい話。
契約解除料(9,975円)も7ヵ月使えば、パケット定額フルの分だけで元がとれる。)

毎月の維持費がまたややこしい。
基本料金プラン 
 ホワイトプラン 980円/月
パケット料金
 S!ベーシックパック(i) 315円/月
 パケット定額フル 1029円~4410円/月
月月割 -1920円/月

ということで、これを合計してみると、
月額料金は、最低404円~最大3785円になるはずだが、
ソフトバンクの月額料金シミュレーションでは、980円/月~となっている。

Soft01

この576円の差は何?と思ったら、下の方に小さく書いてありました。
○8月19日より、基本使用料は月月割の対象外となりました。
つまり、基本使用料(ホワイトプラン980円)は割引対象外。
パケット料金(S!ベーシックパック(i)315円+パケット定額フル最低額1029円)
だと合計1344円で、まだ576円割引額が残ってますが、
○月月割対象の合計金額が月月割額(上限)よりも少ない場合には、
  月月割対象合計金額のみ割引となります。
なので、この576円は割引されない。
結論として月額は最低でもホワイトプラン分の980円がかかります。

(ソフトバンクは本体の実質負担960円×24回(23,040円)って宣伝してるけど、
あれは宣伝のレトリックだよな。
本体69,120円の24回払い、2,880円/月-月月割1920円=960円
なんだけど、実際のところ月月割は本体価格には適用されないんだから。)

まとめると、iPhone 3G S 32GBは
本体価格 69,120円(※現在57,600円)
月額料金 最大3785円

ってことになります。
(パケットなんてすぐに使っちゃうから最低980円はあまり考えなくていいと思う。
むしろ、月月割の限度額までめいっぱい使うなら、
パケット料金は1029円+576円=1605円まで使ったほうが得なはずだけど、
まあ、そんな計算なんてしながら使わないので。)

もうひとつめんどうなのが、割引・オプションサービス。
Wホワイト 980円/月
基本オプションパック(i) 498円/月
ソフトバンクショップでも、ヨドバシカメラなどの量販店でも、
「強制的に」このオプションがつきます。
iPhoneを電話として使うわけではない人にとっては、
通話料の割引や留守番電話なんて必要ないんですが。
ネットでググると、このオプションを断わろうとして、
店ともめたケースなんかがいっぱいひっかかります。
めんどうな人はソフトバンクオンラインショップでiPhoneを買えば、
このオプションを最初から外せます。
たいていの人は、量販店で買って、あとからオプションを解除してるようです。
(この場合、「料金プランの変更」にはあたらないので、
キャンペーン適用の解除にはなりません。)

私の場合はポイント目当てで、ヨドバシカメラで購入しました。
(一括購入の場合、10%のポイントがつく。)
あまりにも事前予習をしたため、「わかってますよ」という顔をしていたのか
お店のお姉さんもほとんど説明をスルー。
(条件の説明とかはちゃんとありましたけどね。)
Wホワイトと基本オプションパック(i)については
「不要な場合は解除できます。10日締めなので、
10日までに解除していただければ翌月は請求されません」
と解除前提で話が進む。

で、同じくiPhoneを買う気になったねーさんと一緒に買いに行ったところ
思いがけず「ただとも」プログラムが適用されるということで、
5ヵ月間ホワイトプラン980円が無料に。これはちょっとラッキー。

買ったその日はとりあえずメール設定だけ。
MMSとiPhone用メールと、メールアドレス多すぎ。
そんなに使わないと思うんだけど。

Wホワイトと基本オプションパック(i)は
157に電話するか、My SoftBankで解除できますが、
当日夜に157に電話してみたら、途中まではキーを押すだけで
話が進むんだけど、解除にはオペレーターと話す必要があるらしく、
「営業時間にかけなおしてください」というアナウンスが流れました。
My SoftBankは購入の翌々日でないと登録ができない。
ギリギリ10日にMy SoftBankからオプションを外しました。

長くなったけど、iPhone 3G S購入の巻でした。

2012年の金環食まで待ってるから

WONDER3

久々にドリカムを聴いた。
テレビから流れてるのを別にすれば、まともに聴いたのって10年ぶりくらい?

で、3枚目のアルバム『WONDER3』の『時間旅行』に
 指輪をくれる? ひとつだけ
 2012年の金環食まで待ってるから とびきりのやつ
というフレーズがあった。

もうこの歌も歌詞もすっかり忘れてたんだけど、
2012年って言ったらもうすぐじゃないか。
『WONDER3』の発売は1990年。
『時間旅行』というタイトルが示すように、
ずっと未来の話だと思ってたんだけど。

当時、私はこの歌を女性からのプロポーズで、
「2012年まで待ってるから、そのときには指輪をちょうだいね」
と解釈してんだけど、ネットを検索したら、
「指輪なんかいらないから、2012年まで一緒にいようね」
という解釈がありました。
ドリカムの「時間旅行」で質問です。
たしかに22年の婚約期間は長すぎるので、
「ずっと一緒にいようね」が正解な気がする。

日食でプロポーズなんて、まるでエリカ様じゃないかと思ったけど、
ダイヤモンド・リングは皆既日食じゃないとできないのね。
金環食は文字どおり「太陽のリング」。
それとも婚約指輪じゃなくて、結婚指輪ならダイヤモンドはいらないのか?
日本で見る金環食 2012年

私がドリカムを聴いていたのは最初の3枚までで、
おそらく大学のサークルを舞台にした、小さなグループ内での
くっついた別れただのが、非常にリアルで共感できたんだけど、
その後、壮大な愛を歌い上げるようになってきてからは遠ざかってました。
久々に聴くとこの最初の3枚はやっぱり良いね。
「あなたがいれば泣けるほどしあわせになる」
というストレートな恋愛表現が気持ちいい。

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