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本『未来型サバイバル音楽論』

未来型サバイバル音楽論―USTREAM、twitterは何を変えたのか (中公新書ラクレ)

『未来型サバイバル音楽論―USTREAM、twitterは何を変えたのか』
著 津田大介、牧村憲一
中公新書ラクレ

ミュージシャンが直接リスナーに音楽を届ける、
次世代レーベルの可能性について論じる。

CDが売れなくなったのはなぜか、日本のレーベル史、
音楽受容の変遷、フェスブーム、TwitterやUSTREAMの果たした役割など、
いろいろ興味深い。形は変わっても音楽は流れ続ける。

◆読書メモ

僕はピエールに尋ねたことがあります。
『男と女』はどうやって生まれたのか、どうやって作ったのか、と。
ピエールはこう答えたのです。
「パリでアコーディオンを弾いていたフランシス・レイと出会い、
二人でシャンソンを作り売り込んでいた頃、
同じく映画館用に短い芸能ニュースや、CMを作っていた
カメラマンでもあったクロード・ルルーシュと出会った。
そこで三人で映画の企画を考え、音楽も作り、
来る日も来る日も売り込みに行ったが不調に終わった。
……だから『男と女』の撮影は私とフランシス・レイのあらかじめ作った
音楽を流しながら、クロード・ルルーシュが自分でカメラを回したんだ」
ピエールは『男と女』の資金調達のため、65年、音楽出版社、
プロダクションであるエディション・サラヴァを設立します。
自らアーティストであり、同時に主催者であり、プロデューサーであり、
経営責任者である、そのような小規模なレーベルです。
このサラヴァは、設立40年を超えて、さらに現在も活動を続けています。

牧村 台東区は、町おこしのために水上音楽堂を無料にしましたよね。
港区だって廃校を文化施設に利用しようかと協議しています。
ある程度知恵を絞って企画を持っていけば、学校などが利用できると思います。
津田 未来型レーベルを作るのだけれども、実は活動拠点として
リアルな場があった方が、広がりが出てくる。その広がりを作るために、
入口としてツイッターとユーストリームを活用する。
この方法が今だったら一番現実的だし、リスクも少ない。

かつて、ステレオセットは高級品でした。そのため現在のような
家電量販店ではなく、宝石商や時計店など、もともと単価の高い商品を
扱う店で販売されていました。現在でも地方に存在する歴史の古い
レコードショップに「○○堂」といった名前が多いのは、
開店当初そのお店が宝石商や時計店だった名残です。

あるとき、地方の人と話していて納得したことがあります。
僕が「アマゾンなどネット・ショップの網が張りめぐらされている今、
ライブ限定販売以外はどんなマニアックなCDでも自宅で手に入る。
わざわざ遠方のツタヤに行くこともないのではないか」
と質問したところ、その人は、「津田さんは地方をわかっていないな。
地方には娯楽がない。CDを借りに行けば、
返しに行かなければならないでしょう。
そのようにショップまで足を運んで買い物をすることが、
唯一といっていいほどの文化的サイクルなのです」と切り返されたのです。
確かに全て通販ですませてしまったら、その楽しみすらなくなってしまう。


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