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本『遠い朝の本たち』

遠い朝の本たち (ちくま文庫)

『遠い朝の本たち』
須賀敦子
ちくま文庫

須賀敦子のエッセイはいつもラストが見事だと思う。
えっここで終わり?という唐突さと同時に、これ以外にないという終わり方をする。

本書で取り上げられていて読んでみたいものメモ。
『即興詩人』
『サフランの歌』
『ケティー物語』
アン・モロウ・リンドバーグ『海からの贈物』
『戦う操縦士』
ジョルジュ・サンド『愛の妖精』

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本『寂しい生活』

寂しい生活

『寂しい生活』
稲垣えみ子
東洋経済新報社

著者の稲垣えみ子さんが
「自書を図書館で借りた読者に会ってショックを受けた」
と書いて炎上したことは知っているのですが、図書館で借りました。
まったり断捨離中で本を増やしたくないだけで、
この本にお金を払う価値がないと思ってるわけではもちろんないです。

清貧生活を推奨している稲垣さんが図書館を否定するなんて!
と非難されたわけですが、この本には
「(購入して)読み終わった本は古本屋に売ったり図書館に寄贈、
ブックカフェに持ち込んで所有しない」
「自分にとって大切なものを提供してくれる人には
応援券としてお金を投資する」
と書いてあるので、図書館を否定してるわけではなく、
「よいと思ったならお金を払ってほしい」という
著者としては至極まっとうな意見かなと思います。

著者のように冷蔵庫やエアコンを捨てることはさすがにできませんが、
断捨離ブームの今ですら何かを捨てることにはそれなりの痛みを伴います。
そのものがもってた何か(便利さだとか贅沢だとか
幻だったとしても夢や希望とか)も一緒に捨てるわけですから。
その痛みもちゃんと書かれたうえで
本当に必要なものは何なのかを真摯に問うているところに打たれます。

本 『暦の歴史』

暦の歴史 (「知の再発見」双書)

『暦の歴史』
ジャクリーヌ ド・ブルゴワン
創元社

教科書的でちょっと読みにくいので大雑把にメモ。
テルミドールって何かのコミックにでてきたような。

地球の自転周期が1日の長さを決め、
月の公転周期が1ヵ月、太陽を回る地球の公転周期が1年の長さになる。
これらは天体観測によって計測できるが、3つの周期に数学的関連はないし
(月の公転周期と地球の公転周期は当然ながら無関係)、
周期も一定ではない(1日は23時間59分39秒から24時間0分30秒まで変わりうる。
1日が24時間なのは平均値に過ぎない)。

3つの周期のバランスをどうとるか、
そのままではずれてしまう暦に閏月や閏日をどうはさんで調整するかで暦が作られる。

1朔望月(新月から次の新月まで)はおよそ29.5日なので、
太陰暦の1年は30日と29日を交互に並べた12ヵ月で構成される。

1週間が7日なのはバビロニアとユダヤ教から。
週は自然の規則性に基づかず完全に人工的に定められた。

昼と夜が12時間で1日が24時間なのは、1太陽年が12朔望月に当たること、
古代バビロニアでは60進法が使われていて60の約数である12が選ばれたという説も。

フランス革命暦では十進法が用いられ、
1日は10時間、1時間は100分、1分は100秒。
月は葡萄月(ヴァンデミエール)、熱月(テルミドール)など
詩的な名前がつけられたが、短期間で挫折している。

暦は農作業の日程や祝祭日の決定に関わり、
暦を作成することができた聖職者や権力者の力は大きく、
政治と宗教の影響を受けずにはいなかった。

本『フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠』

フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠

『フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠』
マイケル・モス
日経BP社

食品会社がいかに塩分、糖分、脂肪分を駆使して
加工食品の〝至福ポイント〟を作り出しているかという話。

ソーセージ、チーズ、クラッカーがセットになった
子供向けランチ商品『ランチャブルズ』は、
ネットの写真を見る限りスナック菓子にしか見えないんですが、
アメリカの子供たちは遠足のお弁当にこれを持ってくるんだそうです。

読んでるとお腹がすくのでスニッカーズ。
でも買う前に食品成分表示くらい見て
自分が何を食べてるのか自覚しようとは思います。

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本『マチネの終わりに』

マチネの終わりに

『マチネの終わりに』
平野啓一郎
毎日新聞出版

天才ギタリストと国際的ジャーナリストの「大人の恋愛」
というシャレオツ設定や理屈っぽい台詞で装飾されているものの、
中身は安っぽいメロドラマでまったくのれませんでした。

イラク戦争やユーゴスラビア紛争が
メロドラマの世界観だけのために使われているのもいらだたしい。

早苗は嫌な女だと思うけど、洋子のほうが嫌い。
経済学者の夫にサブプライム・ローンの倫理観を説くとか「知的な」女のすることだろうか。

「ブッキッシュで、いやな女ね、わたし。」
そのとおりだ。

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