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本『クローディアの秘密』

クローディアの秘密 (岩波少年文庫 (050))

『クローディアの秘密』
E.L.カニグズバーグ
岩波少年文庫

ヴァイオリンのケース トランペットのケース
トランク代わりにして 出発だ♪

実は読んだことがなかった名作。
12歳の頃に読むべきだった。
違う自分にならないと家には帰れないと思うクローディアの切実さは
12歳の私ならもっと共感できたはず。

「ちがった道なんていわなかったわ。ちがって帰りたいといったのよ。
あたし、このクローディア・キンケイドは、
うちに帰った時はちがったクローディアになっていたいの。」

 

本『日本史を学ぶための〈古代の暦〉入門』

日本史を学ぶための〈古代の暦〉入門

『日本史を学ぶための〈古代の暦〉入門』
細井浩志
吉川弘文館

専門的なので読むのに苦労しましたが、日本における暦の変遷がわかっておもしろかった。
持統天皇の頃から暦が使われてたり、正月に日食があるかないかで議論したり、
基本的に政治と切り離せないものなんですね。


日食の計算はともかく、太陰太陽暦くらいなら算数レベルで計算できるので、
暦の作り方を中学くらいで教えてくれるといいのにな。
天文学、数学、陰陽道が一体だったことがわかると思う。

 

本『針がとぶ Goodbye Porkpie Hat』

針がとぶ - Goodbye Porkpie Hat (中公文庫)

『針がとぶ Goodbye Porkpie Hat』
吉田篤弘
中公文庫

ロング・スリーヴスのような、遠い国の端っこの海の見える
何もない場所でこんな風に暮らしてみたいなと思ったり。

「本当に素晴らしいところは、どんな地図にも載っていない。」

『月と6月と観覧車』がこの短編集の中では異色だなと思ったのだけど、
小川洋子さんの解説を読んで、ああ、そうつながるのかと納得。


本『スカイ・クロラ』

スカイ・クロラ (中公文庫)

『スカイ・クロラ』
森博嗣
中公文庫

 

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本『続 あしながおじさん』

続あしながおじさん (新潮文庫)

『続 あしながおじさん』
ジーン・ウェブスター
畔柳和代 訳
新潮文庫

本編の『あしながおじさん』が充分におもしろいので、これまで続編を読む気になれずにいました。
こちらはジュディとジャービスの結婚後、
ジョン・グリアー孤児院の院長を任された元ルームメイト、サリーの奮闘記。

女子大生活ほどのはなやかさはありませんが、
孤児院をせっせと改革していく展開はこれはこれで楽しく、1日で一気読みしました。


『あしながおじさん』の発売が1912年、その3年後の1915年に『続 あしながおじさん』が発売。
同じ年にジーン・ウェブスターは結婚し、翌年、女児を出産した2日後に39歳で死亡。

という経歴は岩波少年文庫版『あしながおじさん』の訳者あとがきで知っていたのですが、
当時の女性にしては(作家だとしても)ずいぶん遅い結婚だなと思っていました。

今回の『続 あしながおじさん』の訳者あとがきによると、
1908年、友人の兄と出会い恋をするが、彼には妻子がおり、
精神に異常をきたしていた妻と離婚が成立するのが1915年6月。
ウェブスターと再婚するのが1915年9月です。

これを踏まえて読むとサリーのハッピーな物語は著者の願望でもあったのかと思います。

精神障害や知的障害が遺伝するという当時の考えも再三出てきて
(さらには犯罪者の子供は犯罪者に、アルコール依存症の子供はアルコール依存症になるといった話まである)、
今読むとギョッとしちゃうんですが、簡単に削除できる部分でもなく、
著者の経歴や物語を理解する上では重要な部分でもあります。


ジュディとジャービスは幸せに暮らしているようですが、
夫とうまくいかず離婚してしまった元同級生の話なども出てきたり、
そもそもお嬢さんのサリーが孤児院を経営するあたり、
当時の女性が就職して生活していくという道があまりなかったんだと思います。
深読みするとなかなか重い話です。

 

本『レインコートを着た犬』

レインコートを着た犬 (中公文庫)

『レインコートを着た犬』
吉田篤弘
中公文庫

『つむじ風食堂の夜』、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』に続く、
月舟町三部作の完結編。

月舟町は赤堤あたりがモデルらしく、たしかに物語に出てくる路面電車は世田谷線っぽい。
ただ、月舟シネマは今はなき三軒茶屋映画劇場や三軒茶屋シネマあたりが私のイメージ。

といってもつむじ風食堂の十字路は赤堤というより、コペンハーゲンとかイルクツークとか、
この世界のどこかにありそうで、どこにもない場所という気がする。

吉田篤弘さんの作品がすごく好きというわけでもないのだけど、
文中に出てくる静かに降る雨のように心地よい。

 

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