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本『WORLD WAR Z』

WORLD WAR Z

『WORLD WAR Z』
著 マックス・ブルックス
文藝春秋

世界規模でゾンビが蔓延してから10年後。
生き残った人々のインタビュー集という形で綴る。
今年読んだ中でベスト5に入るおもしろさ。

感染は中国の農村部から始まり、アメリカ政府は事実を隠蔽し、
イスラエルは国境を封鎖する。各国の政治的対応がまたリアル。
忽然と姿を消した北朝鮮や中国の原子力潜水艦、
ロシアやキューバーが戦争後、どのように変貌したか
などなど。

ちなみに、日本ではネットで情報を集めるだけだった
オタク青年が、ゾンビによって現実と向き合うことになる。
アメリカのように銃が手に入らない日本で、
彼が手にした武器ってのが、またそれかって感じですが、
情報を詰め込むだけの日本教育とか、
『日本沈没』へのオマージュだとか、よく調べている。

ゾンビ映画というよりはディザスター・ムービーのポイントは、
世界の終末が訪れたとき、人間はどう行動するか。
バカにする人も多いけど、『デイ・アフター・トゥモロー』や『2012』
そこの部分をきっちり押さえていておもしろかった。
人はどこまで残酷になれるのか、どこまで勇敢になれるのか。

『WORLD WAR Z』はインタビュー集なので、
人それぞれの生き方がぞんぶんに描かれている。
ニセのワクチンを作って儲けるもの、
残酷なまでの隔離政策を立案するもの、
ゾンビ以上に人間の恐怖を味わうもの。

数々のエピソードの中で一番好きなのは
遭難した女性パイロットの話。
人はどこまで強くなれるのか。

描写方法やコネタが映画っぽいと思ったら、
著者のマックス・ブルックスはメル・ブルックスの息子なんだとか。
本書自体もブラッド・ピットが映画化権を獲得したことが話題だけど、
このおもしろさをどこまで映画で表現できるか。

本書で印象的に使われていた2曲。
Iron Maiden - The Trooper
Redgum - I Was Only 19

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