« 2010年1月 | トップページ | 2010年3月 »

本『ソーシャルメディアマーケティング』

ソーシャルメディアマーケティング

『ソーシャルメディアマーケティング』
著 オガワ カズヒロ(小川浩、小川和也)
ソフトバンククリエイティブ

ここでいう“ソーシャルメディア”とは、Twitter、ブログ、SNS、
YouTube、Flickrなどを指すらしいが、
本書はソーシャルメディアというよりはTwitterを使った
マーケティング戦略の話。

YouTubeだのブログだの、新しいサービスが注目をあびると
すぐにビジネスにどう利用できるかという話になり、
昨年大ブレイクしたTwitterもテレビや雑誌で取り上げられるときは
必ずビジネス利用の話になる。
個人的にはTwitterに広告があふれるようになるのは
なんだかなと思うのだが、嫌ならリムーブすればいいだけの話でもある。

Twitterを使ったマーケティング例として
ユニクロやLADY GAGAの名前があがっており、
昨年11月に行われたユニクロのキャンペーンの際には、
私もユニクロをフォローしました。
その後、毎日のようにセール情報をつぶやかれるのは
うるさい気もしたけど、気になっている商品がセールになると
ちょっと買いに行こうかなと思ってしまうのも事実。
LADY GAGAも確かにTwitter上でいろんな人がこの名前を
つぶやくようになってから、注目し始めたなと。

週刊ダイヤモンドのTwitter特集で、ホリエモンが
「『This is IT』と『アバター』は絶対Twitterで流行った」
って言ってたけど、作品自体に力があったことはもちろんで、
Twitterだけが理由じゃないとは思うが、
みんなが「すごい」、「おもしろい」とつぶやいていた
口コミパワーはやっぱりあなどれない。

本書はマーケティングの本なので、
Twitterをマーケティングに使おうと考えている人以外には
それほど興味をもてない内容かもしれない。
戦略ということで、やたらと軍隊とか戦争とか武器のたとえが
でてくるのも、少々うるさい。
あと、自分のところのシステムを宣伝しすぎ。
ただ、Twitterのビジネス活用事例としては、
いろいろ参考となる話も多い。
最近でいえばUCCの失敗例(?)やすし処さいしょの成功例(?)
などにも見られるように、Twitterマーケティングはまだ始まったばかりだ。
(UCCの真摯な対応はむしろカブをあげたんじゃないかと思いますけどね。)

「フォロワー数×1円割引」――太っ腹な“Twitter割り”はなぜ可能だったのか

「Twitterを理解していなかった」――UCC、キャンペーン“炎上”を説明 勉強会で経験共有へ


◆読書メモ

Web2.0自体は、確かにWebというプラットフォームが進化したことを示す
テクノロジートレンドだったが、同時にそのプラットフォームを使う人間や
リアルな世界の動きに連動し始めたことによって生まれた社会現象を
指していた。つまり、Webが進化して、その影響がユーザーであるわれわれ
一人ひとりの社会生活にまで及び始めていることが革命的だったのだ。

もう一つのポストWeb2.0の顔が、“超新鮮なWeb(The Super Fresh Web)”だ。
この言葉は、Twitterの創業者の一人であるビズ・ストーンのものだ。

もとはGoogleに買収されたブログサービスであるBlogger.comを離れた
技術者たちが作り上げ、多くのユーザーが育ててきた新しい企業、
それがTwitterだ。

スターバックス
街中でポスターを見つけたら写真を撮ってTwitterで公開してもらうという
キャンペーンを行った。

ITmedia
Twitterを活用したセレクトメディア「OneTopi」
アルファブロガーらをニュースのキュレーター(専門知識をもって
収集資料の研究に携わる人)として任命し、彼らがセレクトした
自社メディア内の記事や、それらに対する専門的なコメントを、
自社メディア内で公開するだけでなくTwitter上にも公開する。

オバマ陣営では主にインターネットを活用するメディアチームに
80人ものスタッフを抱えていたという。
オバマ陣営のソーシャルメディアマーケティングを指揮したのが、
実はFacebookの共同創設者の一人、クリス・ヒューズだった
というのも象徴的だ。

オンラインクローゼット
ガードローブオンライン
ドレスファイル

本『インターネット新世代』

インターネット新世代 (岩波新書)

『インターネット新世代』
著 村井純
岩波新書

デジタル化によって変わるテレビとメディア、
携帯電話、惑星間インターネットを支える電波技術について、
インフラとしての光ファイバー網など、
国境を越えてグローバルな空間となったインターネットの
発展の歴史と課題をまとめた本。

著者の『インターネット』(1995年)は
読んだような気もするのだが覚えていない。
岩波新書らしいというか、難しい話をていねいに解説していて、
特に第1章の「デジタル化でテレビはどう変わるか」、
第2章「電波の有効利用」などは、一読して、
今までの経過と現在の技術、課題が理解できる。
公的な仕事にも関わってきた著者らしく、
日本のインターネットの発展に政府が果たすべき役割、
法整備などについても語られている。

後半はグローバル空間をどう構築するかという話なのだが、
やや理想的というか観念的な話が多くて残念。

911の時にアメリカ政府が空港を閉鎖したように、
インターネットも閉鎖しようとしたとか、
日本には、太平洋側にケーブルがあるのに、
日本海側にはないことの問題点などが指摘されていて
ここらへんもおもしろい。

中国でネット販売を促進させたとして、話にでてくる
『アリババ』は、ソフトバンクが投資してるとこですね。

おそらく、まだどんどん変わっていくインターネット。
現時点で一度、総括していくために読むには良い本。


◆読書メモ

デジタルテレビは、デジタルデータを受け取って表示する
ディスプレイとしての役割を担うわけです。
デジタルデータを表示するためには、そのデータを計算する
強力なコンピュータが動かなければいけません。
その意味でデジタルテレビとコンピュータとの区別は
非常に希薄になってきています。つまり、テレビの画面に
何を映し出すかは、放送される動画の番組だけにとどまらず、
パソコンのようにさまざまな可能性が出てきます。

テレビがデジタル化され、MPEG-2のような
デジタル動画用のチップが入っていることで、
インターネット経由の動画サービスが可能になったのです。

被災の初期段階では、まず電気は使うことができません。
私たちが栗原市で作ったシステムでは、まず車のバッテリーから
電源を確保します。車から12ボルトと24ボルトの電源を取って
衛星通信の機械を立ち上げ、衛星の位置を捉えて通信を始めます。
これで基地にはインターネットが開通します。
次に、その基地から電波を出して無線LANや携帯電話の
ワンセグ機能に接続が可能になります。

通信販売がなかなか中国で発展しなかった背景として、
たとえば荷物が届いてもお金を払わない、
あるいはお金を払ったのに荷物が届かない、
また、ようやく代金を回収しても、
回収されたお金はどこかに行ってしまう、
ということが当たり前のように起こっていたそうです。

日本からのインターネットのケーブルは、太平洋から
アメリカを経由してヨーロッパに回っており、
日本海側にはつながっていませんでした。

2008年にある国がグーグルのウェブサイトへのアクセスを
ブロックしようとしたことがあります。自国の国民が
グーグルにアクセスすることを止めるのが目的でした。
ところが、その時の設定の仕方を間違えたために、
世界中のグーグルのサービスが止まるかもしれないという
危機的な状況に陥らせたのです。このときはすぐに
地球の裏側のオペレータが気づき、オペレータの連携で
約30分後に問題が突き止められたため、この国の問題を修復し、
これによってインターネットが復活しました。
この事件によってインターネットのコミュニティが学んだことは、
一つは情報をブロックすることによってフラグメントが起こりうるのだ
ということ。もう一つは、地球上にグローバルな空間があるから、
フラグメントの危機を早く発見し、修復することができるということです。

本『しがみつかない生き方』

しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)

『しがみつかない生き方 「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール』
著 香山 リカ
幻冬舎新書

「勝間和代をめざさない」ということで話題になったベストセラー。
今さらですが、読んでみました。

私は「カツマー」でも「カヤマー」でもないけど、
結局、2人とも成功者だよねー、という気分もあったりしますが、
本書が言っていることはよくわかる。
なんていうか、今は幸福感が感じにくい時代であり、
特に、アラフォー世代に幸福のモデル像みたいなのがない。
勝間和代も香山リカも別に幸せそうにはみえない。
昔だったら、「結婚して子供産んで」っていうのが「幸せ」だったろうし、
少し前だったら、「恋も仕事もソツなくこなすキャリアウーマン」が
かっこよかったかもしれないけど、今だとどっちも幸せにみえない。
(や、どっちも手に入れてない私が言っても「酸っぱいブドウ」ですが。)

だから、恋愛や子供やお金や仕事に生きる価値を求めない、
そもそも生きる価値って本当に必要なものですか?
と言われると、ちょっと楽になる。
本書にも紹介されている『すーちゃんの明日』じゃないけど、
休日にお茶を飲みながら本を読むとか、
ちょっとオシャレしてどっかに出かけるとか、
そんな小さな幸せに満足してどこが悪いのかと。
(もちろん、そういう「ふつうの幸せ」を可能にする経済的、社会的な基盤は必要で、
そこがグラついているからみんな不安になるんだけどね。)

「いたかもしれないはずの子ども」に執着しない、
というのは結構、深い問題で、これに苦しんでる女性は多いと思う。
CMなんかでも有名な『I've Never Been to Me』の
「Sometimes I've been to crying for unborn children
that might have made me complete」
なんて聞くと、本当の幸せってなんでしょうね、と思っちゃうわけです。
詳しい歌詞はこちらを参考に。
I've Never Been to Me (愛はかげろうのように)で考える心の自由

あと、著者が菜摘ひかるの友人であったことにびっくり。
(『風俗嬢菜摘ひかるの性的冒険』の感想はこちら

10のルールのうち、「すぐに白黒つけない」を読んで、
あー、もっと寛容にならないとね、私、と思いました。

本『ライフログのすすめ』

ライフログのすすめ―人生の「すべて」をデジタルに記録する! (ハヤカ<br />
ワ新書juice)

『ライフログのすすめ 人生の「すべて」をデジタルに記録する!』
著 ゴードン・ベル、ジム・ゲメル
ハヤカワ新書juice

これはすごくおもしろかった。
『グーグル時代の情報整理術』といい、
ハヤカワ新書juiceは著者のセレクトも豪華だ。
今回の著者はなんとゴードン・ベル。
彼は現在75歳なのだが、“マイライフビッツ”として
長い間、ライフログを実践しており、ライフログの未来を楽しく描いてくれる。

自分の見たもの、聞いたもの、位置情報、体重、心拍数、
読んだ本に、仕事や保険、金融関係の書類などなど、
個人的な情報をすべてデジタル化して記録するライフログ。
今まではライフログっておもしろそうだけど、いったい何の役にたつのか、
自分の一生の記録を再生するには同じだけの時間が必要なんじゃないか
と思っていたのだけど、この本を読んでだいぶ考えが変わりました。

大切なのはすべてを“デジタルで”記録すること。
そして検索できるようにしておくこと。
仕事上の書類やメールがすべてデジタル化され、
いつでも取り出せるようになる利点、
センサーによって体の変化を記録し、
健康管理データとしてどこからでも参照できる利点、
教科書や授業をデジタル化して学習の効率化をアップすること
などが語られている。

「タブレットPCや携帯電話から学生向けメメックスに
アクセスできるようにすれば、授業中だけでなく、
行き先々でもメメックスを使える。記録されるのは授業、講義、実習だ。
友だちと勉強中に、ある方程式の因数分解を解いていたとしたら、
タブレットPCに記録された講義を呼び出し、
黒板での教師の説明を見直せばよい。
教科書や講義ノートから切り貼りして虎の巻を作ることもできるし、
教科書の中や、別の教科書へリンクを加えることもできる。
グループプロジェクトにおいては、各人の電子記憶を基点にして、
共同のリンクやデータ集が作られる。みんながそれを利用して、
プロジェクトの最終結果を出すようになる。」

これってまるで未来のiPadみたいじゃない?

さらに個人的な記録を保存することによって、
子供が初めて歩いた瞬間、恋人に初めて出会った日、
といった人生の思い出も再生できるようになるという。

ゴードンはさらにこの膨大な個人の記憶をもとに、
自分のアバターをつくることができる未来も語っている。
ここまでくるとややSFっぽいが、
実際にライフログを使って軍事訓練を効率的に行なう研究や
兵士のパトロールに利用するプロジェクトなども紹介されている。

後半はライフログを実践するための方法で
スマートフォン、GPS、GPS機能付きデジカメ、スキャナーなどの機器、
ワンノート、エバーノートなどのツールが紹介されている。
(センサーで人を判別して自動撮影する『センスカム』は
Viconの『ViconRevue』として今年発売を予定。)

ゴードンはマイクロソフトでライフログを整理する方法を
研究していたようなのだが、まだこのツールは未完成のようだ。
実際、今ある機器で記録は可能だと思うが、
検索や整理をひとつのツールで行なうのは難しそうだ。

また、驚いたのは本書の中で紹介されている
ヴァネヴァー・ブッシュが1945年に書いたというエッセイだ。

「メメックスとは、個人が自分の本・記録・手紙類をたくわえ、
また、それらを相当なスピードで柔軟に検索できるように
機械化された装置である。メメックスは個人的な記憶を
拡張するための補助装置である。」

「まったく新しい形の百科事典が登場するだろう。
連想による検索経路の網目が事典中にあらかじめ準備されており、
それをただちにメメックスに入れて拡張していくことができる。
検索経路の開拓は新たな職業となり、これに従事する人々は、
公的記録の膨大な集積中に有益な検索経路を進んで確立していくのである。」
『思想としてのパソコン』(NTT出版・1997年)から引用

現在のインターネットを予測し、さらにその先を行くかのようなこの未来像!
とりあえず、位置情報をつけて写真を記録するとか、
クリップレット(5秒かそこらの短いビデオ)あたりから、
マイライフログを作ってみようかと思ったりする。


◆読書メモ

リンゼイは以前、センスカムを開発した理由の一つが、
メガネをどこにおいたかわからなくなったときに使おうと思ったからだと教えてくれた。
センスカムの画像を調べることで、最後にメガネを外した場所がわかるというわけだ。

DARPAは、ライフログ技術で「そのような装置があれば、
ユーザーの過去の体験にアクセスして、戦闘員や司令官にとってはるかに
効果的なコンピュータ支援装置を開発できる可能性がある。
……コンピューターを用いた、より効果的な訓練システムに
活かすこともできる」といった構想を推進していた。

音楽管理プログラムとして人気があるアップル社のiTunesを使えば、
PDFファイルの管理と整理を音楽ファイル並みにたやすくできるのだ。
iTunesでは、音楽ファイルと同様、PDFファイルも検索、コメントの付加、
レートづけができる。望みの条件に合わせてPDFファイルを検索して
「プレイリスト」を作成すれば、ほかの医師に見てもらうことができる。
頸骨骨折のX線写真なんだけど、去年の分を全部持ってきてくれないか。
75歳以上の患者の椎間板ヘルニアの写真をすべて見せてくれ
といったものもすべて、PDFファイルに記録されている、というわけだ。

« 2010年1月 | トップページ | 2010年3月 »