« TV『世界で一番君が好き!』 | トップページ | 本『ネット検索革命』 »

TV『ハゲタカ』

ハゲタカ DVD-BOX

今さらテレビ版『ハゲタカ』を見ました。
映画版公開のとき、母が「テレビ版はおもしろくて2回見た」
って言ってたんだけど、あまり信用してなかったんだよね。
番宣で見た「お金をもうけることが悪いことですか」という台詞が
いかにも村上ファンドだったんで、なんかこういうのすぐネタにして、
嫌な感じと、2007年の放映当時は思ってました。

しかし、実際にテレビ版を見てみると、
村上ファンドやホリエモン、企業や銀行、カリスマ経営者なんか
実在の人物を上手に料理して、わかりにくい企業買収やファンド、
日本企業の再生、ひいては日本経済をテーマに
エンターテイメントを仕上げているのにびっくり。おもしろかった。

大森南朋演じる外資系ファンドマネージャー鷲頭、
鷲頭の元上司であり、エリート銀行マンである柴野(柴田恭兵)、
鷲頭により父が自殺した過去をもつ東洋テレビの三島(栗山千明)、
同じく鷲頭により父が経営する老舗旅館をのっとられた西野(松田龍平)、
もう、この人間関係がゾクゾクする。
鷲頭と柴野は敵対関係でありながら、お互いに同じ罪悪感を持っている、
鷲頭を恨みながらも、彼の善意を信じている三島、
鷲頭を憎んでもおかしくない立場なのに、むしろ憧れてるとさえいえる西野。
鷲頭と三島と西野なんて、まったくロマンスのない三角関係みたいじゃないか。

大森南朋は『殺し屋1』と『ヴァイブレータ』が非常に印象的だったけど、
どっちもまったく違う役。ふだんはバイプレーヤーとして出演していることが多い。
今回の鷲頭は、冷静さと熱さ、孤独と罪を背負っているような感じがとてもよい。
柴田恭兵の老けぶりにびっくりしたけど、それが苦労人の柴野にはぴったりで
彼が企業を救おうとする熱血漢を静かに演じる様は若いときよりかっこいい。

栗山千明も松田龍平もこういうドラマではこういう顔していてほしいよね
って顔してる。松田龍平の人殺しそうな目がいい。
そのほか、サンデートイズの長男、小林正寛とか、
大空電機の熟練社員、田中泯とか、
このドラマに出てくる、いい顔を上げるとキリがない。

彩度を押さえた青ベースに、時々、光が印象的に使われた映像とか、
音楽、株主総会が開かれた日比谷公会堂や
三葉銀行として撮影された日本郵船歴史博物館などの渋いロケ地とか、
いろいろ、NHKらしい生真面目さと骨太さの感じられるドラマでした。

主題歌の作詞がエミリ・ブロンテとなっていて、
そんなふざけた名前の作詞家がいるのかと思ったら、
本当にエミリ・ブロンテの詩をもとにしてるそうです。
『Riches I hold in light esteem(富は問題にならぬ)』という皮肉な歌。
東京を背景にお金が舞い、つかもうとすると消えていく秀逸なエンディング。

惜しむらくは、第5回、6回の展開が早過ぎて
ハイパークリエイションの騒動あたりは、ライブドア事件を思い出さないと
話として成り立たないくらい説明不足。
映画版では松田龍平は旅館を取り戻してるみたいだけど、
そこまで見たかった。

テレビ版が放映された2007年は、不良債権処理など
日本経済の負の部分を振り返るにはいい時期だったと思う。
逆にいうと、映画版を公開するには2009年って悪い時期なんだけど。
ロケ地情報をチェックしていたら、
大空電機のロケ地となった松下冷機は2008年に閉鎖、解体
となっていて、なんだか寂しくなりました。
映画版はまだ未見だけど、あのあと大空電機は再生できたのだろうか。

« TV『世界で一番君が好き!』 | トップページ | 本『ネット検索革命』 »

「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/27590/32785198

この記事へのトラックバック一覧です: TV『ハゲタカ』:

« TV『世界で一番君が好き!』 | トップページ | 本『ネット検索革命』 »