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本『ラーメンと愛国』

ラーメンと愛国 (講談社現代新書)
『ラーメンと愛国』
著 速水健朗
講談社現代新書

戦後、アメリカの戦略によって入ってきた小麦、
そこから生まれたスパゲッティナポリタン、
安藤百福によるチキンラーメンの誕生と大量生産技術、
『渡鬼』、『男おいどん』に見るラーメンというノスタルジー、
捏造されたご当地ラーメン、作務衣を着た若者がつくる
和風の食べものへの変化などなど、
ラーメンを通して読み解く日本史であり、経済史であり、文化史。

縦横無尽な語り口があいからずうまい。
あっちこっち話が飛んでしまいがち(それがおもしろいのだけど)な
前作より、ラーメンというテーマがすべてを吸収しているので、
筋が一本通っていて読みやすかった。

いちばんおもしろいのは最終章「ラーメンとナショナリズム」なのだが、
ほかの章に比べてやや駆け足なのは残念。
若者の右傾化(ナショナリズム)、ロストジェネレーションが反映された結果が
あの作務衣であり、店頭のラーメンポエムなのかと。

子供のころはカップラーメンは食べさせてもらえず、
うちでラーメンというと『中華三昧』であり、
サークルの先輩が二郎について熱く語っていたとか、
スキーに行ったときに喜多方ラーメン食べたとか、
初台の「東京ラーメン てん」に行ったらジャズがかかっていて、
小奇麗な居酒屋みたいな店で驚いたとか、
「九段下 斑鳩」の行列に並んでまで食べる味かと思ったり、
自分の個人的経験と普通にシンクロしていて笑った。
ラーメンの歴史をたどるとたしかに日本の歴史が見えるんだねー。

関連本:
『自分探しが止まらない』
『ケータイ小説的。』
『タイアップの歌謡史』

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