« 本『金メダル遺伝子を探せ!』 | トップページ | 本『巨人‐阪神論』 »

本『ブログ誕生』

ブログ誕生 ―総表現社会を切り拓いてきた人々とメディア

『ブログ誕生 ―総表現社会を切り拓いてきた人々とメディア』
著 スコット・ローゼンバーグ
NTT出版

「ウェブログ」という言葉が生まれ、人々が自分について語り始め、
既存のジャーナリズムと対立する存在となった、ブログの歴史をつづる。

最初は今さらブログ?と思ったのだが、
誰もが自分について、自分のおもしろいと思うことについて語り始めて、
ネットのあり方が変化していく様子がよくわかる。

アメリカの事例がほとんどなので、登場するアルファブロガーにしても、
ギズモードとかテッククランチとかボインボインくらいしかわからないけど、
職場の悪口を書いて「デュース」された彼女がママブロガーとして
産後うつを乗り越えた話や、『Blogger』を作ったエバン・ウィリアムズが、
ググールに買収されたあとTwitterを作った話など感動的。

個人的には、ブログにちゃんと書こうとすると、すごく時間をとられてしまうので、
最近では映画や本の感想、近況などはTwitterですませてしまうことがほとんど。
でも、本の感想なんかは、後から誰かが読んだり、
自分でも読み返して役に立ったりするので、
ストックとしてブログを活用しようかと思います。

◆読書メモ

その10年間が終わろうとしている今、ウェブはソーシャルネットワーキング・
ソフトウェアが席巻しつつある。フェイスブックやマイスペースなど、
さまざまなサービスが立ち上がり、ブログに集中していた
エネルギーの一部を吸収し、友人との共有ややりとりを行う新しいツールで
そのエネルギーを増幅しているのだ。
ここに多くの人が参加し、過去に例のない問題が発生した。
個人の生活をどこまでウェブにさらすべきか?
仕事と家庭、仕事仲間と友人のラインをどこに引くべきか?
共有はどこから行き過ぎになるのか?
膨れあがるウェブについてうまい方法はあるのか?

すべてのプログラムに共通していたのは、ワイナーによるウェブログの定義、
「個人の声をそのまま発信」という特徴だ。コンテンツ管理システムでは、
発信前に編集者がコンテンツのレビューを行うことが多い。
ワイナーの製品はこの機能が除かれており、
これがウェブログ用ツールの規範となる。
自己決定を基本としてソフトウェアだったのだ。

その1週間後の4月30日、「レベッカのポケット」が4月27日に紹介した
風変わりな記事、「日本相撲協会、肥満撲滅に乗り出す」を
ジェシー・ジェームズ・ギャレットも紹介。
無名のはずの「レベッカのポケット」をギャレットが訪れることができたのは、
ブラッドが自分の「レベッカのポケット」からリンクをたどって
ギャレットのサイトを訪問したため、リファラーログに足跡が残っていたからだ。
いろいろあって、それから数週間でふたりは
デートをするようになり、2001年、結婚にこぎつける。

ブロガーの話がウェブ産業の未来に大きく影響を与えた理由は、
グーグルからたくさんのお金が受けとれたからではない。
実はごくわずかなものさえあれば、ドットコム後の世界でウェブサービスを
急速に伸ばせることが示されたからだ。ウィリアムズは自分ひとり、自室で、
ときどきはパジャマのまま作業をするという形で
ブロガーを生き延びさせただけでなく、
大きく成長させて新しいオーナーに手渡すことに成功した。
事務所があればすてきだし、毎月の給料や福利厚生など「本物」の事業が
まとうものもすてきだ。でもウェブで意味のあるものを作るだけなら、
そのようなものがなくてもできる。

時間がたつにつれ、名誉ある署名記事、ワード単価が高い雑誌記事といった
旧世界のジャーナリズムの魅力は、マーシャルにとって小さくなっていった。
すべてを自分で決定できること―これはブログでしか得られないからだ。
「このブログで私が手に入れたのは、自由です」―2004年に彼が述べた言葉だ。

ブラジル出張からデントンが戻ると、ギズモードのピーター・ロハスが
ライバルに「密漁」され、「パクり」サイト、エンガジェットの担当になっていた。

トリリングが定義する「誠実」なブロガーは、ブログの自分と
オフラインの「リアル」な自分との連続性を重視し、偽善を避けて常に一定の形で
世界と向きあおうとする。このとき、現実とブログは調和する
―「私がわかる」と「私のブログがわかる」は同義となる。
これに対して「ほんもの」のブロガーは、
オフラインの「リアル」な存在による束縛と因習によって抑圧されている
真の自分を表現する場所だとブログを考える。このとき、現実は
身ぶり手ぶりで言いたいことを当てさせるシャレードのようなものとなり、
ブログのみが真実を語るものとなる。
「私がわかるなんて幻想だ、私のブログを読んでみろ」という感じなのだ。


« 本『金メダル遺伝子を探せ!』 | トップページ | 本『巨人‐阪神論』 »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/27590/38059458

この記事へのトラックバック一覧です: 本『ブログ誕生』:

« 本『金メダル遺伝子を探せ!』 | トップページ | 本『巨人‐阪神論』 »