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本『ロボットとは何か』

ロボットとは何か――人の心を映す鏡  (講談社現代新書)

『ロボットとは何か 人の心を映す鏡』
著 石黒浩
講談社現代新書

自分の4歳の娘をモデルにしたロボットや、
愛知万博で有名になった女性ロボット、はては
自分そっくりのアンドロイド“ジェミノイド”を開発した著者によるロボット論。

おもしろいです。
ジェミノイドは雑誌などで見たことがあるけれど、
著者のジェミノイドがすました顔で並んでいると、
写真ではどっちが人間だか区別がつかない。
自分そっくりのロボットを作るなんて、なんてナルシストな人なんだと思ったり、
そもそも、外観を人間に近づける意味って何?って思ってたんだけど、
より人間らしい動作をするロボットを開発することで、
見る人はロボットに心があるんじゃないかと感じるという。
じゃあ、心って何? ロボットと人間の境って何? 人間って何?
という哲学的な話にまで発展していく。

「技術開発を通して人の能力を機械に置き換えている」
「人間はすべての能力を機械に置き換えた後に、何が残るかを見ようとしている」
って、だんだん“ゴースト”みたいな話になっていきますが、
実際に、著者のロボット開発は、認知科学、心理学、脳科学と関係するそうです。

「人に心はなく、人は互いに心を持っていると信じているだけである」
ゆえに、「ロボットも心を持つことができる」という著者の話はやや極論に感じるが、
自分の娘の型をとったロボットに顔を近づけたら、娘のにおいがしたという話や、
(姿形が人間らしければ、においも人間らしいはずだと
感覚器が勝手に判断し、においまで再現したと著者はいう)
ジェミノイドが頬をつつかれると、遠隔操作している人は
自分の頬をつつかれたような気がするとか、
ジェミノイドを遠隔操作して学生と話をすると、
学生たちはジェミノイドを著者(操作者)と同じものとして会話する、
そのとき、「心と体はどれほどつながっていれば、同じ人間のものとなるか?」
「自分の心はどこにあるのか?」といった疑問など、非常におもしろい。

また、人間の腕と骨の構造と筋肉の配置を模倣した腕ロボットを開発したところ、
肘を曲げようとしても、どの筋肉をどのように動かせばいいのかわからない。
(普通のロボットなら肘の関節にひとつだけモータをつけて動かせばいい)
腕ロボットはまず全部の人口筋肉に大きなノイズを送り、ガタガタと動く。
偶然、手先が目標に近づくと、アクティビティが大きくなり、ノイズは小さくなる。
これをくりかえすと、目標に近づくにはどの筋肉を動かせばいいか、
腕ロボットは制御できるようになる、
という実験もひどく人間の発達過程と似ていて興味深い。


百聞は一見にしかずということで、ジェミノイドの動画です。

美少女アンドロイド、未夢ことHRP-4Cは産業技術総合研究所の開発ですが、
ガワは、愛知万博のアクトロイドを
著者、石黒氏の大阪大学と一緒に作成したココロ社ですね。
未夢ちゃんはときおり見せる表情が“心がある”ように感じてドキッとします。


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