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本『すべてはモテるためである』

『すべてはモテるためである』
著 二村ヒトシ
イースト・プレス

現在、私的に二村ヒトシさんブーム。
きっかけはcakesの連載『キモい男、ウザい女。』

 なぜ【恋する女】はウザいのか?
 それは彼女が「愛されたがり」だからである。
 自己肯定できない人間にとっての「承認」とは「愛してもらう」ことなのだ。

 愛されるため】の道具としてセックスを使っている人は、
 かならず「しっぺがえし」をくらう、と僕は考えています。
 【やがて愛されなくなる】のではなく、
 それは【最初から愛されていなかった】のです。

 (第3回 エロいセックスで愛される?【どうして女性は「引き裂かれる」のか ①】

グサグサくるでしょ。
「自己肯定できない女性にとっての【恋愛】とはどういうものか」については
『恋とセックスで幸せになる秘密』に詳述とあったので、ポチって読んでみました。

タイトルに引きますが、「自己肯定してない人は、恋愛の相手を使って
「自分の心の穴」を埋めようとする
」とか超納得。
自己肯定を恋愛に求めると、相手がいるから当たり前なんだけど、
たいていうまくいかないわけですよ。
うまくいかないもんなんだ、って理解するとちょっと楽になる。

この本では「【恋する】とは「相手を求めること、自分のものにしたがること」、
恋とは、「欲望」で、それに対し「愛する」ということは「相手を認める」こと
【恋する】と【愛する】は、まったく逆の心の働きなのだが、
それらを混同するから苦しい恋愛は出口がなくなる
」と書かれています。

(恋愛至上主義って少女マンガの呪いか、
メディアが作り出した都合のいい幻想だと思うんですが、
女性たちは恋愛しても結婚しても出産しても
「幸せにならなくっちゃ」というプレッシャーに苦しめられる。
それがなぜなのかずっと疑問だったけど、二村さんによると
「【女性】と【モテない男】にはインチキ自己肯定のための
回路すら整えられていない。」そうです。
女性たちはどうしたら解放されるのか、という内容でもあるので、
『すべてはモテるためである』で上野千鶴子が
解説を書いているのも無関係ではないです。)


『恋とセックスで幸せになる秘密』は女性向けの本で、
男性向けに書かれた『すべてはモテるためである』も文庫化されたので即買い。

 なぜモテないかというと、
 それは、あなたがキモチワルいからでしょう。

という冒頭から飛ばしてます。
オリジナルは1998年刊行で恋愛マニュアル本の形をとってますが、
「あなたにとって「モテる」ってどういうことを言うのか」
「あなたがモテないのは「自分について」ちゃんと考えていないから」
とか、実際にはまず自分について、自分はどうなりたいのか、
ちゃんと考えることから始めようよという哲学的な内容。
外見のコンプレックスについても、「治すべき」なのか
「治したい」のかまず自分で考えろと。

女性と「同じ土俵に乗る」については
女性側からすれば、当たり前っていうか、
そんなこともせずにモテたいなんて100年早いというか、
まあ、女性が求めてる基本的なことすら
ほとんどの男性はわかってないのですね。
(だからわかっていたり、わかっているフリができるとモテます。)

今回の文庫化にあたり、最終章『モテてみた後で考えたこと。』
が追加されているのですが、これが秀逸。
モテるようになったことで女性たちを傷つけ、心が苦しい状態になった
と二村さんは書く。

 そこ(『恋とセックスで幸せになる秘密』)には書かなかった
 【けっこうひどいこと】を今からここに書こうと思うのだが、
 モテる男に恋した女性は、ときに頭がおかしいとしか、
 (男性の側からすると)思えないことを
 言いだしたり、そういう行動にでたりする。
 それぞれの女性によって、それはさまざまなかたちをとるだろうが、
 彼女たちが言っていることは本質的には共通していて、ようするに
 「私を抱きしめて。支配して。でも同時に、私を自由にして。
 私をコントロールしないで」と言っている。
 むずかしい。ていうか矛盾している。
 こっちは「なにを言ってるんだねキミは?」と言いたくなる。
 女の人は「矛盾してないよ!」と思うと思うが。
 もうちょっとおだやかに表現すると、彼女たちは「あなたが私を愛して。
 でも、あなたがしてくれる愛しかたは、私がされたい愛しかたではない」
 と言っているのだ。

人によって「モテる」の定義は違うと思うけど、
「複数の女性に好かれる」ことであるならば、
「唯一の存在として選ばれることが愛されること」
だと考えている女性たちとは永遠に相容れないよね。
二村さんのようにモテても幸せにはなれないし、
「心の穴」も埋まらないというのは、結構、衝撃的な事実でした。
じゃあ、救いはどこにあるんだい?という。

 「モテたい」=「キモチワルくないと保証されたい」というのは、
 「恋されたい」ではなくて、本当は「愛されたい」ということ
 だったんじゃないだろうか。

 われわれ【モテたい男】たち、すべてはモテるためであると思っている
 男たちは、それだけ「愛されたい」わけだから、じつは「われわれこそ
 【愛する】ことができる」のではないか。

二村さんはフロムを読んだことないそうですが、
エーリッヒ・フロムの『愛するということ』に似ているのは
恋愛を哲学的に考えていくと、同じ結論に達するのかなと。

◆読書メモ

「読むスピードは読んでる人が勝手に決めていいんだ」というのが、
本を読むという行為のカッコいいところです。

【あなたの居場所】というのは、
チンケな同類がうじゃうじゃ群れてるところじゃなくて
【あなたが、一人っきりでいても淋しくない場所】っていうことです。

あなたや僕が、女性に「モテたい」と思うのは(あるいは「やりたい」と思うのは)
どう考えても、ただ単に性欲のせいだけじゃ、ないですよね。
きっと人間は、他人から「あなたは、そんなにキモチワルくないよ」って、
保証してほしんです。

そこ(『恋とセックスで幸せになる秘密』)には書かなかった【けっこうひどいこと】
を今からここに書こうと思うのだが、モテる男に恋した女性は、
ときに頭がおかしいとしか、(男性の側からすると)思えないことを
言いだしたり、そういう行動にでたりする。
それぞれの女性によって、それはさまざまなかたちをとるだろうが、
彼女たちが言っていることは本質的には共通していて、ようするに
「私を抱きしめて。支配して。でも同時に、私を自由にして。
私をコントロールしないで」と言っている。
むずかしい。ていうか矛盾している。こっちは「なにを言ってるんだねキミは?」
と言いたくなる。女の人は「矛盾してないよ!」と思うと思うが。
もうちょっとおだやかに表現すると、彼女たちは「あなたが私を愛して。
でも、あなたがしてくれる愛しかたは、私がされたい愛しかたではない」
と言っているのだ。

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