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本『悪意の糸』

『悪意の糸』
著 マーガレット・ミラー
訳 宮脇裕子
創元推理文庫

原題は『Do Evil in Return』。
巻末の解説によると、W.H.オーデンの詩「1939年9月1日」の一節で、
Those to whom evil is done
Do evil in return.
「悪を為す者は、必ずその報いを受ける」
といった意味らしいです。

どんな悪が為され、どんな報いがあったのかとなると、
報いとしては大きすぎないかなというのが読後の印象。
出てくる人みんなちょっと不幸で、悪人もいるけど報いとしては気の毒。

1951年の小説ですが、
主人公が30代の女医で、知性も魅力もあって自立しているのに
40代の既婚者と隠れて不倫している。
対する奥様は、花と犬に囲まれた豪邸から一歩も出ない
保守的で、従順で、気の利いたことはあまり言えない退屈な女性。
という構図は少し前のドラマなら定番だろうし、今でも通用しそう。

ミステリ仕立てですが、今読むとそこはやや物足りなく、
主人公が罪悪感を抱えながら、それでも毅然と
事件に巻き込まれていく感じが読み応えがあります。

◆読書メモ

「わたしの考えでは、あなたがバラードを選んだのは、
無意識に結婚を避けたいと思っているからじゃないかな。
結婚できる状況にない相手と恋をすることで、
当面、自分の問題は解決する。」

「この一年、楽しかったわ。
そのことでは、あなたにお礼を言わなくてはいけないと思っているの」

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