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本『新幹線と日本の半世紀』

新幹線と日本の半世紀―1億人の新幹線‐文化の視点からその歴史を読む (交通新聞社新書)

『新幹線と日本の半世紀
1億人の新幹線‐文化の視点からその歴史を読む』

著 近藤正高
交通新聞社新書

戦前の「弾丸列車」計画から東海道新幹線開業、
公害問題、海外への技術輸出、リニア開発まで、
新幹線の歴史を文化的側面からつづる。

個人的には覚えているという意味で、
「シンデレラ・エクスプレス」の章が一番おもしろかった。
マスメディアとか広告が人々を動かしていた懐かしき時代。

◆読書メモ

1945年5月、島秀雄は東京の大井工場で米軍機の爆撃にあった。
これを機に、島は設計関係者100人を連れて
東京郊外、中野坂上の宝仙寺に疎開する。畑を耕す自給自足の
生活のなかで彼らがはじめたものこそ、電車の研究だった。
島は後年、新幹線はいつごろから研究をしはじめたのかと訊かれるたび、
この疎開時代をあげた。

以後20年かけて(世銀借款を)償還することが決められ、
その予定どおり国鉄は1981年5月に完済している
(ちなみに十河が97歳で死去したのはその5ヵ月後)。

『動脈列島』
『新幹線大爆破』

東北・上越新幹線の建設にあたり、国鉄が沿線住民に見返りとして
建設を約束した新交通システムと通勤新線のうち前者は、
第3セクターの埼玉新都市交通伊奈線、通称「ニューシャトル」として、
1983年12月12日に大宮~羽貫間11.7キロ
(ほぼ全線が東北・上越新幹線の高架に併設)が開業した。
現在では、2007年にさいたま市大宮区に開館した鉄道博物館への
アクセス路線としておなじみである。
後者の大宮~赤羽間の通勤新線は1985年9月30日に開業、
既存の国鉄路線である赤羽線(赤羽~池袋間)との直通運転を開始した。
この新線は路線区分上は東北本線の支線ではあるが、赤羽線とあわせて
「埼京線」と通称されることになった。

東北新幹線でも「1982年春開業」をめぐっては、国鉄内部で
「春というのはいったいいつまでのことをいうのか」という議論があった。
というのも、東北新幹線で最後まで土地買収の遅れていた大宮以南の区画は
ようやく着工したばかりで、最大限に努力しても1982年の6月下旬という
見通しになってしまったからだ。
これについて、埼玉・東京北部エリアしょ所管する東京北鉄道管理局で
話し合った末に、誰かが「釧路では6月に桜が咲くそうですよ」と発言、
「それはいい。東北新幹線は北へ向かう新幹線だ。
6月はまだ春といってもいいじゃないか」と、大宮~盛岡間の開業は
1982年6月23日と決まったという(山之内秀一郎『東北・上越新幹線』)。

JAPAN RAILWAY COMPANYからとられたJRという通称と、
そのコーポレーション・マーク(山本洋司デザイン)が決定したのは、
国鉄民営化の約1ヵ月半前の2月17日のことだった。
マークの制作などコンサルティング全般を担当したのは、
電通と日本デザインセンターである。
そのコーポレーション・マークは、誰が見てもそれとわかること、
国際性があること、さらに動く車両に展開することを前提に制作された。
そのためこのマークは、左右両方向に動いても違和感がなく、
高速で走行しているときも視認性を失わないようなデザインとなっている。

同社(JR東海)の収入はやはり日本の人口の約60%が集中する地域を走る
東海道新幹線に負うところ大であり、初年度(1987年度)の営業収入でいえば
じつに全体の85%を占めた。この基本構造は現在でも変わっていない。

このCM(クリスマス・エクスプレス)を企画した三浦武彦によれば、
第1作の試写を行ったとき、スタッフたちは年齢に関係なく泣いたという。
年輩のスタッフが泣いた理由は「戦争」だった。
 汽車の別れ、駅での別れというのは、年輩の方はみんな経験している。
 あるいは、地方から東京に上京する時にホームで別れたり、
 再会したりするというのは、世代を超えて誰の気持ちの中にもあるわけです。
 そしてクリスマス、全部がそこに集約されたんです。
 (三浦武彦・早川和良『クリスマス・エクスプレスの頃』)

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