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本『たかが英語!』

『たかが英語!』
著 三木谷浩史
講談社

賛否両論を呼んだ楽天の社内公用語の英語化について
三木谷社長自らがその想いを語る。

楽天の社内公用語英語化については、
「英語化(笑)、そりゃ大変だ」という感じで、
むしろ日本の会社で日本人どうしが話すのになぜ英語、
と思っていたひとりである。
しかし、三木谷社長は今後、楽天がひいては日本が生き残るためには
グローバル化は避けることができず、
英語のコミュニケーション能力は必須だという。

海外で英語漬けになればだいたい3ヵ月で英語を話せるようになる。
これを見積もると約1000時間。
日本にいて英語漬けの状態を作り出すためには、
社内公用語を英語にするのがいちばんの早道、というわけだ。

そして実際に朝会や会議、社内文書を順次、英語化していく。
英語習得の数値化として、社員にはTOEIC650点以上を課し、
昇格要件にTOEICスコアを導入した。
つまり必要なスコアを獲得できなければ昇格できない。

当然のことながら、社員のなかにはこれに強いストレスを
感じるエンジニアなども多数おり、それにどう取り組んでいったかが
語られている。

「たかが英語」というタイトルには英語は一種のツールにすぎない
という想いがある。ツールを使えるようになったうえで、
グローバル化に挑戦できる。

英語の次に覚えるべき言語はプログラミング言語だ、
という答えも明快だ。ネット企業であるなら、コードが書ける、
理解できるという利点は計り知れない。

意外に、今すぐ英語を勉強したい気分になる本でした。


◆読書メモ

英語化プロジェクトを進めるうちにわかってきたことがある。
それは、英語力が特殊な能力ではなくなるということだ。
みんなが英語をしゃべれるようになるので、それまで英語が得意で
目立っていた人も、周囲に埋もれて目立たなくなってしまうからだ。

サピア=ウォーフの仮説(言語的相対論)という有名な学説がある。
ある部族が使う言語には、青と緑を区別する言葉がないという。
そんな彼らに青と緑を見せると、同じ言葉で表現する。
僕らはすぐに青と緑を識別できるが、彼らはまったくできないわけでは
ないが、識別に時間がかかる。ことことからわかるのは、
概念が言語によって規定されているということだ。

楽天が社内公用語にしようとしているのは、グロービッシュである。
グロービッシュの提唱者であるジャン=ポール・ネリエールによると、
グロービッシュを話すことは、英語による文化的な侵略から
自分たちの言語や文化を守ることにもなるという。
母語である日本語の習得も大事である。話す内容を持つことも大事である。
同時に、今後否応なくさらされるであろうグローバル競争においては、
ビジネスツールとしての英語力を持つこともやはり大切なのである。

思春期以前にバイリンガルになった人は、仮に事故や病気などで
失語症になったとしても、使えなくなるのは、二言語のうち片方だけの
場合があるという。英語は話せるのに、日本語だけ話せなくなったり、
日本語は話せるのに、英語は話せなくなったりするのだ。
一方、思春期以降、大人になってからバイリンガルになった人が
失語症になると二言語とも話せなくなるという。
思春期以降バイリンガルの人は、二言語を脳の同じ場所で
処理しているのに対して、思春期以前バイリンガルの人は、
二言語それぞれを脳の異なる場所で処理しているという
脳科学の研究もある。思春期以前バイリンガルの人の脳では、
英語をしゃべるときと日本語をしゃべるときとで、反応する脳の
場所がちがうというのだ。

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