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本『次に来るメディアは何か』

次に来るメディアは何か (ちくま新書)
『次に来るメディアは何か』
著 河内孝
ちくま新書

新聞、テレビの衰退については、『2011年新聞・テレビ消滅』
『テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか』などでも書かれているので、
前半の広告収入の減少に苦しむアメリカの新聞や日本のテレビの現状は、
ある程度、もう知っていることではあるが、じゃあ、
既存のメディアが崩壊した後はどうなるのか、というお話。

新聞がなくなったらジャーナリズムは誰が担うのか、
ブログなどのニューメディアが代わりになれるのか、
という問いかけは結構重要。

生き残るためにはテレビ・出版・ネットを統合する
メディア・コングロマリットが日本でも誕生するだろうと、
著者は予測する。
メディア・コングロマリットの組み合わせはやや強引だし、
大規模メディアだけが生き残ったところで、
ネット時代に重要性を増すのは小さなメディアが果たす役割だろう
と思うと、著者の未来予想図には疑問も残る。
そもそもメディアとは何かということが、もっと問われるようになるのでは。


◆読書メモ

(一)広告収入が激減する中で、新聞社が20世紀の後半に行ったような
調査報道を行ってゆくだけの予算配分は可能なのだろうか。
(ニ)(ブログ、電子新聞など)ニューメディアは、政治的党派性や財政的理由など
さまざまな利害に対して、既成のジャーナリズム以上に脆弱なのではないか。
(三)そしてオンライン・ジャーナリズムは、新聞社が維持してきた
職業的ジャーナリズムが担っている諸価値を維持して行けるのであろうか。
(ジョン・ケリー)

「私たちが今日、ここで議論すべきは、どうやって(既存の)新聞社を
救うかではなくて、どうやって多様なジャーナリズムを助長し強化するのか、
ということであるべきです。なぜならジャーナリズムの未来は、
新聞社の未来とは直接、関係がないからです」
(ハフィントン・ポスト創業者アリアナ・ハフィントン)

「明らかに若い有権者は、ニュースを読んだり、イベントに参加するだけでなく、
それらを人に伝える伝送体になりたいと考えている。
同時に、彼らはプロが選んだニュースという伝統的なフィルターよりも、
常につながっている友人から推薦されたメールやビデオを優先する。
しかし、これは考えてみれば、政治における最古の手段である
“口コミ”の現代版なのだ」(NYT、08年3月27日)

地上波のデジタル化によって、日本に割り当てられた電波の中で、
一番使い勝手のよいVHF帯を使っている地上波テレビ放送局を、
UHF帯に引っ越しをさせる。そのあと空いた周波数を使って、
携帯電話の移動体通信や、さまざまな「テレビジョン以外の放送」を
行なえるようにする。
(一)道路全体を無線ランが使える空間として自動車の
端末(ETCでもいいし携帯でもいい)とつなぎ、
衝突防止やさまざまな情報流通網として活用するITS(次世代道路交通システム)
(ニ)発電所、事業所、家庭の間を、インターネットによって結び、
効率的な給配電調整を行なうスマート・グリッド計画
(三)先端医療機関と全国の病院をつないだ「E-医療システム」
(四)学校、研究施設をつなぐ「E-教育システム」

(一)日本のメディア界は、四大メジャーと二つのユニークな独立グループによる
6グループに集約されてゆくだろう。
(ニ)四大メジャーとは、NHK、フジ・メディア・ホールディングス、
読売新聞・日本テレビグループ、朝日新聞・テレビ朝日グループである。
(三)独自のメディア・グループが二つ生まれる。
経済情報の総合化を目指す日本経済新聞グループと、
まったく毛色が異なるが、ジャニーズ事務所、エイベックス、吉本興業連合
などによるコンテンツ制作と番組販売のメディア・グループ「JAY」である。
(四)通信キャリアーとの組み合わせは、KDDIが朝日グループに、
ドコモはフジ・メディア・ホールディングスに、
ソフトバンクは読売グループと一体化する可能性が高い。


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