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本『恐るべき子供たち』

『恐るべき子供たち』
著 ジャン・コクトー
訳 高橋洋一
求龍堂

そういえば読んでないよね、という感じで図書館で借りてきました。
全編、詩のような物語なので、訳によってイメージがだいぶ変わると
思いますが、求龍堂版を選んだのはたんに図書館にあったのが
これだけだったから。

ジャン・コクトーのデッサン62点が収録されているので、
前半はほとんど絵本。

ポールとエリザベート、近親相姦的な姉弟に
眺めている人としてジェラールがからんで
モンマルトルの部屋で小さな世界をつくるという構図は
ベルトリッチの『ドリーマーズ』みたい。
(というか『ドリーマーズ』があきらかに『恐るべき子供たち』
を意識して作られてるわけですが。)

『ドリーマーズ』の彼らにもまったく共感できなかったけど、
『恐るべき子供たち』の子供たちもまったく勝手な人たちだよね。
大邸宅に住みながら、自分たちだけの小さな空間を死守しようとする
その世界観は嫌いじゃないです。

萩尾望都のコミック版や映画版も見てみたい。

◆読書メモ

美の特権には、限りがない。美は、その存在を認めない人々にさえ、
働きかける。先生たちは、ダルジュロスが、好きだった。

彼らは、数冊の、しかもいつも同じ本しか読まず、
それらを吐き気がするほど無理矢理詰め込むように読んだ。

エリザベートは、お礼を言わなかった。
奇跡で生きることに慣れているので、彼女は、何の驚きもなく、
奇跡をそのまま受け入れた。彼女は、奇跡を当たり前のように
待っていた。そうして、いつも奇跡が起こった。

これらの哀れな孤児たちには、人生がひとつの闘いであり、
自分たちという存在は禁制品であって、運命が彼らを大目に
見てくれているのだとは思いも寄らなかった。
子供たちにとっては、医者と叔父が自分たちの生活の
面倒をみてくれることも当たり前なのだった。

マリエットは、冷たい夕食を用意しておいてくれた。
彼らはそれを、食卓以外なら、どこででも食べた。

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