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本『プレゼンテーション Zen』

プレゼンテーション Zen

『プレゼンテーション Zen 
プレゼンのデザインと伝え方に関するシンプルなアイデア』

著 ガー・レイノルズ
ピアソン・エデュケーション

人前でパワーポイントを使ってプレゼンをする機会はほとんどないのだが、
ビジュアルでものを伝えること、クリエイティビティの向上は、
今年(というかずっと)の課題のひとつなので、参考になればと思って読んでみました。

シンプル、ストーリーテーリング、余白、ビジュアルなどの重要性を説く本なので、
本自体が、カラーの写真と、わかりやすい見出し、本文構成でできており、
さらっと読めて、内容がすっと頭に入るという良いプレゼンの見本になっている。

パワーポイントの箇条書きの文章をそのまま読み上げ、
スライドがそのままプリントアウトされた資料が配られるプレゼンって
(内容はともかくとして)見るイベントとしては最悪につまんないよな
と常々思ってたんですが、この本もそうしたプレゼンの常識を捨て去るべき
というところから始まっている。

スライドは、メッセージを伝えるべき美しいビジュアルとわかりやすいテキスト
で構成され、あくまでスピーチを補完するもの。スライドにすべてをつめこむなら
プレゼンターは必要ない。細かい情報などは配布資料として後から渡して、
聴衆はプレゼンを聴くことに集中してもらうべきである、
というのがこの本の推奨するプレゼンの基本。

ただ、このプレゼンを成功させるためには、「核となるテーマは何か?」
「なぜそれが重要なのか?」ということを吟味し、それを伝えるための
ストーリーテーリングを練りこむ必要があり、非常に準備が大変になる。
おまけにスピーチもうまくないとね。
でも、こうしたプレゼンのほうが、ずっとおもしろいし、何より聴く人の心に残る。

親日家の著者らしく、プレゼン向上のヒントとして、
マンガやタイトルにもある禅、柔道、駅弁などがあげられているが、
日本人としては、やや過大評価されすぎな気も。

プレゼンの機会がない私にも実践的
(というか都合のいい)アドバイスとしては、
「アイデアを練る段階では、パソコンの前から離れて、
ペンと紙でアイデアを視覚化しろ」ということと、
「アイデアを生み出すためには仕事から離れて
一人きりでのんびりする時間が必要」ということ。

スティーブ・ジョブズをはじめ、優れたプレゼンのお手本や
画像サイトなども紹介されているので、
クリエイティビティ向上のために、
まず、こういうのを見ることから始めてみようと思う。


シンプルなスライドがスピーチを引き立てる好例として
紹介されていた『Inbox Zero』のプレゼン。

スティーブ・ジョブズのプレゼンテーション
Apple Events

TED会議


◆読書メモ

『本当の自分を見つける文章術』 ブレンダ・ウェランド
『アイデアのちから』 チップ・ハース、ダン・ハース
『マンガ学:マンガによるマンガのためのマンガ理論』 スコット・マクラウド

人は仕事から離れた時間をもっと増やした方がいい。
浜辺をゆっくり散歩する。森の中をジョギングする。
サイクリングに出かける。コーヒーショップで新聞の日曜版を
読みながら4~5時間過ごす。こうした時間の中で、
我々の創造的精神は活性化される。

ペチャクチャ・ウェブサイト

「アイデアさえあれば、機械を使わなくても沢山のことができる。
そうしたアイデアを得た時点で、機械が役立ち始めるんだ……。
たいていのアイデアは、砂浜に棒で書くことで十分に対応できるものだ」。
(アラン・ケイ)

リーガルパッド、モレスキンのストーリーボード

「他者は我々にインスピレーションを与え、
情報は我々に知識を供給し、訓練はパフォーマンスを向上させる。
しかし、物事を解明し、新たな発見をもたらし、
独創的な答えを探り当てるためには、静寂の時間が必要である」。
(エスター・ブーフホルツ)

もし、たった一つの事しか聴衆の記憶に残らないとしたら、
それは何であって欲しいか?

私としては、1枚のポストイットに1つずつアイデアを書いていく方が
望ましいと思う。そして私は「シャーピー」のマーカーを使うことにしている。
なぜか? 1枚のポストイットではスペースが足りなかったり、
シャーピーでは書けないくらい詳細な情報が含まれていたりする場合、
そのアイデアは複雑すぎるのだ。簡潔さは明快なコミュニケーションに
最も欠かせないものである。さらに、ポストイットを使うと、
全体の構成や流れが自分にとってしっくり来るまで、
何度も並び替えることができる。
(ナンシー・デュアルテ)

自分にこう問いかけよう。スライド上でテキストを使って表現した情報のうち、
写真(あるいはその他の適切な画像やグラフィック)で置き換えられるものは
どれだろうか? 何かを描写するためにテキストを使っているとしたら、
それは画像に置き換えた方がおそらく効果的だろう。

フォトサイト
iStockphoto
morgueFile
Flickr Creative Commons Pool
Image*After
Stock.XCHNG
everystockphoto

Slideshare.net

禅の世界から学ぶことのできる最も基本的なものの一つが、
集中(マインドフルネス)である。禅は日常生活と「信仰生活」を区別しない。
瞑想は決して現実からの逃避ではない。
実際、日々の単純作業でさえ瞑想の手段になる。
自分の行動や判断は、頭の中の一種のプログラムに基づいた、単なる
自動的な反応に過ぎないことに気づけば、余計な考えを追い払うことができる。
皿を洗うときは、嫌がらず、皿を洗うことに集中しよう。
手紙を書くときは、手紙に集中するべきだ。
そして、プレゼンテーションをするときは、プレゼンテーションに集中すべきである。

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