映画『アイ、トーニャ』

アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル[DVD]

『アイ、トーニャ』

ナンシー・ケリガン襲撃事件。覚えていますとも!
靴紐が切れて演技が続けられないと涙ながらに訴えるトーニャ・ハーディング。
(織田信成のときも真っ先に思い出した。)
煽りをくって滑走順が早まってしまった次の選手とコーチの姿。
ナンシー・ケリガンのスパイラル。
二人を尻目に金メダルをかっさらっていったオクサナ・バイウル。
カタリナ・ヴィットの『花はどこへ行った』。
リレハンメルは本当におもしろかった!

当時もメイク、衣装、選曲ともに「下品」な印象があったトーニャですが、
それを完璧に再現。オリンピックのときのチークとか印象そのまま。

労働者階級から出てきた選手ゆえに人気も高く、
事件後も「トーニャを信じてる」と看板を掲げるファンがいたことも覚えてます。
(ケリガンは上品なお嬢さんとして対比されていたんだけど、
これはマスコミが作ったイメージで実際にはそれほど裕福ではなかったそうだ。)

夫の暴力や母親との確執など今まで知らなかった話もありましたが、
恵まれない家庭環境ゆえに加害者となってしまったかわいそうな人、
みたいな描き方をしていないのがよい。

インタビュー形式をとったことで、
どいつもこいつも自分に都合のいいことしか言っていないので、
トーニャがどこまで襲撃事件に関わっていたのか真実は問わないという作りもうまい。

ださポップな選曲も好きです。

母親役のアリソン・ジャネイはアカデミー賞、ゴールデングローブ賞助演女優賞も納得の怪演。
この母親の前ではDV夫などただのヘタレに見える。
ケリガン襲撃事件よりも母娘の確執のほうが怖くて、
母親とどうしてもうまくやっていけないという人にも見てほしいと思う。

 

映画『クレイジー・リッチ!』

クレイジー・リッチ! [DVD]

『クレイジー・リッチ!』

ミシェル・ヨーめあてで見に行ったのですが(あいかわらずの迫力と美しさ!)、
期待以上におもしろかった。


アメリカのアジア人って『ハングオーバー!』のミスター・チャウ的な
イカれたイメージなんだろけど(ケン・チョンは今回も怪演)、
ステレオタイプを逆手にとってる感じもよいし、
『Money』、『Can't Help Falling In Love』、『Material Girl』など
レトロでベタな選曲も懐かしの香港映画的なノリで楽しい。


アメリカでは異例のヒットなのに日本では拡大公開とはいえ
あまり注目されていないのがもったいない。


『glee』ファンにはハリー・シャム・ジュニアの一瞬の出演も見逃せません。

映画『響 -HIBIKI-』

響 -HIBIKI- DVD通常版

『響 -HIBIKI-』

天才っているんだなー
というのが見終わって最初の感想。
もちろん平手友梨奈のことである。

有名作家(北村有起哉)、新人作家(柳楽優弥)、
売れない小説家(小栗旬)など、クセのある作家たち(いずれもなかなか好演)
を響がバッサバッサとなぎ倒していく痛快さ。

そういう役まわりなのはもちろんだけど、一対一で並んだときの平手の存在感が
響という特異なキャラクターにリアリティーを与えている。


彼女の圧倒的な存在感、不安定さ、時折見せる無邪気な顔、
平手友梨奈の魅力がそのまま響の魅力になっている点で
アイドル映画としても良い出来だと思う。

 

映画『(ハル)』

『(ハル)』

いまさらであるが、追悼森田芳光ということで『(ハル)』を見る。
1996年の公開当時は映画館で見たのだけれど、
今ではHuluで見たいときに見られる。

パソコン通信を舞台にしたメールのやり取りというのは
さすがに時代を感じる。
ハンドル名という響きも懐かしく、このころには、
ネット上の自分と、実際の自分という区別があったのだなと。
(「RTしよう」という言葉が出てくるが、
「リアルタイム会議室」、いわゆるチャットルームのことなんだけど、
当時、そんなふうに呼んでましたっけ? もう「リツイート」しか思い浮かばない。)

画面の大半をチャットのやりとりやメールが
埋めつくす手法は、相当、斬新だったと思うが、
パソコン通信の雰囲気を表現するためには、これで正しかったと思う。
むしろ、当時見ていたときは何の違和感も感じなかった気がする。
あらためて見てみると、メールで語っていることが必ずしも真実ではなかったり、
(ハルが明らかに嘘をつく場面では文字が赤くなっている)
淡々とした日常生活との対比がよく出ている。
メールの内容もごくごく普通のもので、
その後の『WITH LOVE』のように、
わざとらしく2人の距離を縮める感じがないのもいい。

日常生活はすごく静かな映画で、
深津絵里の恋人を失った喪失感を抱えている感じが
とてもいい。(彼女がちゃんと笑うのはラストだけなのだ。)
私は深津絵里を特別好きではないのだけど、
この映画の彼女は本当にいいと思う。

内野聖陽もちょっと爽やかすぎるんだけど新鮮。
戸田菜穂演じるローズは、明らかに『ノルウェイの森』の緑のパロディーで
何度も深津絵里が村上春樹の本を並び替えたり、
(『ノルウェイの森』の隣に『ダンス・ダンス・ダンス』を置くのだけど、
あれはなぜなんでしょうね。)
亡くなった恋人の名前が春田だったりする。

そのほか、ハルの元カノが当時、ちょっと目立ってた山崎直子。
今、調べたら山崎努の娘だとか。切れ長美人でした。
あと、深津絵里に言い寄る役で宮沢和史とか。

静かな映画の中で、大きく動の部分が新幹線なのだが、
あれは名シーン。
実際にはパソコン通信で知り合った人があんな風に
出会ったりしないとは思うんだけど。
(また蛇足ですが、当時はリアルタイムで
NIFTYの映画フォーラムにいたので、公開したときは話題になりました。
といっても当の映画フォーラムはシスオペ辞任騒ぎに揺れていたのだけど。)

映画のラストの台詞は予想がつくのだけれど、
あそこはやっぱり実際に声が欲しかった、
と見た当時も思ったっけ。


『ダークエイジ・ロマン 大聖堂』

『ダークエイジ・ロマン 大聖堂』

地震の影響で録画しそこねた『大聖堂』やっと見終わった。
原作はだいぶ変更されてるけど、
大聖堂建設をじゃましようとしてる司教が
それでも聖堂の美しさに打たれてしまったり、
建築職人トムが最後に見ようとしたのが聖堂だったり、
様々な欲望の上にそびえ立つ大聖堂というテーマは表現されている。

リーガン役のサラ・パリッシュ、エレン役のナタリア・ヴェルナー、
モード役のアリソン・ピル(スコットピルグリムのドラマー)は覚えておこう。

関連本:
『大聖堂』
『大聖堂 果てしなき世界』

映画『ソーシャル・ネットワーク』

『ソーシャル・ネットワーク』
at 新宿バルト9

事実かどうかはともかく(映画化した時点ですべてはフィクションです)、
ベン・メズリックの原作本には非常に忠実。
ハーバード大生の傲慢なエリート意識、
女の子と仲良くなりたいというささやかで誰もが抱く欲望、
友情と裏切り、スピードとタイミング、
そういうものから「何か」が生まれてくるのだと。
その「何か」が5億人のSNSでも靴でも椅子でも。

弾丸トークのリズムや
双子のレースのミニチュアライズっぽい映像とか
リロードとか。小技の効いた演出。

facebook
原作はこちら。ベン・メズリックの『facebook』

フェイスブック創設者のマーク・ザッカーバーグ、映画『ソーシャル・ネットワーク』にダメだし?

ショーン・パーカー曰く、映画ソーシャル・ネットワークは「完全なフィクション」

映画『キック・アス』

キック・アス Blu-ray(特典DVD付2枚組)

『キック・アス』
at シネセゾン渋谷

評判通りおもしろかったけど、意外にシビアな話。
「力には責任が伴う」はスパイダーマンの台詞だが、
では力のないものに責任はないのかと主人公は問う。

ヒット・ガール役のクロエ・グレース・モレッツは
『(500)日のサマー』の子。
マスクしたときのほうが弱々しくみえる。
彼女の残酷さはクールだけど、笑えないレベルで、
作品全体にちょっと影を落としている。

映像のスタイリッシュさとか、主人公の冴えない感じとか、
『ウォンテッド』に似ていると思ったら、アメコミ原作者が一緒だった。


(500)日のサマー [DVD]
『(500)日のサマー』

ウォンテッド 【ブルーレイ&DVDセット 2500円】 [Blu-ray]
『ウォンテッド』

映画『ノルウェイの森』

ノルウェイの森 オリジナル・サウンドトラック

『ノルウェイの森』
at 新宿バルト9

原作に思い入れがあるので、見るのを躊躇していたのだが、
原作にないシーン(アイスを食べるキズキと直子など)が原作を補完し、
ストーリー説明のためには入れておくだろう場面をカットしている。
原作に忠実な映像化というより、原作を理解した上で、
トラン・アン・ユン監督の解釈を映像化した、という感じ。

役者の台詞が棒読みと批判されたが、
ワタナベのしゃべり方は棒読みで読むのがたぶん正解。
むしろリアリティを持たせようとしている緑の方が違和感。

菊地凛子は彼女なりの直子像をよく研究していて、
しゃべり方から手の仕草まで完璧に演じている
(私の直子のイメージとは違うけど)。

村上隆が指摘してるほど難しいことは考えずに見たが、
原作がいくらでも文学的に深読みが可能だったように、
車を追い越すスピードで歩く直子とか、
直子を追いかける前に震える自分の肩を押さえるワタナベとか、
いくらでも解釈が可能な映像。
プールの青、療養所の緑、雪、肌を照らす光、
グルグルと長回しで捕らえたワタナベと緑の会話、
初音映莉子の表情しか映さない食事の場面とか。


映画『散り行く花』

散り行く花 [DVD] FRT-144

『散り行く花』

映画のお勉強第一弾。
不幸を体現するリリアン・ギッシュが不気味過ぎる。
口に指をあてて無理矢理笑う有名な仕草も実際に見ると、
健気とか可哀想という前に恐い。

『勝手にしやがれ』での引用が思い出せない。
この頃のサイレント映画は雄弁だな。


映画『ただ、君を愛してる』

ただ、君を愛してる スタンダード・エディション [DVD]

『ただ、君を愛してる』

宮崎あおい再発見第2弾として見てみた、のだが……。
そもそも、この映画を今まで避けてきたのは、
ポスターの綺麗すぎる映像に「なんだかなー」と思ってたわけで、
大学の近くにある不思議なほど美しい森とか、
なんだかもう、綺麗というより、「なんかこれCGですか?」みたいな
うそっぽさなんだよね。

宮崎あおいの不思議ちゃんぶりとか、
玉木宏の純情大学生とか、
ふたりが好演しているので、まあ、見れますが、
逆に言うと、このふたりじゃなかったら、どんなサムイ映画になったことか。
黒木メイサの美人マドンナもなんだかな。

それでも宮崎あおいのアヒル口とか、
メガネを外したらかわいかったというベタさとか、
「好きな人の好きな人を好きになりたかったの」とか、
彼女の存在がある間はよかった。
問題はラスト30分、宮崎あおいがスクリーンから姿を消した後で、
いや、もう、何これ。この安易な展開を
玉木くんと黒木メイサだけでひっぱってくのは無理。

公開された2006年ってまだ純愛ブームの頃だっけ?
これで観客が泣くだろうと思ってるほうもヒドイし、
実際に「感動して涙が止まらなかった」というレビューを見ると
なんだかゲンナリしますな。
たとえ、同じ展開でも主演が宮崎あおいなんだから、
演出次第でもっと別の泣かせ方ができたはず。

大学内の描写とか、同級生たちが玉木宏に手を振って別れていく場面が
『あすなろ白書』みたいだと思ったら、
監督の新城毅彦は『あすなろ』の演出もしてるのね。
小出恵介、青木崇高と一部『初恋』とキャストがかぶってますが、
『初恋』と違って、こちらはお気楽な大学生。小出くんはこっちのほうが似合ってるかも。
あと、映画に出てくるカメラがキヤノン製だったのに、ちょっと「ふーん」と思いました。

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