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本『著作権の世紀』

著作権の世紀―変わる「情報の独占制度」 (集英社新書 527A)

『著作権の世紀 変わる「情報の独占制度」 』
著 福井健策
集英社新書

デジタル化やネット化によって存在感を増している著作権について、
最近の事例を用いながら解説。今後、著作権はどうあるべきかを考える。

著作権の話は法律がからむので非常に難しい。
公衆送信権って言われてもよくわからないけど、
つまりはアニメやJPOPなど著作物を許可なく
ネットにアップロードしちゃいけないってことだ。
情報を発信する側の敷居が低くなったことで、
著作権は身近な問題になった。なのに、難しい。

この本では、槇原敬之対松本零士事件にみる類似性の問題とか、
海洋堂フィギュア事件に見る実用品の美術性とか、
『おふくろさん』騒動にみる同一性保持権とか、
具体例が非常にわかりやすく、
一般的にも関心の高かった事件があげられている。
そもそもJASRACは編曲の権利をもっていないので、
カヴァー曲については許可を出すことができない、
なんて初めて知りましたよ。

そのほか、著作権の二十年延長、NHKアーカイブス、
DRM、日本版フェアユースなど、
最近、ネット上でも話題になった
著作権がらみの問題がわかりやすく解説されている。

あと、おもしろいと思ったのが、擬似著作権。
肖像権、パブリシティ権、寺社・公園の撮影禁止、
「オリンピック」、「ワールドカップ」という言葉の知的財産など。
これらは法的には問題ないのに、権利が主張されることが増えたという。
(建築の著作物は基本的に撮影その他の利用は自由という
例外規定がある(第46条))

著作権ってのはグレーゾーンがいかに広いか、
法律を整備するだけで対処できない問題もある
ってことがよくわかる良書です。


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